米国|EPA、OSHA危険物情報伝達基準への適合のため有害化学物質インベントリ報告要件を最終規則

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米国|EPA、OSHA危険物情報伝達基準への適合のため有害化学物質インベントリ報告要件を最終規則

OSHAが国連の化学品の分類などに関する世界調和システムに、有害化学物質インベントリ報告規制を適合させたため、EPAは有害化学物質インベントリ報告規制を軽微に変更する

2025年11月17日、EPAは、緊急時対応計画及び地域住民の知る権利に関する法律(EPCRA)に基づき、有害化学物質インベントリ報告規制を、労働安全衛生局(OSHA)の2012年及び2024年改正危険物情報伝達基準に適合させるために、軽微な改正をおこないました。EPAは、改正内容を規則案として発表すると同時に、内容に対して反対意見がないことを予想し、同日に最終規則として発表しています。そのため、意見募集期間は設けられず、2025年12月17日までに反対意見を受領しない限り、2026年01月16日に通知なしに最終規則が発効されます。

今回の措置の背景

2012年、OSHAの危険有害性情報伝達基準(HCS、29 CFR 1910.1200に規定)は、国連の化学品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)を採用するため改正されました。この2012年OSHAのHCS改正において、OSHAは Material Safety Data Sheet (MSDS) という用語をSafety Data Sheet (安全データシート、SDS) に置き換え、両者が同一の意味を持つことを明記しました。これに適合させるために2016年改正では、EPAは40 CFR part 370の有害化学物質インベントリ報告規制を改正し、規制にMSDSという用語を廃止しSDSという用語を追加して規制の全体で使用するようにしました。

2024年05月20日および10月09日、上記の2012年と同様に、OSHAのHCSは、GHSの改訂に適合させるため、さらに改正されました(89 FR 44144、および89 FR 81829)。この改正では、化学物質の危険性に関する認識を向上させるため、「極度に有害な物質の各文字の大文字化」などを含む、SDSにおける化学物質の危険性報告方法が変更されました。

変更となる有害化学物質インベントリ報告規制の項目

パート370—有害化学物質報告:地域住民の知る権利

サブパートA—一般情報

370.1:このパートの目的は何ですか?

370.2:このパートにおける「あなた」「私」「あなたの」という表現は、それぞれ誰を指していますか?

370.3:定義

サブパートB—遵守義務者

370.10:このパートの有害化学物質報告要件を遵守しなければならないのは誰か?

370.11:[予約済み]

370.12:このパートに基づき、どの有害化学物質を報告しなければなりませんか?

370.13:これらの報告義務から免除される物質はどれですか?

370.14:有害化学物質を含む混合物をどのように報告すればよいですか?

サブパートC—報告要件

370.20:このパートの報告要件は何ですか?

安全データシート(SDS)報告の遵守方法

370.30:どのような情報を提供する必要があり、どのような形式を使用すべきですか?

370.31:情報を更新する必要がありますか?

370.32:その情報は誰に提出すればよいですか?

370.33:いつまでに情報を提出しなければなりませんか?

在庫報告の遵守方法

370.40:どのような情報を提供する必要があり、どのような形式を使用すべきですか?

370.41:ティアI在庫情報とは何ですか?

370.42:ティアII在庫情報とは何ですか?

370.43:ティアIおよびティアIIの在庫情報を報告するために使用されるコードは何ですか?

370.44:在庫情報を誰に提出すればよいですか?

370.45:在庫情報はいつまでに提出しなければなりませんか?

サブパートD—情報へのコミュニティアクセス

370.60:特定の施設に関する安全データシート(SDS)情報は、どのようにして入手できますか?

370.61:特定の施設に関する在庫情報を、どのようにして入手できますか?

370.62:州または地方の当局者は、施設に対してどのような情報を要求することができるか?

370.63:SERCおよびLEPCは、要求された情報を提供するためにどのような責任を負うのか?

370.64:どのような情報を営業秘密または機密情報として主張できますか?

370.65:地元の消防署による施設の検査を許可しなければなりませんか?また、施設内の危険化学物質に関する具体的な位置情報を提供しなければなりませんか?

370.66:[予約済み]

今回の措置

SDSに記載される危険性は、EPCRA第311条および第312条[42 U.S.C. 11021および11022]に基づいて、有害化学物質インベントリ報告規制(40 CFR part 370)に使用されことになっています。そのため、EPAは、OSHAのHCSの2012年及び2024年改訂版に適合させるために、有害化学物質インベントリ報告規制を改正しました。具体的には、以下のセクションにおいて、平易な表現、明確性、一貫性に関して、軽微な修正などが追加されています。

  • 370.3、370.30、370.41、および370.42:平易な表現、明確性、一貫性に関して、軽微な修正
  • 370.1、§370.2、§370.3、§370.10、§370.14、§370.30、§370.32、§370.33、§370.40、§370.41、 370.42、370.43、370.44、370.45、370.60、370.61、370.62、370.64、370.65、および370.66:平易な表現への修正、明確化、および整合性のための軽微な訂正。§370.66における用語「極度に有害な物質」の各文字の大文字化を含む。
  • 370.66、および§370.3:§370.66の「定義」部分を、この部分を使用している要件の直前である§370.3に移し、[保留] とする
  • 370.33、および§370.45:過去の遵守期限を削除
  • 370.41、および§370.42:電子報告に関する過去の明確化事項を削除

本措置により、有害化学物質在庫報告書で使用される用語及び報告必須情報が、危険物情報伝達基準に整合されることになります。有害化学物質を取り扱い、その使用に報告義務がある事業体は、注意が必要です。

参考情報

米国|EPA、緊急時対応計画及び地域住民の知る権利に関する法律(EPCRA)に基づく、有害化学物質インベントリ報告要件の2024年OSHA危険物情報伝達基準への適合(連邦官報);最終規則

米国|EPA、緊急時対応計画及び地域住民の知る権利に関する法律(EPCRA)に基づく、有害化学物質インベントリ報告要件の2024年OSHA危険物情報伝達基準への適合(連邦官報);規則案

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