ニッケルの食品含有量について
2024年7月31日、欧州委員会はナッツ類や根菜類など特定の食品に含まれるニッケルの最大含有量に関する規則(EU)2024/1987を欧州官報にて公布しました。本規則は、2025年07月01日から適用されます。
背景
■ 規則(EU)2023/915では、特定の食品中における汚染物質の最大含有量について規定されています。
■ ニッケルは広く分布する物質であり、生物圏にも豊富に存在してます。また、食品に含まれるニッケルは、自然由来および人為的な原因によるもの双方があります。
■ 2015年、欧州食品安全機関は、食品および飲料水中のニッケルの存在に関連する公衆衛生へのリスクに関する科学的意見を採択しました。同意見書では、ニッケルの慢性経口摂取は、生殖発生に関する毒性に重要な影響を有すると位置づけられています。また、ニッケルに過敏反応を示すヒトのニッケルへの急性経口摂取は、湿疹性炎症反応とアレルギー反応の悪化に対する重要な影響があるとも指摘されています。
■ 食品と飲料水に含まれるニッケルの発生に関するデータは、15の加盟国で入手可能でした。しかし、収集されたデータ全体の80%は1つの加盟国で収集されたものであったため、欧州食品安全機関はEU全域における食品中のニッケルの発生を確認するためには、より多様な地理性を有するデータセットが必要であると結論づけられました。
■ 欧州委員会勧告(EU)2016/1111によって、加盟国はより多くの発生データを収集するため、2016年、2017年、2018年に食品に含まれるニッケルの含有量を監視することが推奨されました。そして、新しいデータと新しい科学的情報の利用状況を考慮し、2020年09月24日に欧州食品安全機関は食品および飲料水中のニッケルに関するリスク評価を更新しました。
■ 妊娠喪失という重大な慢性影響に関して、欧州食品安全機関は耐容1日摂取量(TDI)を13μg/kg bwと設定し、幼児、36ヶ月から10歳の子供、また場合によっては乳児においても超過している可能性があると判断し、若年層で健康上の懸念が生じる恐れがあると考えられています。
■ 急性影響については、最も低い有害影響レベルは4,3μgニッケル/kgbwとして、これらの影響から保護するための30以上の暴露マージン(MOE)が設定されています。ニッケルに過敏反応を起こすヒトに対して誘発される皮膚の湿疹性炎症反応に対応するためです。しかし、現状において暴露マージンは(MOE)達成されておらず、健康上の懸念を有する状態にあると考えられています。
■ 健康保護の高いレベルを確保するために、食品中のニッケルの最大含有量を適宜設定する必要があると判断されています。
概要
本規則は規則(EU)2023/915を改正するものです。
附属書を新たに追記する形で、
■ ナッツ類
■ 根菜類、球根野菜
■ 果実野菜
■ 豆類野菜
■ 海藻
■ 玄米
■ オート麦
■ カカオおよびチョコレート製品
などにニッケルの最大含有量が設定されました。
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