解説EU – 職場化学品リスク指令(CAD)

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法令の情報時期:2024年4月 統合版 ページ作成時期:2025年12月~2026年1月

目的

目的

この指令は、労働安全衛生指令89/391/EEC第16条1 項の意味における第14番目の個別指令であり、職場に存在する化学物質の影響、または化学物質が関与する作業活動の結果として生じる、または生じる可能性のある安全と健康へのリスクから労働者を保護するための最低要件を定める。

概要

概要

【趣旨】この指令は、労働安全衛生の枠組みを定めた指令89/391/EEC第16条1項の意味における第14 番目の個別指令であり、職場に存在する化学物質による安全と健康へのリスクから労働者を保護するための最低要件を定める。

EU レベルでの限界値設定後の各加盟国における限界値設定義務、その際の留意点のほか、雇用者の義務として有害化学物質のリスクアセスメントの方法や留意点、具体的な保護・予防手段、事故等への対応、従業員への周知義務等、また健康リスクが明らかになった場合の労働者の健康状態監視措置等について定めている。

【適用範囲】職場に有害化学物質が存在する、または存在する可能性がある場合に適用される。さらに、本指令は以下には影響を与えないことに注意。

  • 放射線防護措置が適用される化学物質に関する規定
  • 発がん性物質に関する指令 90/394/EEC に含まれる、より厳格な規定や個別規定
  • 有害化学物質の輸送に関する指令94/55/EC、指令96/49/ECほか、本指令より厳格な規定や個別規定

注目定義

■ 「化学物質」(Chemical agent)

自然に存在する、または生産されたものとして、単独で、または混合物として、何らかの作業活動によって使用または放出(廃棄物としての放出を含む)される化学元素または化合物(意図的に生産されたか否か、市場に出されたか否かを問わない)。

■ 「有害化学物質」(Hazardous chemical agent)

1) 欧州議会及び理事会規則(EC)第1272/2008号に規定される物理的及び/または健康に対する有害性クラス内で有害物質として分類される基準を満たす化学物質  2) 1) に従って危険物として分類される基準を満たさないが、その物理化学的、化学的または毒物学的特性、および職場での使用方法または存在方法により、労働者の安全と健康にリスクをもたらす可能性のある化学物質(第3条に基づいて職業ばく露限界値が指定された化学物質を含む)。

■ 「化学物質の関与する活動」(Activity involving chemical agents)

製造、取扱い、貯蔵、輸送、廃棄及び処理を含む何らかの過程において化学物質が使用される、又は使用が意図される作業、又は結果として化学物質が生じる作業。

■ 「職業ばく露限界値」(Occupational exposure limit value)

特に指定がない限り、特定の基準期間における、ある労働者の呼吸ゾーン内の空気中にある化学物質濃度の時間加重平均の限度値。

■ 「生物学的限界値」(Biological limit value)

ある物質、その代謝物、または効果の指標の適切な生体媒体における濃度の限界。

■ 「健康状態の監視」(Health surveillance)

職場における特定の化学物質へのばく露に関連して、個々の労働者の健康状態を判断するために当該労働者を評価すること。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
有害物質、危険物

【雇用者の義務(第2章4条)】

  • 雇用者は職場に危険な化学物質が存在するか否かを判断しなければならない。もし存在する場合には、危険の性質、ばく露のレベルや期間、当該物質の関与する作業の詳細や物質量、効果的な対策等の事項を考慮して、当該化学物質の存在から生じる労働者の安全及び健康に対するリスクを評価する。
  • 指令89/391/EEC第9条に従ってリスク評価書を所持し、本指令第5条及び第6条に従って講じられた措置を特定し、また必要に応じて評価書を更新しなければならない。
  • 作業者が複数の危険な化学物質にばく露される活動の場合、リスクは、そのような化学物質すべてを組み合わせた場合に生じるリスクに基づいて評価する。

【雇用者の義務 つづき(第2章5条)】

危険な化学物質を扱う労働者の健康と安全に対するリスクは、各種の方法により排除または最小限に抑えられなければならない。

第4条に規定する評価の結果、労働者の安全と健康に対するリスクが明らかになった場合には、第6条、第7条及び第10条に規定する具体的な保護、予防及び監視措置を適用しなければならない。

ばく露

【雇用者の義務 つづき(第2章6条)】

  • 有害化学物質の安全と健康への影響を排除または抑制するにあたっては、代替を優先的に行い、危険ではない、または危険度の低い化学物質またはプロセスに置き換える。
  • 代替によってリスクを排除できない場合、雇用者はリスクが最小限に抑えられるようにしなければならない。
  • 定期的に、またばく露状況が変わるような変化があった場合は必要に応じて化学物質の測定を実施する。
  • 職業ばく露限界値を超えているときは、ただちに予防・保護措置を講じる。

【雇用者の義務 つづき】

  • 事故、インシデントおよび緊急事態の発生に備えて予め行動計画を策定しておく義務がある(第2章7条)。
  • 職場の有害化学物質とそのリスクに関する情報を労働者に周知し、予防措置と行動に関して研修を行う(第2章8条)。
  • 特定の化学物質については職場での使用が禁止されている。ただし特定の状況に置いて、加盟国は例外を許可してもよい(第3章9条)。

目次

第1章 総則

第1条 目的および適用範囲

第2条 定義

第3条 職業ばく露限度値と生物学的限度値

第2章 雇用者の義務

第4条 有害化学物質のリスク特定と評価

第5条 有害化学物質に関連するリスク防止の一般的原則と、リスク評価に関連する本指令の適用

第6条 具体的な保護および防止措置

第7条 事故、インシデントや緊急事態への対処準備

第8条 労働者向けの情報と研修

第3章 雑則

第9条 禁止事項

第10条 健康状態の監視

第11条 労働者の協議と関与

第12条 附属書の調整、技術ガイダンスの作成と採用

第12条a 委任権の行使

第12条b 緊急手続き

第13条 旧指令の廃止と改正

第4章 最終条項

第14条 

第16条 

第17条

附属書Ⅰ 職業ばく露限度値リスト(必須)

附属書Ⅱ 生物学的限度値と健康監視措置(必須)

附属書Ⅲ 禁止事項

基礎情報

法令(現地語)

Council Directive 98/24/EC of 7 April 1998 on the protection of the health and safety of workers from the risks related to chemical agents at work (fourteenth individual Directive within the meaning of Article 16(1) of Directive 89/391/EEC)

法令(日本語)

職場における化学品に関連するリスクからの労働者の健康と安全の保護に関する1998年4月7日付欧州理事会指令98/24/EC(指令89/391/EEC第16条(1)の意味における第14個別指令)

公布日

1998年5月5日

作成者

株式会社先読

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