米国|成層圏オゾンの保護のため冷凍・空調・消火設備における重要な新規代替政策プログラムのリスト更新規則を公布
EPA、使用が許容される代替品のリストを最終規則として公表
2023年4月28日、米国環境保護庁(EPA)は、重要な新規代替政策(SNAP)プログラムに従い、冷凍および空調部門(快適冷却、住宅用除湿機、住宅用および軽商業用空調およびヒートポンプ)における許容できる使用可能な物質をリストにし、最終規則として公布しました。ここでは、「背景」「内容」について記事になっています。
背景:
米国環境保護庁(U.S. Environmental Protection Agency、EPA)がクラスI(クロロフルオロカーボン(CFC)、ハロン、四塩化炭素、メチルクロロホルム、臭化メチル、ヒドロブロモフルオロカーボン、およびクロロブロモメタン)またはクラスII(ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC))のオゾン層破壊物質を減らすことを目指しています。
大気浄化法(CAA)のセクション612では重要な新しい代替ポリシー(Significant New Alternatives Policy、SNAP)プログラムが規定されています。このSNAPプログラムの下で、EPAはオゾン破壊物質の削減を目的とし、これら物質に置き換えられるものの、人の健康や環境に悪影響を与える可能性がある代替品のリストを公表し、置き換えてはいけないとする規則を公布しています。
内容:
今回、EPAは、電気エアコン、ヒートポンプ、除湿機、冷媒を含む実験装置、可燃性冷媒の安全な使用、および冷凍システムの安全な設計、建設、設置、および運用の要件を確立する参照基準を設定しました。また、流動剤でもある放出消火剤の中で、使用条件に応じて許容できる特定の物質をリストにしました。
具体的には、EPAは次のとおりです。
- 商用および工業用プロセスにおける快適冷却装置において、使用条件に応じて、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)-1234yf、ハイドロフルオロカーボン(HFC)-32、R–452B、R–454A、R–454B、およびR–454Cを使用許容できるものとしてリストに加えました。
- 住宅用除湿機において、同様に、HFO–1234yf、HFC–32、R–452B、R–454A、R–454B、およびR–454Cを使用も許容できるものとしてリストに加えました。
- 自己完結型の室内空調およびヒートポンプにおいて、使用条件に応じて、HFC–32を使用許容できるものとしてリストに加えました。
- R–1150を、使用許容できるものとしてリストに加えますが、超低温冷凍での使用を条件とし、使用制限の対象とします。
- 流動剤でもある放出型消火剤として、2-ブロモ-3,3,3-トリフルオロプロペン(2–BTP)を使用許容できるものとしてリストに加えました。ただし、ホームオフィスとボートを除く非住宅用における流れ出しや500フィート未満の空間での放出使用と使用制限の対象とします。
- 流動剤でもある放出型消火剤として、通常は占有されていない空間での放出使用限定で、EXXFIRE®を使用許容できるものとしてリストに加えました。
- 流動剤でもある放出型消火剤として、通常は占有されていない空間での放出使用限定で、パイロクエンチαとしても知られる粉末エアロゾルHを使用許容できるものとしてリストに加えました。
このリストは2023年5月30日より有効になります。