解説ドイツ-遠隔熱供給の一般供給条件に関する規則 (AVBFer...

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法令の情報時期:2022年07月 統合版 ページ作成時期:2026年01月

目的

目的

本規則は、遠隔熱供給に関する一般供給条件を統一的に定めることにより、契約関係の明確化、供給の安定性確保、価格および計量の透明性確保ならびに顧客保護を図ることを目的とする。

概要

概要

本規則は、遠隔熱供給事業者が多数の契約に用いる一般供給条件を前提として、下記の項目について包括的なルールを定めることにより、遠隔熱供給に関する契約関係を統一的かつ明確に規定するものである。
・契約の締結方法
・供給される熱の内容および範囲
・設備の設置および管理
・計量方法
・料金および価格変更
・支払および担保
・契約期間、解約ならびに供給停止等

適用除外(対象外・猶予・免除等)

機械安全、設備安全

工業事業者

一般供給条件を用いない契約
(第1条)

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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遠隔熱供給事業者は、その一般供給条件について、本規則において最終的に定められていない事項、または第2条から第34条までと異なる内容となる事項がある場合には、これに関連する価格規定および価格表を含め、適切な方法により公表しなければならない。(詳しくは第1条参照)

遠隔熱供給事業者は、一般供給条件、価格規定、価格表、価格調整条項および使用する指数の参照先について、最新の内容を、分かりやすく、かつインターネット上で公開しなければならない。また、ネットワーク損失量(熱供給ネットワークにおける損失量)についても公表義務がある。(第1a条)

遠隔熱供給事業者は、原則として契約を書面で締結し、書面以外で成立した場合には、遅滞なく書面で確認しなければならない。

遠隔熱供給事業者は、契約締結時および顧客からの要請があった場合には、一般供給条件および価格表を無償で交付しなければならない。(第2条)

顧客からの供給能力変更の申出について、年1回、一定条件の下(顧客から4週間前までに通知すること、削減幅が50%以下であること)で、これを認める仕組みを設けなければならない。

再生可能エネルギーへの転換を理由とする場合には、通常の供給能力調整の範囲(50%以下)を超える削減や契約の解約も認められ得るが、その場合には、遠隔熱供給事業者は、当該転換の実態および供給継続が合理的でないことについて、合理的な説明をしなければならない。(第3条)

遠隔熱供給事業者は、供給中断や不具合が生じた場合、遅滞なく是正しなければならない。短期間でない供給中断については、原則として事前に顧客へ通知する義務がある。(詳しくは第5条参照)

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遠隔熱供給事業者は、事業者またはその補助人等の故意または過失による生命・身体・健康の侵害については責任を負い、物の損壊および財産的損害については、原則として故意または重過失がある場合に限り責任を負う。

遠隔熱供給事業者は、遠隔熱供給の中断または不規則な供給によって顧客に損害が生じた場合であっても、不可抗力その他事業者に帰責性のない事由によるときは、原則として責任を負わない。

遠隔熱供給事業者は、供給障害に起因する損害について、一定額(15ユーロ)未満の損害については賠償責任を負わない。(詳しくは第6条参照)

土地所有者である顧客は、遠隔熱供給のための配管・設備の設置を、無償で容認しなければならない場合がある。遠隔熱供給事業者は、使用内容について事前に通知する義務を負う。ただし、公の交通路および交通用地、ならびにそれらの建設のために計画確定により指定された土地には適用されない。(詳しくは第8条参照)

遠隔熱供給事業者は、接続利用者に対し、地域供給に必要な設備の新設または増強に要する費用の一部として、建設費補助金を請求する権利を有する。建設費補助金は、一定の計算方法および上限(最大70%)の範囲内でのみ請求可能である。(詳しくは第9条参照)

遠隔熱供給事業者は、家屋引込線の種類、数および位置ならびにその変更について、接続利用者の意見を聴取し、その正当な利益を考慮した上で決定する。(詳しくは第10条参照)

遠隔熱供給事業者は、接続利用者に対し、家屋引込線の設置に要する費用、および、顧客設備の変更または拡張、またはその他の接続事業者側の要因による家屋引込線の変更に要する費用の償還を請求する権利を有する。これらの費用は、定額で算定することができる。(詳しくは第10条参照)

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計量・制御機器の設置、管理、保守および撤去は、原則として遠隔熱供事業者の責任で行わなければならない。また遠隔熱供給事業者は、顧客の正当な利益を考慮しなければならない。(第18条)

計量および請求については、関連法令(2021年9月28日付け「遠隔熱または遠隔冷却の消費量の把握および請求に関する規則」[連邦官報第I部4591頁])に従わなければならず、契約による逸脱は認められない。一般供給条件を用いない契約であっても、必ず遵守しなければならない。(詳しくは第1条および第18条参照)

遠隔熱供給事業者は、価格変更条項において、コスト構造および市場状況を適切に反映させ、計算要素を明確に示さなければならない。また、価格変更条項を一方的な公表のみで変更することは禁止されている。(詳しくは第24条参照)

遠隔熱供給事業者は、ガス価格上昇に基づく価格調整を行う場合、顧客への書面通知および理由の説明をしなければならない。あわせて、顧客に特別解約権を付与し、その旨を明示しなければならない。(詳しくは第24条参照)

遠隔熱供給事業者は、数か月分をまとめて請求する場合、前回請求後の消費分について、原則として直近の実績消費量に基づき算定し前払金を請求できる。顧客が消費量の大幅な減少を合理的に示した場合、事業者はこれを考慮しなければならない。(詳しくは第25条参照)

