| 法令の情報時期:2012年7月 | ページ作成時期:2026年1月~2月 |
目的
この指令は、EU 全域で一貫して効果的な方法で高レベルの保護を確保することを目指し、危険物質が関与する重大事故の防止と、人間の健康および環境に対するその影響の制限に関する規則を定めている。
概要
【適用範囲】
・この指令は、第3条1項に定義される施設に適用される。
【趣旨】
・EU全域で一貫して効果的な方法で高レベルの保護を確保することを目指し、危険物質が関与する重大事故の防止と、人間の健康および環境に対するその影響の制限に関する規則を定めている。
・特定の危険物質による重大事故の危険性の評価については、加盟国からの情報を吟味したうえで委員会が評価する。
・加盟国は事業者に対し、重大事故を防止し、事故が人の健康や環境に与える影響を制限するためのあらゆる措置を講じる義務を前提として、具体的に以下を求める:管轄当局への事業内容等通知、重大事故防止方針(MAPP)の規定と遵守、安全報告書の作成、施設等変更の通知、緊急時対応計画の作成、重大事故発生時の対応と管轄当局への報告。
・また各加盟国の管轄当局は、以下を行う:施設外で講じるべき措置に関する外部緊急時対応計画の作成、事故発生時の近隣へのドミノ効果の恐れの特定。一般市民への情報提供や意思決定への参加機会確保。重大事故発生時の情報収集、分析等と委員会への報告。検査制度の確立。
・加盟国と委員会は、重大事故の防止及びその影響の制限に関して得られた経験に関する情報を交換、データベースを設置して事故の再発防止に活用する。
適用除外(対象外・猶予・免除等)
この指令は、次のいずれにも適用されない。
- 軍事施設、軍事設備または軍事貯蔵施設。
- 物質から発生する電離放射線によって生じる危険。
- 本指令の対象となる施設の外での、道路、鉄道、内水路、海上または航空による危険物質の輸送および直接関連する中間一時保管(ドック、埠頭または操車場での積み下ろしおよび他の輸送手段との間の輸送を含む)。
- ポンプ場を含む本指令の対象施設外のパイプラインでの危険物質の輸送。
- ボーリングによるものも含め、鉱山及び採石場における鉱物の採掘、すなわち探査、抽出及び加工。
- 炭化水素を含む鉱物の沖合探査および採掘。
- 沖合の地下施設でのガスの貯蔵(専用の貯蔵サイト、炭化水素を含む鉱物の探査・採掘も行われているサイトの両方を含む)。
- 地下廃棄物貯蔵所を含む廃棄物埋立地。
事業者が注意すべき内容
| 本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。 ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
- 事業者は、重大事故を防止し、事故が人の健康や環境に与える影響を制限するためのあらゆる措置を講じる義務を負う(第5条)。
- 事業者名、関連施設の住所等の情報のほか、取り扱う危険物質に関連する情報、その物質を使って行う活動、施設周辺環境や関連リスクに関する情報を管轄当局に提出する(第7条)。
- 重大事故防止方針(MAPP)を定めた文書を規定の期限内に作成し、これを遵守する。また国内法で定められている場合は管轄当局に提出する(第8条)。
- 上位施設の運営事業者は、安全管理システムや重大事故対策等の詳細を記載した安全報告書を作成し、期限内に管轄当局に提出する。また同報告書は定期的に見直し、更新して管轄当局に報告する(第10条)
- 施設、プロセスや危険物質の内容・量等に変更が生じる場合や、事業所ランク(上位・下位)に変更が生じる場合、事業者は安全管理システムや報告書を必要に応じて更新し、事前に詳細を管轄当局へ報告する(第11条)。
- 全ての上位施設は緊急時対応計画を作成し、管轄当局が外部緊急時対応計画を策定できるよう、必要な情報を当局に提出する(第12条)。
- 重大事故発生時は、速やかに管轄当局に通知した後、事故の詳細や影響評価のためのデータ、講じられた緊急措置等を管轄当局へ報告する。さらに事故の中期・長期的影響の軽減や再発防止策についても報告する(第16条)。
注目定義
■ 「施設」(establishment)
| 1つまたは複数の設備に危険物質が存在する、一事業者の管理下にある場所の全体。共通または関連するインフラストラクチャや活動を含む。施設は、下位施設と上位施設に区分される。 |
■ 「下位施設」(lower-tier establishment)
| 危険物質の量が附属書Iの第1部2列または第2部2列に記載されている量以上であるが、附属書Iの第1部3列または第2部3列に記載されている量未満である施設をいい、該当する場合は附属書Iの注記4に規定されている合算ルールを使用する。 |
