2022.09.15
EU|資源の有効活用に向けた携帯電話、タブレット型端末等のエコデザイン要件の策定
循環型経済に向けた欧州グリーンディールの具体化
2022年8月31日、欧州委員会は、資源の有効活用及び循環型経済に向けた欧州グリーンディールの目標に基づいて、スマートフォンやタブレット型端末等、関連製品のエコデザイン要件の策定のための枠組みに関する規則案を公表しました。エコデザイン指令(ErP指令)の実施規則案になります。
この規則案ついては、2022年8月31日~2022年9月28日(ブリュッセル時間午前0時)の4週間にわたってパブリックコメントを募集し、必要に応じて規則案の最終決定版に反映されることになっています。
背景、経緯
スマートフォンやタブレット型端末の急速な普及と高機能化により、EU市場ではこれらの機器の製造に必要なエネルギーと材料の需要が増加し、それに伴う環境負荷も増加しています。さらに、デバイスはユーザーによって早期に交換されることが多いため、耐用年数が経過した後も十分に再利用やリサイクルが行われていないため廃棄物となっています。
このことが資源の浪費に繋がり、主に資源効率に関わっていることから、欧州委員会は、製品及びその主要部品(電池、ディスプレイなど)の信頼性、再利用性、修理性、早期陳腐化の回避を検討する事前研究に着手しました。
この取り組みは、「循環型経済活動計画2020」の下で計画され、資源の有効活用に関する欧州グリーンディールの目標に沿ったものです。欧州委員会は、この計画を具現化するためにスマートフォンやタブレット型端末等、関連製品のエコデザイン要件の策定のための枠組みに関する規則案を策定しました。
規則案の概要
規則案の主旨は以下の通りとなります(規則案より一部引用・仮訳)。
(1) 指令2009/125/ECに従い、欧州委員会はエコデザイン要件を設定すべきである。対象製品は、「エネルギー関連製品でEU域内における販売及び貿易の大部分を占め、環境に大きな影響を与えるもの、設計による改善の可能性が大きいもの、過剰なコストをかけずに環境負荷の点で設計による改善の可能性が大きいもの」である。
(2) 欧州委員会は、携帯電話、コードレス電話、タブレット型端末の技術的、環境的、経済的側面を分析するための準備研究を行った。この研究は、欧州連合及び第三国の関係者や利害関係者とともに実施され、その結果は一般に公開されている。
(3) スマートフォンやタブレット型端末の急速な普及と高機能化により、EU市場ではこれらの機器の製造に必要なエネルギーと材料の需要が増加し、それに伴う環境負荷も増加している。さらに、デバイスはユーザーによって早期に交換されることが多いため、耐用年数が経過した後も十分に再利用やリサイクルが行われていないため廃棄物となっている。このことが資源の浪費に繋がっていることから、準備研究では、この規則で扱うべき環境側面を特定している。これらの側面は主に資源効率に関係するものであり、早期の陳腐化の回避、修理や再利用の可能性などを含んでいる。製品及びその主要部品(電池、ディスプレイなど)の信頼性、再利用性、修理性、早期陳腐化の回避などである。
(4) エコデザイン要件は、携帯電話、コードレス電話、タブレット型端末の資源効率要件をEU域内市場のために調和させるべきである。この目的と取り組むべき環境的側面に照らして、準備研究によると、エコデザインの要件は、偶発的な落下への耐性を含む信頼性の設計に関連するべきであることが示された。設計要件としては、偶発的な落下に対する耐性、耐スクラッチ性、耐衝撃性、埃や水に対する耐性、バッテリーの寿命、分解及び修理が可能であること、オペレーティングシステム(OS)のバージョンアップが可能であること、などである。また、使用後のデータ消去と機能移行を行うことができること、ユーザーに対して適切な情報を提供すること、電池の寿命も重要となる。
(中略)
(11) 本規則に定める法的拘束力のある要求事項に加えて、本規則の対象となる製品のライフサイクルにおける環境性能に関する情報を広く入手しやすくするために、利用可能な最善の技術に関する指標となるベンチマークを特定する必要がある。
(12) 暗号キーを安全に消去する機能に関しては、ファームウェア、典型的にはブートローダ、自己完結型のブート環境に含まれるソフトウェア、または製品とともに提供されるサポート対象のOSにインストール可能なソフトウェアなどの技術的解決策によって実施されるが、これらに限定されるわけではない。
(13) 本規定の見直しは、その目的達成のための適切性・有効性を評価するものである。見直しのタイミングは、すべての規定が実施され、市場に影響を及ぼしているかどうかなどを考慮する必要がある。
(14) この規則の適用範囲にある同じ製品との重複を避けるために、コードレス電話をその適用範囲から除外するよう修正すべきである。
(15) エコデザイン要求事項の適用開始は、この規則の発効から12ヶ月後とする。製造者がこの規則の対象となる製品を再設計するのに十分な時間を与えるために、この規則の発効後12ヶ月以内に適用されるべきである。エンドユーザーによる修理作業を可能にすることを目的とした要件は本規則の発効から18ヶ月後に適用されるべきである。これらの要求事項は、最も重要な設計変更を伴うと予想されるためである。
Draft regulation – Ares(2022)6031498より一部引用・仮訳
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