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法令で明確にならないこと

2023年07月28日に公布されたEU電池規則には、法令テキストだけでは理解や解釈が難しい点が多々存在しています。
当社でも、2023年08月末開催したオンラインセミナーや、09月に当社講師が参加した外部セミナーにおいて、電池規則に関する140を超える質問を受け取っています。また、電池規則案の検討が続く頃より、調査対応も行っており、規則公布後も、各社の事情に合わせた調査対応を行っております。

本ページでは、「法令で明確にならないこと」について検討する際の考え方について、紹介いたします。

主な論点

多くの事業者を悩ませている論点は、各社が共通して悩む事項として、いくつかの点が挙げられます。

■論点1: 電池の区分(カテゴリー)についての判断、考え方などの解釈

例)自社で製造する/購入して組み込む電池は、電池規則ではどの区分にあたるだろうか

■論点2: 事業者の種別についての判断、考え方などの解釈

例)~を行う〇〇に所在する▲▲拠点は、電池規則ではどの事業者にあたるだろうか

■論点3: シナリオ別の解釈

例)サプライチェーンにおけるモノの流れケースAでは、〇〇はどの事業者になるだろうか?別の流れのケースBではどうだろうか?

■論点4: 電池の解釈

例)セル、モジュール、パックの別と「電池」の関係、そして論点3との絡みでの解釈はどうだろうか

■論点5: 二次利用の場合の論点1~4についての解釈

例)ケースAの流れで、〇〇が電池を再使用するとき、誰がどういう事業者の種別に特定されるのか?

 

以上は、代表的な論点ですが、電池区分、事業者の種別、「電池」の解釈、モノの流れ・シナリオの想定、二次利用も絡み合って、非常に複雑になっています。

当社では、既に電池規則公布以前より、こういった解釈に関する調査対応や見解文書の作成を行っております。

そのような経験から、検討・相談するにあたって、まず、どういう考え方をすべきかについて、紹介いたします。

必要な情報は何かを考える

■ 自社で解釈を検討するにしろ、当社のような外部組織に依頼するにしろ、いずれにしても、まずは解釈を行うための前提となる関連情報を準備することに特に注意を払うことが必要です。
■ 解釈・見解作成にあたっては、この段階が最も重要と考えます。情報が不足していると、不適切な筋道を通って不適切な解釈・見解にたどり着く恐れがあるためです。
■ セミナーで寄せられた質問についても、上述のような解釈をもとめるものが多々ありましたが、寄せられたの質問の情報量およびセミナー回答分の範囲で答えられるようなものはほとんどありませんでした。そのため、回答には、必要な情報が不足している旨を記載し、詳細は別途調査対応になることを盛り込み、回答を作成した経緯もあります。

■ ただし、必要な情報は何かを考えるプロセスにも「コツ」のようなものがあります。
「要点の把握」と読み替えてもいいですが、例えば、「製造者」の解釈には、「製造」の捉え方、商標・名称の変更有無や「使用開始」の定義と、実際に想定しているシナリオを突き合わせて、解釈の筋道を組み合わせる必要があります。二次利用の場合には、さらに別の条項や前文との兼ね合いでの解釈も付きまといます。
この際、膨大な情報量のある電池規則の読み込みに不慣れである場合、こういった「コツ」を見逃してしまうおそれがあります。

委任法/実施法で明らかになることと、そうでないことがある

■ 電池規則では、非常に多くの委任法や実施法で別途詳細項目や閾値、様式、計算方法を定めることを規定しています。
■ しかしながら、よくよく対応させてみると、委任法や実施法が公布されれば明らかになりそうなことと、明らかにならないであろうことが読み取れます。
■ そのため、委任法や実施法を待てばいい、というスタンスは危険であるばかりか、将来的に急な対応を迫られる要因にもなりかねないため、リスクやコスト増の恐れがあります。
■ 他方で、その判別をするためにはやはり膨大な電池規則を読み解く必要があるという点で困難がつきまといます。

以上にみるように、自社のみで対応しようとする場合には、様々な困難に直面することがあると思います。
そこで、当社では、「各社の関心・事情に合わせた解釈・見解準備対応」と「中長期的な情報収集・アドバイザリー」をご案内しております。

ご案内1:各社の関心・事情に合わせた解釈・見解準備対応

■ 当社では、事業者ごとに異なる関心事項(電池区分、事業者の種別)や、事情(サプライチェーン、想定シナリオ、二次利用有無など)に合わせて、利用可能な情報に基づく、解釈・見解文書の準備対応を行っております。

■ 以下、事例を紹介いたします。ご関心がありましたら、お気軽にご相談くださいませ。

事例1:

〇 関心がある電池区分:2つの区分
〇 関心がある事業者種別:製造者、生産者、経済事業者、製造者とみなされる者
〇 ご相談内容概要:

・ 関連する電池区分や事業者についての要件整理(詳細整理、表整理、時系列整理)
・ 別途、質問項目についての解釈・見解準備

→→ 調査報告:報告書(PDF A4)約100頁
→→ 調査期間:2ヵ月
→→ 調査情報源:60超(公的機関、業界団体の情報源)

ご案内2:中長期的な情報収集・アドバイザリー

■ 当社では、中長期的な情報収集・アドバイザリー対応も行っております。
■ 通常、新しい情報が出ると、それが自社に関係があるのかどうかを確認する作業が入ると思います。そのプロセスには、情報収集、段階的な選別、確認、理解、解釈、共有・伝達のための資料作成など様々なタスクが含まれます。
■ 電池規則は特に、今後少なくとも二十数年間にわたって次々と新しい要件が適用されていきます。それにともなって関連法令案、関連情報が次々と登場し、業界団体の反応も付随して登場することでしょう。
■ そのため、それを見越した情報収集から社内外の情報共有までの一覧の管理体制を整える必要があると考えます。
■ 中長期情報収集および関連性解釈と質問対応を組み合わせたアドバイザリーサービスにて対応しております。

事例2:

〇 関心がある電池区分:全電池区分
〇 関心がある事業者種別:製造者、輸入者、流通業者、生産者、組み込み業者、経済事業者、製造者とみなされる者
〇 ご相談内容概要:

・ 2ヵ月に一度、新着関連情報の有無と当該企業・事業への関連性の解釈の提供:EU電池規則および他国の関連政策・法令・法令案(日米欧中)
・ Wordでの報告書整理とExcelでの要点の表整理の組み合わせ
・ 急遽発生する確認作業や質問対応、簡易調査相談のためのアドバイザリーサービス:全世界対象

→→ 調査報告:報告書(PDF A4)
→→ 調査期間:2ヵ月毎に対象国を分けて報告 契約は半年毎に更新

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■ 上述のような支援サービスにご関心がありましたら、是非お気軽にご相談ください。
■ ご相談・お問い合わせの連絡をいただきましたら、相談内容の詳細について、オンラインミーティングもしくはEmailなど、ご希望の手段にてヒアリングさせていただきます。

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