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遠隔熱供給事業者は、顧客が支払義務を履行しない、または適時に履行しないおそれがあると認められる場合には、請求期間の熱消費について前受金を請求することができる。(詳しくは第28条参照)

遠隔熱供給事業者は、顧客または接続利用者が前受金を支払うことができない場合、相当な額の担保の提供を求めることができる。顧客または接続利用者が支払遅延に陥り支払義務を履行しない場合、事業者は担保から弁済を受けることができる。
担保は、その提供が必要とされた事情が解消された場合には、返還されなければならない。(詳しくは第29条参照)

遠隔熱供給事業者は、顧客が一般供給条件に違反し、人や設備の安全確保、不正な熱消費の防止、または他の顧客や設備への悪影響防止のために必要な場合、事業者は即時に供給を停止できる。
支払遅延などその他の違反の場合には、原則として2週間前に供給停止を予告したうえで停止できるが、停止が不相当であり履行の見込みがある場合には停止できない(詳しくは第33条参照)

遠隔熱供給事業者は、供給停止の理由が解消され、停止・再開に要した費用が支払われた場合は速やかに供給を再開しなければならない。(第33条)

遠隔熱供給事業者は、顧客に重大または反復的な違反がある場合、一定の要件の下で、供給契約を即時に解約することができる。(第33条)

注目定義

<対象者>

■ 「遠隔熱供給事業者」(Fernwärmeversorgungsunternehmen)

遠隔熱供給事業者とは、遠隔熱供給ネットワークを運営し、顧客に対して熱を供給する事業主体をいう。

<対象製品>

■ 「遠隔熱供給」(Fernwärme)

遠隔熱供給とは、配管網を通じて、事業者が顧客に対し熱エネルギーを供給する仕組みをいう。

■ 「一般供給条件」(allgemeine Versorgungsbedingungen)

一般供給条件とは、事業者が多数の契約に共通して用いる、あらかじめ定められた供給条件をいう。

■ 「契約締結」(Vertragsabschluß)

契約締結とは、遠隔熱供給に関する供給契約を成立させる行為をいう。

■ 「接続」(Anschluß)

接続とは、遠隔熱供給ネットワークに建物または設備を物理的に結合することをいう。

■ 「供給」(Versorgung)

供給とは、遠隔熱供給ネットワークを通じて、顧客に継続的に熱を提供することをいう。

■ 「供給中断」(Versorgungsunterbrechungen)

供給中断とは、予定または不測の事由により、熱の供給が一時的または継続的に停止することをいう。

■ 「供給障害」(Versorgungsstörungen)

供給障害とは、供給の中断または不規則な供給により、契約どおりの供給が行われない状態をいう。

■ 「建設費補助金」(Baukostenzuschüsse)

建設費補助金とは、遠隔熱供給設備の新設または拡張に際し、顧客が事業者に支払う費用負担金をいう。

■ 「家屋引込線」(Hausanschluß)

家屋引込線とは、遠隔熱供給ネットワークから建物までを接続する配管設備をいう。

■ 「引渡設備」(Übergabestation)

引渡設備とは、遠隔熱供給事業者の設備と顧客設備との境界となる設備をいう。

■ 「顧客設備」(Kundenanlage)

顧客設備とは、引渡設備以降、顧客側に属する熱利用設備一式をいう。

■ 「計量」(Messung)

計量とは、供給された熱量を測定し、料金算定の基礎とする行為をいう。

■ 「計量機器」(Meßeinrichtungen)

計量機器とは、供給された熱量を測定するための装置をいう。

■ 「価格変更条項」(Preisänderungsklauseln)

価格変更条項とは、供給料金を将来変更するための条件および計算方法を定めた契約条項をいう。

■ 「供給停止」(Einstellung der Versorgung)

供給停止とは、一定の要件の下で、事業者が熱の供給を中断する措置をいう。

目次

第1条 規則の対象

第1a条 公表義務

第2条 契約締結

第3条 供給能力の調整

第4条 供給形態

第5条 供給の範囲および供給中断時の通知

第6条 供給障害時の責任

第7条 (削除)

第8条 土地の使用

第9条 建設費補助金

第10条 家屋引込線

第11条 引渡設備

第12条 顧客設備

第13条 顧客設備の使用開始

第14条 顧客設備の検査

第15条 顧客設備および消費設備の運転、拡張および変更ならびに通知義務

第16条 立入り権

第17条 技術的接続条件

第18条 計量

第19条 計量機器の再検査

第20条 検針

第21条 違算

第22条 熱の利用

第23条 契約違約金

第24条 請求および価格変更条項

第25条 前払金

第26条 請求書および分割払い用紙

第27条 支払いおよび遅延

第28条 前受金

第29条 担保

第30条 支払拒否

第31条 相殺

第32条 供給契約期間および解約

第33条 供給停止および即時解約

第34条 管轄裁判所

第35条 公法上の遠隔熱供給

第36条 ベルリン条項

第37条 施行

附属書EV(※) 統一条約附属書I 第V章 分野D 第III節 抜粋

― 加入地域に関する特則(統一条約第3条)―

(※1990年のドイツ再統一に伴い締結されたドイツ統一条約(Einigungsvertrag)に基づき、旧東ドイツ地域における本規則の適用に関する経過措置を定めた抜粋規定)

基礎情報

法令(現地語)

Verordnung über Allgemeine Bedingungen für die Versorgung mit Fernwärme (AVBFernwärmeV)

法令(日本語)

遠隔熱供給の一般供給条件に関する規則 (AVBFernwärmeV)

公布日

1980年06月20日

所管当局

ドイツ連邦経済・気候保護省

作成者

株式会社先読

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