米国|EPA、貯蔵タンク、積み込み作業、設備漏れを含むガソリン配給施設からの有害大気汚染を削減するための基準を発表

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米国|EPA、貯蔵タンク、積み込み作業、設備漏れを含むガソリン配給施設からの有害大気汚染を削減するための基準を発表

有害大気汚染物質国家排出基準(NESHAP)のガソリン販売MACTおよびGACTを改定して最終規則

2024年03月14日、米国環境保護庁(EPA)は、タンクの貯蔵や積み込み作業を行っているガソリン配給施設の機器からの漏れなどが原因の有害大気汚染を削減するための基準を発表し、最終規則としました。

具体的には大気浄化法(CAA)の要件に基づいた有害大気汚染物質国家排出基準(NESHAP)において、ガソリン販売もしくは流通経路の施設の「最大達成可能制御技術(MACT)基準」および「一般に利用可能な抑制技術(GACT)」を改定して最終規則としました。ガソリンの流通(ガソリンスタンドは除く)に関わる事業主に影響が及びます。

有害大気汚染物質の国家排出基準とは

有害大気汚染物質(Hazardous Air Pollutants、HAP)は、動物もしくはヒトの癌や生殖機能への影響や先天性欠損症などの他の健康への重篤な影響、または環境への悪影響を引き起こすことが知られている、または疑われる汚染物質のことを指します。有害大気汚染物質の国家排出基準(National Emission Standards for Hazardous Air Pollutants、NESHAP)は、この有害大気汚染物質の固定排出源についての基準です。EPAは、有害大気汚染物質の排出源として規制の対象となる施設の検査を実施し、法令に遵守しているかを判断します。

この時EPAは、「排出に関する報告書と記録の確認」「施設担当者との面談」「排出する場所があるプロセスの検査」「施設の設計および作業慣行の基準に関する検査」「漏れ検出と修理方法の見直し」などについて、NESHAPに基づいて検査を行っています。NESHAPの対象となる排出源として、施設は通常、少なくとも2年に1回、州または地方事務所による評価を受けます。そのため、有害大気汚染物質を排出する、もしくはその可能性のある施設(民間の場合、たとえば事業体の製造工場など)は、各排出源カテゴリーのNESPAHの内容やその改定を知る必要があります。

NESHAPは、「最大達成可能制御技術(Maximum Achievable Control Technology、MACT)」基準に基づき、新規排出源と既存排出源に分けて定められています。MACT基準では、排出量の多い排出源(施設)は、他の同様の排出源が達成しているのと同じレベルまで排出量を減らすことを求められます。

一方、より排出量の少ない「地域排出源(Area source)」については、排出源カテゴリーに従って、都市部で人々の健康にとって大きな脅威となっている30種の有害大気汚染物質について規制されます。この時、「一般に利用可能な抑制技術(Generally Available Control Technologies GACT)」と呼ばれる、MACTほど厳しくない排出抑制基準が適用されます。

ガソリンの流通において排出される有害大気汚染物質と揮発性有機化合物(VOC)

ガソリンの流通において排出される有害大気汚染物質は、ベンゼン、ヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、2,2,4-トリメチルペンタン、クメン、ナフタレンなどがあります。さらに、ガソリンにはn-ブタン、イソブタン、イソペンタンなど揮発性有機化合物(Volatile organic compounds、VOC)が含まれており、これらも流通の過程で揮発し排出されます。VOCを含むこれら物質は短期的、長期的にヒトの免疫系、神経系、生殖系、発達系、呼吸器系、その他に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、揮発したVOCは大気中で反応して、オゾンや二次有機エアロゾル(微粒子、すすの一因)などの二次汚染物質を生成する可能性があります。

最終規則の内容

最終規則において、EPAは、中小企業の事業やガス価格に大きな影響を与えないようにしながら、ガソリンの流通過程で漏れ出る有害大気汚染物質から環境を保護するために、以下の基準のいくつかを調整しました。

  • この最終規則では、バルクガソリンターミナルの新規排出源の性能基準(New Source Performance Standards for Bulk Gasoline Terminal)において、以下の要件が確定されました。5分間における水圧降下5~1.25インチの段階的蒸気密性証明の要件、外部フローティングルーフタンクの取り付け規制要件、主要設備における機器漏洩の半期ごとの計器監視の要件、大型バルクガソリンターミナルにおける積載ガソリン1リットル当たり35 mg/Lの全有機炭素(total organic carbon、TOC)の地域排出源排出規制値、実際の処理量が1日当たり4,000ガロン以上のバルクガソリン工場における積載貯蔵容器およびガソリンカーゴタンクに対する「蒸気バランシング2」要件。ちなみにバルクガソリンターミナルとは、排出源カテゴリーに記載されている石油の輸送および販売業に関与する施設が該当します。
  • この最終規則では、以上に加え、制御装置の起動、停止、および故障時の排出量の監視および操作規定、ならびに電子報告に関する改定が含まれています。

EPAは、この規則により、ガソリンスタンドを除く施設からのベンゼン、ヘキサン、トルエン、キシレンなどの大気有害物質の排出量が年間2,220トン、VOC排出量が年間45,400トン削減されることを見込んでいます。

参考情報

EPA、貯蔵タンク、積み込み作業、設備漏れを含むガソリン配給施設からの有害大気汚染を削減するための基準を発表

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