UN規則と整合
2022年08月16日、欧州委員会は、国連欧州経済委員会の自動車基準調和世界フォーラム(UNECE WP.29)における「国際的な車両認証制度」の採択に伴い、自動車の技術的進歩及び規制の発展を考慮し、欧州議会及び理事会の規則(EU)2019/2144を(EU)2022/1398として改定する改正規則を公布しました。
背景、経緯
欧州議会及び理事会規則については、2018年7月に国連欧州経済委員会の自動車基準調和世界フォーラム(UNECE WP.29)で採択された「国際的な車両認証制度」と整合するように改定することが要求されています。
同フォーラムでは、安全で環境性能の高い自動車を容易に普及させる観点から、自動車の安全・環境基準を国際的に調和することや、自動車に係る基準の国際調和及び認証の相互承認を推進しています。
欧州議会及び理事会規則(EU)2019/2144については、同フォーラムで策定された自動車規則を反映することが必要になりました。
因みに、欧州理事会及び理事会規則(EU)2019/2144では、欧州連合の条約を考慮して自動車及びそのトレーラー並びにシステム、構成部品及び単体技術ユニットの一般的安全性、及び乗員・交通弱者の保護に関する型式認証要件を定めています。
欧州議会及び理事会規則(EU)2019/2144の改定箇所
欧州議会及び理事会規則(EU)2019/2144における具体的な見直し箇所は以下の通りになります。表1では関連するUN規則の番号と型式認証要件の項目を示しています。
(1) 規則(EU)2019/2144の附属書I、特に、UN規則類については、UNECE WP.29で採択された自動車規則によって改定されており、規則(EU)2019/2144の附属書Iのリストがそれらの改定を反映するように更新されることは適切である。
(2) UNECE WP.29はまた、自動車規則について幾つかの新しい規則を採択し、欧州連合はこれに加盟して強制的に欧州議会及び理事会規則に適用している。それらは、UN規則類であるが、規則(EU)2019/2144の附属書Iに、これらの規則への参照を含めることは適切である。
(3) 国際な自動車型式認証に関するUN規則は、UNECE締約国間の貿易障壁を低減し、これらの締約国において型式認証の承認を求める自動車製造業者に信頼性のレベルを向上させるために採択されたものである。欧州連合は締約国であり、「国際的な車両認証制度」をEU型式認証と同等とみなすためには、規則(EU)2019/2144の附属書Iに引用されているUN規則を見直す必要がある。
(4) 規則(EU)2019/2144の附属書IIには、車両、システム、構成部品及び単独技術ユニットが準拠すべき要件のリストが記載されている。
しかし、その附属書には、歩行者及び自転車検知機能付き先進緊急ブレーキシステム、歩行者及び自転車衝突警報システム、死角情報システム、緊急車線維持支援システム、後退検知、緊急停止信号及びイベントデータレコーダーに関する詳細な技術要件を定めた規制法への言及が含まれていない。
そのため、同附属書にそれぞれの規制法への言及を追加する必要がある。
(5) 動力車およびそのトレーラーの交換用ブレーキライニング組立品、ドラムブレーキライニング、ディスクおよびドラムは、UN規則90(34)への適合が義務付けられている。
規則(EU)2019/2144の適用前にUN規則13(35)またはUN規則13-H(36)に従って破壊に関して車両型式認証を受けた既存のタイプの車両のための新しい交換ブレーキライニングアセンブリ、ドラム-ブレーキライニング、ディスク及びドラムについては、同規則の附属書Iに従って市場に出すことまたは使用開始を許可されなければならない。
(6) 2023年9月1日より、UN規則129(37)がUN規則44から変更されるため、自動車に搭載されていないチャイルドシートは、同規則に基づく型式認証を受けることができなくなる。在庫や流通経路での生産が完売するまでには時間が必要であるため、2023年9月1日以前にUN規則44に従って承認されたチャイルドシートは、2024年9月1日まで市場での入手と使用開始を許可する必要がある。
(7) UN規則13-Hのブレーキアシストシステム及び電子安定制御システムに関する規定は、UN規則139(38)及びUN規則140(39)に移され、ブレーキに関する規定はUN規則13-Hの01系列の改正に移された。
ブレーキアシストシステムと電子安定制御システムの要件に変更がないことから、UN規則13-Hの原版及びその拡張版に従って与えられた型式認証は、UN規則139及びUN規則140の原版に従って与えられた型式認証と同等であると考えるべきである。
(8) チャイルドシート固定具に関する要求事項は、UN規則14 の 07 の一連の改正からUN規則 145 に変更されることなく引き継がれた。従って、UN規則14 に従って取得した型式認証は、UN規則 145 の原版に従って取得した型式認証と同等と見なすこと。
(9) 後面衝突時の電動パワートレインの安全性に関する要求事項は、UN規則 34 の一連の改定からUN規則 153 へと変更なく移行された。従って、UN規則 34 に従って取得した型式認証は、UN規則 153 の原版に従って取得した型式認証と同等であると考えるべきである。
(10) タイヤ空気圧モニタリングに関する要求事項は、UN規則 64(40)の一連の改正からUN規則 141 へと変更なく移行された。従って、UN規則 64 に従って取得した型式認証は,UN規則 141 の原版に対して取得した型式認証と同等とみなすこと。
表1 UN規則の番号と型式認証要件の項目(関連分のみ)
| UN規則の番号 | 型式認証要件の項目 |
|---|---|
| UN 13 | ブレーキ(カテゴリM、N、O車両) |
| UN 13-H | ブレーキ(M1) |
| UN 14 | 安全ベルト(シートベルト)アンカレッジ |
| UN 34 | 車両火災の防止 |
| UN 44 | 幼児拘束装置 |
| UN 64 | テンポラリーホイール/タイヤ、ランフラットタイヤ |
| UN 90 | 交換用ブレーキライニングアッセンブリおよびドラムブレーキライニング |
| UN 129 | 改良型幼児拘束装置(ECRS) |
| UN 139 | ブレーキアシストシステム |
| UN 140 | 電子安定性制御(ESC)システム |
| UN 141 | タイヤ空気圧監視システム |
| UN-145 | ISOFIXアンカレッジシステム、ISOFIXトップテザーアンカレッジおよびアイサイズ着席位置 |
| UN 153 | 後面衝突時における燃料システムの完全性および電気パワートレインの安全性 |
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