中国における公平な競争審査業務を規範化するため、08月から新条例が施行される
2024年06月13日、中国中央人民政府は、「公平競争審査条例」の公布について公示しました。本条例は、2024年05月11日に行われた第32回国務院常務会議で採択され、2024年08月01日から施行されるものとなります。公平な競争審査業務を規範化するとともに、ビジネス環境を最適化すること意図されています。背景には、「中国独占禁止法」が位置付けられています。
背景
公平競争法律制度の確立は、市場経済の重要な基礎を固め、資源配分を最適化するために重要な役割を担っています。本条例では、公平競争審査制度の強制力が不足している問題を解決することが目的としています。具体的には、制度実施メカニズムを健全化し、監督保障措置を強化し、及び制度実施を推進することが挙げられます。
「公平競争審査条例」の具体的な内容及び要点
概要
本条例は、公平な競争審査業務を規範化し、市場での公平な競争を促進するとともに、ビジネス環境を最適化し、全国統一大市場を構築するため、「中国独占禁止法」などの法律に基づいて、制定されました。
適用範囲
第二条によれば、事業者の経済活動に関する法律、行政法規、地方法規、規則、規範的文書及び具体的な政策措置を起草する際に、行政機関と法律、法規により権限を付与された公共事務管理機能を備える組織(以下、起草部門という)は、本条例の規定に従って公平な競争の審査を実施しなければならないと規定されています。
審査標準及び起草部門に関わる重要事項
本条例は、市場参入・退出、商品要素の自由、生産経営コスト及び生産経営行為に関する四つの政策措置に、以下の19項目が含まれてはならないと規定しています。詳細は以下の通りです。
■ 起草部門が起草した政策措置に、以下に記載される制限及び市場参入・退出を制限あるいは偽装制限する内容が含まれてはなりません:
(1)※市場参入ネガティブリスト以外の業種、分野、事業などに対し違法な審査許可手続きの設置
(2)違法なフランチャイズ経営権の設定あるいは付与
(3)特定の事業者が提供する商品あるいはサービスの事業、購入あるいは使用制限
(4)不合理あるいは差別的な参入、退出条件の設定
(5)市場参入・退出に関するその他の制限■ 起草部門が起草する政策措置に、以下に記載される商品要素の自由な流通を制限する内容が含まれてはなりません:
(1)他の地域あるいは輸入商品、要素の当市場への参入を制限する内容、あるいは当地元事業者の転出、商品、要素の輸出を阻害する内容
(2)他の地域の事業者に対し当地元での投資事業あるいは支社の設立を排除、制限、強制する内容
(3)他の地域の事業者の当地元政府の調達、入札の参加を排除、制限する内容
(4)他の地域あるいは輸入商品、要素に対し差別的な課金項目、課金基準、価格あるいは補助金の設定
(5)資格基準、監督管理法執行などの面で他の地域の事業者の現地投資事業に差別的な要件の設定
(6)その他の商品、要素の自由な流動を制限する内容■ 起草部門が起草した政策措置に、法律、行政法規の根拠がないあるいは国務院の許可を得ていない場合、以下に記載される生産事業コストに影響を及ぼす内容が含まれてはなりません:
(1)特定事業者に税収上の優遇措置の付与
(2)特定事業者に選択的、差別的財政奨励あるいは補助金の付与
(3)特定事業者に要素の取得、行政事業手数料徴収、政府資金、社会保険料などの面で優遇の付与
(4)その他の生産事業コストに影響を及ぼす内容■ 起草機関が起草した政策措置に、以下に記載される生産事業行為に影響を及ぼす内容が含まれてはなりません:
(1)事業者に独占行為を強制あるいは偽装強制、あるいは事業者に独占行為を実施するための条件を提供する内容
(2)法定権限を超え政府指導価格、政府定価を制定し、特定の事業者に優遇価格を提供する内容
(3)市場調整価格の対象となる商品、要素の価格に違法に介入する内容
(4)その他の生産事業行為に影響を及ぼす内容
※市場参入ネガティブリストとは、海外のサービス提供者が中国の市場組織または個人に対しサービスを提供する場合の禁止事項及び制限措置が収載されるリストを指します。
罰則
第四章に記載されている罰則は以下の通りです。
■ 本条例に規定される政策措置に違反した場合、いかなる単位と個人は、市場監督管理部門に通報することができます。市場監督管理部門は、通報を受けた後、速やかに処理する、あるいは関係部門に移送し処理しなければなりません。
■ 本条例の規定に従わずに公平な競争の審査を実施せず、重大な悪影響が生じた場合、起草部門の直接の責任主管人員とその他の直接責任人員に対し法に基づいて処分されることになります。
目次
第一章 総則
第二章 審査標準
第三章 審査メカニズム
第四章 監督保障
第五章 附則
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