米国|G7、ロシアの輸出規制と制裁措置の回避を防止する産業界向けガイダンスを発表

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米国|G7、ロシアの輸出規制と制裁措置の回避を防止する産業界向けガイダンスを発表

ロシアや関連する第三国と取引される可能性がある製品を扱う事業体に向けたG7共同ガイダンス

2024年09月24日、米国商務省の産業安全保障局(BIS)は、米国を含むG7各国より、ロシアに対する輸出規制および制裁措置を有効にするための産業界向けの共同ガイダンスが発表されたこと、を報告しました。ロシアがミサイルや無人航空機(Unmanned aerial vehicle、UAVs)に必要な部品を入手するのを阻止するには、産業界の協力が必要であるとし、ロシアなどへの商品の流出を防止する方法を記した、G7各国の産業界に向けた共同ガイダンス文書が公表されています。

兵器などの一部として使用される可能性のある製品などを取り扱う事業体は注意が必要です。

産業界向けG7共同ガイダンス発表の背景

2022年02月24日以降、G7は、世界輸出管理連合(Global Export Control Coalition、GECC)のメンバーと連携して、ロシアがウクライナでの軍事作戦を維持するために必要な技術やその他の材料を入手することを制限する制裁と輸出規制を実施しています。加えて2023年09月には、輸出管理執行に関するサブワーキンググループを設立し、情報や運用結果の交換、調査・分析の動向の議論、産業界への協調的な指導を含む最適な執行方法の議論を行っています。

2024年09月24日、上記の輸出管理執行に関するG7サブワーキンググループは、ブリュッセルにおける会合で、産業界向けガイダンス文書の公表を発表し、ロシアに対処する多国間輸出管理および制裁執行への継続的な行動を再確認しました。

産業界向けG7共同ガイダンスの内容

G7サブワーキンググループは、この共同ガイダンスを発行することにより、兵器などに関わる可能性のある製品のロシアへの流出を特定し、多国間の輸出管理および制裁を支援することを目的としています。よって、ワーキンググループにより発表される共同ガイダンスは、共通で認識される優先度の高いリスト品目を特定し、流出リスクの高い取引の種類やその回避方法を発表しています。以下は重要な内容3点です。

  1. ロシアへの流出リスクが高い品目の特定

サブワーキンググループは、戦場で発見されたロシアの兵器から回収されるか、ロシアが独自の軍事装備を製造するために不可欠な品目として特定された「共通高優先度リスト(The Common High Priority List、CHPL)」を作成しました。リストには、ロシアがG7産業界の技術を必要とする度合いによってクラス分けされた、集積回路(マイクロエレクトロニクスとも呼ばれる)や無線通信関連に使用される電子機器や品質検査装置、さらにはこれら機器で使用される電子部品、回路基板、モジュールなどの50の関税品目が含まれています。

  1. 輸出管理および/または制裁逃れの「レッドフラッグ指標」となる品目。具体的には、以下の品目などが「レッドフラッグ指標」の対象となっています。
  • 2022年02月24日以降、以前に制裁を受けた事業体と関わっておりCHPL品目を新規に取り扱う事業体、ロシアへの輸出が急激に増加した事業体、以前はロシアへ制裁後は第三国への輸出を行っている事業体が取り扱う品目など。
  • 品目の輸出に関わる文書に虚偽、不正確もしくは欠落した箇所が見られる品目。例えば、輸出許可の虚偽申告、CHPLの対象であることを隠すための品目の誤分類や過小評価、輸出時と第三国への到着時に異なるHSコード(「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約(HS条約)」に基づいて定められたコード番号のこと)を使用している品目など。
  • 最終的な使用者(エンドユーザー)が、ロシアもしくはベラルーシなどと関連する、もしくは関連が疑われる品目。
  • その他、取引において矛盾がある品目、取引情報が曖昧もしくは欠落している品目、取引量や取引金額が分割されて申請されている品目、ロシアなどの関連諸国と関係のある顧客との取引品目、さらには、仲介業者やエンドユーザーが途中で特定することができなくなる品目などが含まれています。
  1. 以上の品目の、誤った輸出に対処するための産業界が利用できる最適な方法

「レッドフラッグ指標」となる品目に遭遇した場合の具体的な対処方法。「事業体の、輸出や取引コンプライアンスの強化」「取引国や取引事業体を制裁リストと照合、企業内システムへの登録、さらにはその証明書の取得」「最終用途、エンドユーザー、最終輸入国の確認や再評価」「仲介もしくは販売業者に制裁品目への対策を要求する契約の締結」「疑わしい取引からの撤退や情報公開」などが記載されています。

兵器などの一部として使用される可能性のある製品の貿易に関係する事業体は注意が必要です。

参考情報

G7、ロシアの輸出規制と制裁措置の回避を防止する産業界向けガイダンスを発表

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