EU|EU全域で相互運用可能なeCallの提供に関する委任規則の改正案について意見案を募集

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EU|EU全域で相互運用可能なeCallの提供に関する委任規則の改正案について意見案を募集

道路交通における緊急通報受付センターの4G/5Gへの対応について

2023年10月22日、欧州委員会によるEU全域における相互運用可能なeCallの提供に関する規則(EU)305/2013の改正案に関する意見募集期間が終了しました。道路上で重大な事故が発生した場合、緊急通報ダイヤル番号112を押すと、EU全域においてeCallによるサポートを受けられます。本規則はeCallの緊急通報センターを4G/5Gに適応させるものです。欧州委員会による採択は2023年の第四四半期に行われる予定です。

背景

規則(EU)305/2013は、道路交通に関する緊急通報受付センター(PSAP)のインフラのアップグレードについて定めたものです。EU全域におけるeCallサービスの相互運用性の維持にも貢献しています。

同規則において、道路上で重大な事故が発生した場合に使用する緊急番号112の移動通信システムとして採用されているのは2G/3Gです。しかし、4G/5Gの普及に伴い、ほとんどのモバイルネットワーク事業者は加盟国内での2G/3Gネットワークの廃止を発表しています。

また、欧州委員会の実施した調査によれば、移動通信システムの切り替えは2025年から2030年の間に移行するのが適しています。

よって、移動通信システムの進化を対応するためにはeCallの仕様を見直し、4G/5Gに対応できるシステムを構築する必要があります。

概要

規則(EU)305/2013は渋滞、事故、環境対策などを解決するための高度道路交通システムについて規定するための指令2010/40/EUを補完するものです。

規則(EU)305/2013の見直しの主な目的は、eCall緊急通報受付センターを4G/5G切り替え電子通信ネットワークに適応する仕様に変更することです。規則(EU)305/2013への変更がわずかであるため、欧州委員会は規則の廃止ではなく改正を行います。

規則(EU)305/2013の発効後、欧州標準化委員会は、EN 15722およびEN 16072の新しいバージョンを採用しました。特にEN 15722では、事故発生場所時における車両の最新位置情報の提供について定められています。事故の状況把握に際する信頼性のおける情報を確保するために、新しい規格に合致するよう条文を変更します。

関連法令概要:指令2010/40/EU

革新的な交通技術の開発を奨励し、渋滞、事故、環境対策などを解決するための高度道路交通システムを作成するものです。EU全域に共通する規格と仕様を導入することで相互運用性のサービス体系を確立し、EU加盟国が採用するシステムの選択をできる環境の整備も行っています。

参考情報

車載システムによる自動緊急112eCall EU全体の相互運用性仕様

道路交通分野における高度道路交通システム導入の枠組みおよび他の交通機関とのインターフェースに関する指令2010/40/EU

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