製品設備の省エネ標準を引き上げ、相当量のエネルギーを使用する製品設備の対象範囲を拡大する

2024年02月07日、中国国家発展改革委員会、「相当量のエネルギーを使用する製品設備のエネルギー効率の先進水準、省エネ水準及び参入水準（2024年版）」の公布について公示しました。省エネ・排出削減・カーボンニュートラルにおける最先端技術の普及を促進し、製品設備の省エネ標準を引き上げることが意図されています。背景には、「エコ低炭素構造転換産業指導目録」、「エコ技術普及目録」及び「産業構造調整指導目録」が位置付けられています。

相当量のエネルギーを使用する製品設備のエネルギー効率の先進水準、省エネ水準及び参入水準（2024年版）」の収載内容

収載内容及び具体例

本規定には、合計43個電気製品の製品種類、エネルギー指標、単位、分類、先進水準、省エネ水準、参入水準及び参考した標準が収載されています。
具体的な例として、以下の内容が挙げられます。

相当量のエネルギーを使用する製品設備の対象範囲の拡大

エネルギー使用製品設備は、使用する場面と製品特性によって、主に、工業設備、情報通信設備、輸送設備、商業設備、家庭用電化製品、照明器具の6種類に分けられます。
2022年にエネルギー効率水準を明確にした三相非同期電動機、電力変圧器、部屋空気調和器など20種類の製品設備に加え、工業ボイラー、データセンター、サーバー、充電杭、通信基地局、光起電部品など23種類の製品設備も対象になりました。

エネルギー効率の先進水準、省エネ水準及び参入水準とは？

■　相当量のエネルギーを使用する製品設備のエネルギー効率水準は、先進水準、省エネ水準、参入水準の3つのランクに分けられます。
■　参入水準は、当該製品設備の市場参入が認められるための最低エネルギー効率水準基準値であります。その基準値は、現行の強制エネルギー効率標準制限値と一致しています。 
■　省エネ水準は、現行のエネルギー効率2級を下回らず、参入水準より、省エネ・排出削減・カーボンニュートラルの関連要求に合致しています。
■　先進水準は、現行のエネルギー効率1級を下回らず、関連製品と設備が達成できる水準であります。

監督検査の強化

■　省エネ主管部門、工業情報化主管部門は、省エネに対する監督を強化し、関連企業に製品設備のエネルギー効率管理を強化するよう促します。老朽化したエネルギー使用製品設備の使用は禁止されるようになります。
■市場監督管理部門は品質監督管理を強化し、エネルギー効率が参入水準より低い製品設備の生産販売を禁止し、エネルギー効率水準の虚偽宣伝行為を厳しく取り締まります。

支援政策の強化

■エネルギー効率が先進水準以上である製品設備及び関連生産技術を優先的に「エコ低炭素構造転換産業指導目録」、「エコ技術普及目録」及び「産業構造調整指導目録」に組み入れます。
■　環境保護省エネに係る税制優遇政策を徹底的に実施し、企業による製品設備の省エネ・排出削減及び炭素削減改造を後押しにします。
■　エネルギー効率の高い製品設備の研究開発を行う企業に対して、金融機関が中長期の信用貸付による支援を行うことを推奨し、条件に適合する企業が社債を発行し資金調達することを認めます。

「相当量のエネルギーを使用する製品設備のエネルギー効率の先進水準、省エネ水準及び参入水準（2024年版）」の解説

製品設備の更新及び回収再利用の促進

■　「相当量のエネルギーを使用する製品設備のエネルギー効率の先進水準、省エネ水準及び参入水準」では、各地域が製品設備のエネルギー効率の全面調査を実施し、関連企業が製品設備の更新を実施することを推進し、エネルギー効率の先進水準に達することを提言しています。
■　廃棄工業設備、家電製品、発電設備などの回収再利用を強化すること意図されています。エネルギー効率水準に応じた設備更新活動と回収再利用活動が円滑に展開できるよう、各地域、各関係部門と業界企業に指導を提供することになりました。

参考

1.中国｜国家発展改革委員会、「相当量のエネルギーを使用する製品設備のエネルギー効率の先進水準、省エネ水準及び参入水準（2024年版）」の公布について公示
2.「相当量のエネルギーを使用する製品設備のエネルギー効率の先進水準、省エネ水準及び参入水準（2024年版）」
3.「相当量のエネルギーを使用する製品設備のエネルギー効率の先進水準、省エネ水準及び参入水準（2024年版）」の解説