EU|エネルギー効率第一原則に関する適用条件に関する欧州委員会勧告が発表

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エネルギー効率第一原則について

2024年08月09日、欧州委員会はエネルギー効率第一原則に関する適用条件を定めた指令(EU)2023/1791の評価や適用方法について定めた欧州委員会勧告(EU)2024/2143を発表しました。

背景

■ エネルギー効率指令(EU)2012/27では、2030年までにEU全体で少なくとも32.5%のエネルギー使用量を削減することが主要目標として定められています。

■ エネルギー連合ガバナンス規則(EU)2018/1999において、EUのエネルギーシステム統合戦略の中枢をなすエネルギー効率第一原則が規定されています。

■ 2023年に指令(EU)2023/1791によって改正されたため、エネルギー効率指令(EU)2012/27に新たな要件が導入され、2030年に向けたエネルギー効率の改善目標が大幅に引き上げられ、エネルギー効率第一原則に関する実際の適用条件が初めて定められています。

■ 十分な結果を達成ためには指令(EU)2023/1791を国、地方、セクター等の意思決定者が政策、計画、主要投資決定などのエネルギー消費・供給に影響を与える10万ユーロ以上(輸送インフラプロジェクトの場合は1億7,500万ユーロ以上)の大規模投資に対して適用する必要があります。

■ エネルギー効率第一原則は、エネルギー部門と非エネルギー部門の両方に適用される必要がありますが、加盟国は前述の閾値を引き下げたり、特定のセクターやプロジェクトの種類に対してより低い閾値を設定することが可能です。

■ エネルギー効率第一原則の適切な適用には、より広範な経済的、社会的、環境的影響に対して適切な費用便益分析手法を用いること、エネルギー効率の高い解決策を可能にする条件を設定すること、そして、各加盟国においてこのモニタリングに責任を持つ主体または団体を特定することが重要であると考えられています。

■ 費用便益分析手法は、体系的に開発・実施され、エネルギー価格に関する最新の情報に基づくべきあるとされています。また、エネルギー効率に対するインセンティブを与えるために、EU-ETS指令(EC)2003/87の排出量取引制度(EU ETS)の適用・拡大などによる価格上昇のシナリオを含む必要性が指摘されています。

概要

■ 本勧告は、指令(EU)2023/1791の第3条において規定されている、エネルギー第一原則を評価する際のエネルギーおよび非エネルギー部門における計画、政策、および大規模な投資決定のエネルギー効率化ソリューションの評価や、モニタリング機構の設立、コストベネフィット分析手法の推進、エネルギー第一原則の実施に対する障壁の除去について規定しています。

■ 評価されるべきエネルギー効率化ソリューションとして、

- 建物の断熱やその他の省エネ改善、モーダルシフト、低燃費車、省エネ家電・機器、効率的なモーターシステム、熱回収などの最終エネルギー消費

- エネルギー貯蔵(バッテリーや蓄熱を含む)、スマートソリューション(スマートメーター、スマートサーモスタット)などの需要側リソースとシステムの柔軟性

- スマートグリッドの導入、効率的な地域冷暖房などのアプローチを取り入れた、エネルギーの効率的な変換、送電、配電

などが挙げられています。

参考情報

指令(EU)2023/1791の第3条の解釈に関する指針を定めた2024年7月29日付の欧州委員会勧告(EU)2024/2143

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