2024.11.24
EU|欧州委員会、コーティング剤および保水性ポリマーの生分解性基準を改正する委任規則を公布
コーティング剤および保水性ポリマー等の生分解について
2024年10月28日、欧州委員会は栄養素の放出を調整するためのコーティング剤や肥料製品の保水能力や湿潤性を高めるポリマー等の生分解性の基準を改めるために、調和規則対象外肥料製品規則(EU)2019/1009を改める委任規則(EU)2024/2770を公布しました。
背景
■ 調和規則対象外肥料製品規則(EU)2019/1009は、EU肥料製品の市場流通に関する規則を定めています。この規則の附属書IIにある「構成材料カテゴリ9」に基づき、EU肥料製品には以下の用途においてポリマーを含めることができるとされています。
- 栄養素の放出を調整するためのコーティング剤
- EU肥料製品の保水能力や湿潤性を高めるための保水ポリマー
- 結合材としての使用
■ 特にコーティング剤は、制御放出型肥料の製造に使用されます。それにより、栄養素が植物にゆっくりと、かつ適時に供給され、栄養素の流出を減少させるとされています。
■ このような製品の使用は「Farm to Fork戦略」に掲げられた目標である「栄養素損失を少なくとも50%削減しつつ、土壌肥沃度の低下を防ぐ」という点において重要な役割を果たしています。
■ 保水ポリマーは土壌改良剤や培地といった他のEUにおける肥料製品カテゴリにも使用可能であり、農業における水の持続可能な利用に直接貢献することができます。
■ なお、ポリマー系の結合材は培地で使用されますが、土壌と接触して使用されることはありません。
■ 生物に容易に摂取される可能性のある合成または化学的に改変された天然ポリマーの微小断片は、水に対して不溶性で分解に非常に長い時間を要するため、環境全般への影響や人間の健康への潜在的なリスクについて懸念を引き起こしています。
■ 特に肥料製品に意図的に添加され、その後環境中に放出されるポリマーについて、この懸念が当てはまるとされています。そのため、欧州委員会は規則(EU)2023/2055を採択し、合成ポリマーマイクロ粒子の市場流通を規制するREACH規則(EC)1907/2006において制限を導入しました。
■ しかし、一部のポリマー(化学的に改変されていない天然ポリマーなど)や、生分解性または溶解性の特定の基準を満たすポリマーは、この制限の対象外であるため、市場での流通が継続しています。
■ 調和規則対象外肥料製品規則(EU)2019/1009では、EU肥料製品の構成材料として使用されるコーティング剤および保水ポリマーの生分解性基準を2024年07月16日までに評価する義務が委員会に課されています。REACH規則(EC)1907/2006における制限の対象からはEU肥料製品は除外されています。
■ なお、欧州委員会は、外部研究の支援を受けて、コーティング剤および保水ポリマーの生分解性基準およびこれらの基準への適合性を確認するための試験方法を評価しています。
概要
■ 生分解性基準は、製品が適用される主要な環境(土壌)、および浸出やその他の要因で表面水域に存在する可能性がある環境(水域)の両方において設定されます。
■ 土壌での生分解に関しては、使用期間後48か月以内に最終分解または鉱化を達成できるポリマーのみを構成材料として許可しなくてはなりません。試験期間を短縮することを目的として、加速試験方法の使用が可能です。
■ 水域環境における生分解性基準については、ポリマーの機能および利用可能な試験方法の両方を考慮されます。ポリマーの機能に関しては、コーティング剤や保水ポリマーは平均6~9か月間、土壌でゆっくりと栄養素を放出したり、保水力を高めるよう設計されているため、分解の速度もゆっくりになるよう設計されています。そのため、使用期間中に土壌で発生する生分解は、ポリマーがその機能を果たすために制限されなくてはなりません。
■ 結合材として使用されるポリマーについて、生分解性ポリマーが結合材として使用されている情報を欧州委員会は有しています。しかし、このようなポリマーが構成材料のカテゴリ1(CMC 1)の条件を満たす場合、環境上の懸念は生じないと判断されており、このようなポリマーを含むEU肥料製品の使用や廃棄に関する特定の表示要件は適用されません。
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