■ 「上位施設」(upper-tier establishment)
| 存在する危険物質の量が、(該当する場合には附属書Iの注記4に規定されている合算ルールを適用して)附属書Iの第1部3列または附属書Iの第2部3列に記載されている量と同等かそれ以上である施設。 |
■ 「新施設」(new establishment)
| ・2015年6月1日以降に操業を開始または建設される施設 ・施設や活動の変更により危険物質の在庫が変更されたために2015年6月1日以降本指令の適用範囲に含まれる事業所、または下位階層であったが上位階層となる、またはその逆となる事業所。 |
■ 「既存施設」(existing establishment)
| 2015年5月31日時点で指令96/82/ECの適用範囲内にあり、2015年6月1日以降は下位層施設または上位層施設としての分類を変更することなく本指令の適用範囲内にある施設。 |
■ 「設備」(installation)
| 危険物質が製造、使用、取り扱い、または貯蔵される、地上または地下にある施設内の技術的ユニット。その設備の運用に必要なすべての機器、構造物、配管、機械、工具、私鉄の引込み線、ドック、施設にサービスを提供する荷降ろし用の埠頭、突堤、倉庫、または同様の構造物(浮体式またはその他のもの)が含まれる。 |
■ 「危険物質」(dangerous substance)
| 原材料、製品、副産物、残留物、中間体の形態を含む、附属書Iの第1部に規定されている、または第2部に記載されている物質または混合物。 |
■ 「危険物質の存在」(presence of dangerous substances)
| 施設内に危険物質が実際に存在するか、または存在すると想定されること、または施設内のいずれかの設備において、貯蔵活動を含むプロセスの制御を失った際に、附属書Iの第1部または第2部に定められた適格量と同等かそれを超える量の危険物質が生成される可能性があると合理的に予見されること。 |
■ 「重大事故」(major accident)
| 本指令の対象施設の運用過程における制御不能な事態の結果として発生する大規模な排出、火災、爆発などの出来事で、即時または遅延して、施設の内外を問わず、人間の健康や環境に対する深刻な危険につながり、一つ以上の危険物質が関与しているもの。 |
■ 「危険性」(hazard)
| 人間の健康や環境に損害を与える可能性のある、危険物質または物理的状況の固有の特性。 |
■ 「リスク」(risk)
| 特定の期間内または特定の状況において特定の影響が発生する可能性。 |
目次
第1条 目的
第2条 適用範囲
第3条 定義
第4条 特定の危険物質による重大事故の危険性評価
第5条 事業者の一般的義務
第6条 管轄当局
第7条 通知義務
第8条 重大事故防止方針
第9条 ドミノ効果
第10条 安全報告書
第11条 設備、施設または保管施設の変更
第12条 緊急時対応計画
第13条 土地利用計画
第14条 一般市民への情報
第16条 パブリックコメントと意思決定への一般市民の参加
第17条 重大事故発生後に管轄当局が講じるべき措置
第18条 重大事故発生後に加盟国が提供する情報
第19条 使用禁止
第20条 検査
第21条 情報システムと情報交換
第22条 情報へのアクセスと機密保持
第23条 司法へのアクセス
第24条 ガイダンス
第25条 附属書の改正
第26条 委任権の行使
第27条 委員会の手続き
第28条 罰則
第29条 報告とレビュー
第30条 指令96/82/ECの改正
第31条 国内移行
第32条 廃止
第33条 発効
第34条 宛先
附属書I 危険物質
付属書II 第10条に規定する安全報告書において考慮すべき最低限のデータと情報
付属書III 第8条(5)及び第10条に規定する重大事故の防止を目的とした施設の安全管理システム及び組織に関する情報
付属書IV 第12条に規定する緊急時計画に含めるデータおよび情報
付属書V 第14条(1)及び第14条(2)(a)に規定する一般市民への情報の項目
附属書VI 第18条(1)に規定する委員会への重大事故の通報基準
付属書VII 相関表
基礎情報
| 法令(現地語) | |
| 法令(日本語) | 危険物質の関与する重大事故の制御に関する2012年7月4日付欧州議会および理事会指令2012/18/EU(理事会指令96/82/ECを改正後、廃止) |
| 公布日 | 2012年7月24日 |
| 所管当局 | - |
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