食品添加物の規定整理について
2025年10月15日、食品添加物に関する規則(EU)2025/2058がEU官報にて公布されました。本規則は、欧州議会および理事会の規則(EC)1333/2008における付属書IIおよびIIIを改正し、特定の栄養用途を目的とした食品に関する規定を更新するものです。
背景
■ 従来、規則(EC)1333/2008の附属書IIおよびIIIには特定の栄養用途を目的とした食品に関する参照として、指令(EC)2009/39や指令(EC)1999/21が記載されていました。
■ しかし、これらの指令は食事代替品等添加・表示規則(EU)609/2013によって廃止されており、古い指令への参照は最新の規則に適合させる必要がありました。
■ また、特定用途食品における食品添加物の使用条件や上限値も、現行の科学的評価や法制度に合わせて更新することが求められていました。そのため、既存規定の参照更新と一部食品カテゴリーの整理を行い、適用対象および条件を明確化する必要があると考えられていました。
概要
■ 食品カテゴリーの更新
規則(EC)1333/2008のパートEにおける「特定栄養用途食品(食品カテゴリー13)」の参照を、旧指令から規則(EU)第609/2013号に置き換えました。これに伴い、乳児用、継続用、加工穀物ベース食品、特殊医療用途食品などのカテゴリー番号や名称も更新されました。また、グルテン低減食品や体重管理用食品については新たにカテゴリー18を設け、さらに細分化された18.1~18.3のサブカテゴリーを設定しました。これにより、既存の乳幼児食品や特定用途食品の範囲と新たな食品カテゴリーとの整合性が図られています。
■ 食品添加物の使用条件の明確化
付属書Eに記載された各食品添加物(E番号)について、適用可能な食品カテゴリーと使用上限が整理されました。たとえば、炭酸ガス(E290)、アルゴン(E938)、ヘリウム(E939)などのガス類は乳幼児用食品や新設カテゴリー01.10の食品でも使用可能と明示されています。また、advantame(E969)の使用上限もカテゴリー13.2では10、13.3では8に改正されました。これにより、食品事業者は各添加物の使用範囲と最大量を正確に把握できるようになりました。
■ 旧参照指令の削除・修正
廃止された指令への参照を削除または置換し、現行規則(EU)609/2013号に統一しました。これにより、乳幼児用向けや体重管理用食品などで旧指令に基づく表記が不要となり、法的解釈の混乱を避けることができます。
■ 実務上の影響
この改正により、食品事業者は以下の対応が必要です。
- 自社製品の食品カテゴリーが新設または変更された場合、ラベル表示や添付書類におけるカテゴリー番号・名称の更新
- 食品添加物の使用条件や最大使用量の確認と必要に応じたレシピの調整。特に乳幼児用製品や特殊医療用途食品、体重管理用食品に使用されるE番号の管理
- 旧指令への参照表記や古い分類を使用している場合、新規則(EU)609/2013に基づく表示への修正
参考情報
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