解説ドイツ – 製造物責任法(ProdHaftG)

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法令の情報時期:2017年7月 統合版 ページ作成時期:2025年11月

目的

目的

この法律は、EU欠陥製品責任指令『欠陥製品責任に関する加盟各国の法、規則ならびに行政規定の近似化についての1985年7月25日付理事会指令 85/374/EEC』(1999/34/ECにより修正)をドイツ国内で実施するための法律である。

概要

概要
  • ある製品の欠陥によって人を死亡させ、または身体や健康に被害を与えたり物品を損傷した場合、製造業者は被害者に対しその損害を賠償する責任を負う。
  • 物品の損傷に関しては、欠陥製品以外の物品が損傷を受けた場合であって、その物品が私的使用を意図したものであること、主に被害者によって使用されていたことを賠償責任の条件とする。
  • 一定の条件下で製造業者の賠償責任は減免される。
  • 欠陥、損害、および欠陥と損害との因果関係を証明する責任は被害者が負う。賠償責任免除に関して見解の不一致がある場合は、製造業者が証明責任を負う。
  • その他、被害者死亡の場合および負傷の場合の賠償義務の詳細、賠償金支払いの方法や限度額、被害者の自己負担額等についても規定されている。

注目定義

■ 「製品」(Produkt)

本法の目的において、『製品』とは全ての動産(別の動産または不動産に組み入れられている場合も含む)、ならびに電気を指す。

■ 「製品に欠陥がある」(Ein Produkt hat einen Fehler)

製品が、あらゆる状況を考慮したうえで当然期待できる安全性を提供していないとき『製品に欠陥がある』という。 ただし、その製品の後により良い製品が流通するようになった、というだけの理由では、当該製品に欠陥があるとはみなされない。

■ 「製造業者」(Hersteller)

本法の意味における製造者とは、完成品、原材料または部品の製造者、ならびに商品に自らの名、商標、その他の識別標識を付して自らをその製造者と表明する者をいう。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

制限、限定

本製造物責任法は、以下には適用されない(第15条)。

人間による使用を意図した医薬品で、薬品法の適用範囲内で利用者に提供され、認可義務のある、または法規命令により認可義務を免除されたものの使用により被害者が死亡、または身体や健康に損害を受けた場合。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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【流通業者、輸入業者が製造業者とみなされる場合】

製品の欠陥に責任を負う製造業者には上記の者のほかに輸入業者も含まれる(第4条2項)。

また、製品の製造業者が特定できない場合には、あらゆる流通業者が製造業者とみなされる。ただし、流通業者が被害者の要請に応じて、1カ月以内に製造業者または自らに製品を供給した者の名を伝えた場合はこの限りではない(第4条3項)。

輸入品の場合、製造者名が判明している場合でも、輸入者名が不明な場合は上記が適用される(同上)。

情報伝達、連絡

【複数の損害賠償責任者(第5条)】

同一の損害に対して複数の製造業者が損害賠償責任を負う場合、これらは連帯責任を負う。その賠償責任の分担や規模は、損害の主たる原因となった部品その他に応じて決められる。

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【製造業者賠償責任の免除】

製造業者の賠償責任は、以下の場合には適用されない(第1条2項)。

  1. 製品を流通させていない場合、
  2. 状況に鑑みて、製造業者がその製品を流通させた当時、当該製品は損害を生じさせた欠陥を有していなかったと考えられる場合、
  3. 製造業者が当該製品を販売のため、または経済的目的を有する他のいかなる流通のためにも製造しておらず、職業上の行為の一環として製造または販売したのではない場合、
  4. その欠陥が、製造業者が当該製品を上市した際に義務であった法規制を遵守したために生じた場合、
  5. 製造業者が当該製品を流通させた時点の科学的知見および技術ではその欠陥を発見し得なかった場合。
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【部品製造業者の賠償責任の免除(第1条3項)】

部品の製造業者については、欠陥が部品が組み込まれた製品の構造上の欠陥、あるいは製品製造業者の使用説明に起因する場合は賠償責任を免除される。

目次

第1条 賠償責任

第2条 製品

第3条 欠陥

第4条 製造業者

第5条 複数の者が賠償責任を負う場合

第6条 賠償責任の減免

第7条 被害者が死亡した場合の賠償義務範囲

第8条 被害者が負傷した場合の賠償義務範囲

第9条 定期金による損害賠償

第10条 損害賠償の限度額

第11条 物損の自己負担分

第12条 時効

第13条 請求権の消滅

第14条 不可侵性

第15条 医薬品損額賠償、他の法規制に基づく賠償責任

第16条 経過規定

第17条 法規命令の公布

第18条 ベルリン条項

第19条 発効

基礎情報

法令(現地語)

Produkthaftungsgesetz vom 15. Dezember 1989 (BGBl. I S. 2198), das zuletzt durch Artikel 5 des Gesetzes vom 17. Juli 2017 (BGBl. I S. 2421) geändert worden ist

法令(日本語)

1989年12月15日付製造物責任法(連邦法官報 第Ⅰ部 p.2198)、2017年7月17日付同法第5条により改正(連邦法官報 第Ⅰ部 p.2421)

公布日

1989年12月15日

作成者

株式会社先読

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