「業務用給湯機器」「電気モーター」の省エネ基準に関する最終規則とその通知

エネルギー政策および省エネルギー法(EPCA)の下、米国エネルギー省(DOE)は、さまざまな消費者製品および特定の商業および産業機器の省エネ基準を規定しています。2023年10月06日と10月20日、DOEは、省エネルギープログラムの一環として、「業務用給湯機器」「電気モーター」の省エネ基準に関する最終規則を発表し、その発行日を通知しました。

背景・概要

改正されたエネルギー政策および省エネルギー法(The Energy Policy and Conservation Act、EPCA)の下で、米国エネルギー省(Department of Energy、DOE)のエネルギー効率および再生可能エネルギー局(Office of Energy Efficiency and Renewable Energy)は、さまざまな消費者製品および特定の商業および産業機器の省エネ基準を規定し、さらに定期的にその内容を更新しています。

2023年10月06日と10月20日に、DOEは、省エネルギープログラムの一環として、「業務用給湯機器(Commercial Water Heating、CWH)」「電気モーター」の省エネ基準に関する最終規則を発表し、その発効日を通知しました。

注目すべき内容

• 2023年10月06日、改正された「業務用給湯機器(CWH)」基準を最終規則

CWH機器とは、ガス、石油、または電気を使用して飲料水を加熱する機器のことを指します。温水のみを貯蔵する非火式貯湯タンク以外のことで、貯湯式給湯器、瞬間式給湯器、非火式貯湯タンクがそれに含まれます。CWH機器は、一般に家庭用給湯器よりも高い入力定格を持ち、レストラン、ホテル、集合住宅、学校、コンベンションセンターなど様々な場所で使用されています。DOE は、すでに特定のクラスのCWH機器に対する、熱効率、待機時損失、および一様エネルギー係数（uniform energy factor、UEF）の採用基準やその文章等を検討し、改正する内容と決定を2023年6月に最終規則として発表、その意見募集を行っていました。

2023年10月06日、重要な内容である「住宅用業務用給湯器を除くCWH 機器(石油貯蔵給湯器など)の現行の省エネ基準」と「住宅用業務用給湯器(使用規格が限定された石油貯蔵給湯器など)の現行の省エネ基準」をそれぞれ発表し、これらCWH基準を最終規則としました。また、発効日を2023年12月05日としました。この最終規則により、2026年10月06日以降、業務用給湯機器は改正された基準への適合が求められます。

• 2023年10月20日、「電気モーター」の最終規則の発効日を発表

2023年6月、DOEは、現行規制対象内にインバータのみのモーターなどを含まず、その代わりに、500馬力以上750馬力以下である電気モーターなどを含め、最終規則として発表し、その意見募集を行っていました。2023年10月20日、重要な内容である「60HzでのNEMA設計A、NEMA設計B、およびIEC設計N、NE、NEY、またはNYモーター（消火ポンプ電動モーターとエアオーバ電動モーターを除く）の公称全負荷効率」を表とし、これらの内容を含む基準を最終規則としました。2027年6月1日以降、この最終規則で定められた新基準への適合が求められます。

参考情報

「業務用給湯機器」基準を最終規則

「電気モーター」の最終規則の発効日

省エネプログラムとは

エネルギー政策・省エネルギー法(Energy Policy and Conservation Act、EPCA)では、さまざまな消費者向け製品を含む特定の商業および産業機器を規定しています。消費者向け製品についての米国の省エネプログラム（Energy Conservation Program）はIII章のPart Bに記載されています。EPCAに従い、家電製品省エネ法(National Appliance Energy Conservation Act、NAECA）は、エネルギー省(United States Department of Energy、DOE)に、大幅なエネルギー節約につながり経済的かつ技術的に実現可能なより厳しい基準を選択するように、義務付けています。これらを踏まえ、DOEのエネルギー効率および再生可能エネルギー局（Office of Energy Efficiency and Renewable Energy）は、省エネ基準、評価手順、表示要件に関する規則制定案や基準案の作成と提案、規定で定められた定期的な見直しを行い、最終規則として制定しています。