EU|欧州議会、残留性有機汚染物質(POPs)とそれを含む廃棄物の管理方法に関する新しい規則内容を採択

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EU|欧州議会、残留性有機汚染物質(POPs)とそれを含む廃棄物の管理方法に関する新しい規則内容を採択

PBDE, PFOA, PCDDs/PCDFs及びdl-PCBs,PFHxS,HBCDD, SCCP等の規制強化へ

2022年10月04日、欧州議会は、有害物質の無い環境と循環型経済を実現するために、残留性有機汚染物質により厳しい制限を課すことに合意しました。本会議では、残留性有機汚染物質(POPs)とそれを含む廃棄物の管理方法に関する新しい規則を、534票対25票、66票の棄権票を得て採択しました。

POPs条約とは

欧州委員会は、2021年10月28日、POPsに関する2019年規制の附属書IV及びVを見直し、国際的義務、特に「残留性有機汚染物質から人の健康と環境を守ること」を主目的とするストックホルム条約との整合性を確保する案を提示しました。

POPs条約とは、環境中での残留性、生物蓄積性、人や生物への毒性が高く、長距離移動性が懸念されるポリ塩化ビフェニル(PCB)、DDT等の残留性有機汚染物質(POPs:Persistent Organic Pollutants)の、製造及び使用の廃絶・制限、排出の削減、これらの物質を含む廃棄物等の適正処理等を規定している条約です。

条約を締結している加盟国は、対象物質に関して、各国が条約を担保できるように国内の諸法令で規制することになっています。対象物質については、残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC)で議論され、締約国会議(COP)において決定されます。

POPs条約の経緯

POPsに関しては、EU域内広範に汚染拡大が進む恐れがあるため、これまでに以下のような国際条約による規制の取組みがなされてきました。

1979年条約は、国連欧州経済委員会(Economic Commission for Europe; ECE)により1979年に採択、1983年に発効した越境大気汚染に関する国際条約です。欧州諸国を中心に、当時の欧州共同体、米国、カナダ等49カ国が署名しています。締約国は、酸性雨等の越境大気汚染の防止対策、被害影響の状況の監視、原因物質の排出削減対策、国際協力、情報交換の推進等が要求されています。

その後、本条約は8件の議定書により補足、強化されてきていますが、このPOPsに関する議定書もその1つで、1998年に採択されました。

その後2004年2月に締約国が50ヵ国に達したことを機に、同年5月に条約として発効し、現時点で締約国は185ヵ国となっています。

POPs条約はその第1条に記されていますが、「環境及び開発に関するリオ宣言」における原則15に規定する予防的方策によって、POPsの有害性からの人の健康や環境の保護を図るとしています。

また採択後は締約国会議によって第18条の紛争解決の手続きを定める附属書Gや規制対象物質の追加等の改定がなされてきており、現時点での最新版はCOP9をふまえた2019年改定のもので、全30条7附属書から構成されています。 なお、「議定書」で指定された規制対象物質は全てPOPs条約に引き継がれ、規制対象となっています。

新規則の概要

2022年6月21日、欧州議会と理事会の交渉担当者は、残留性有機汚染物質(POPs)とそれを含む廃棄物の管理に関する新しい規則について暫定的な政治的合意に至りました。

POPsは一般的に新製品には使用されなくなりましたが、廃棄物にはまだ含まれており、それゆえ世界中の環境と人間の健康に脅威を与えています。製品の循環寿命を守るため、POPsの含有量が多すぎる材料は安全に処理するか焼却しなければならず、リサイクルすることはできません。

議会の目的は、POPs規制とEUグリーンディールの目標、特に有害物質のない環境と真の循環型経済への目標との間の適切な整合性を確保することです。

具体的なPOPsの規制強化対象物質は以下の通りです。

■ PBDE(臭素系難燃剤の一種)

発効から5年後に、この物質を市販するための規制値を上回らないことを条件に、規制値を200mg/kgに引き下げる予定です。それまでは、規制発効時に 500mg/kg、発効後 3 年で 350mg/kg とします。

■ パーフルオロオクタン酸(PFOA)

規制値の上限をPFOAおよびその塩で1mg/kg、PFOA関連化合物で40mg/kgとしました。パーフルオロオクタン酸は、防水繊維や消火用発泡剤などに含まれます。

■ ダイオキシン類及びフラン類(PCDDs/PCDFs及びdl-PCBs)

ダイオキシン類、フラン類の規制値は5μg/kgに設定されています。熱電併給用バイオマスユニットからの飛灰中のこれらの物質の規制値は、規制発効の1年後に適用され、それまでの間は10μg/kgに設定される経過措置がとられる予定です。国内の灰と煤については、2025年1月1日から新しい規制値が適用されます。

この期間は、加盟国がこれらの灰と煤の回収と処理に関する適切な政策を立案するために必要な情報を収集し、将来の規制値の見直しを支援するために利用されることになります。

■ パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)

合成化学物質であるパーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)が2022年6月9日のストックホルム条約COP-10でリストアップされたことを受けて、その規制値を追加しました。また、臭素系の難燃剤の一つであるヘキサブロモシクロドデカン(HBCDD)と、環境中に残留して生態系で生物蓄積する短鎖塩素化パラフィン(SCCP)についても、より厳しい規制値が追加されました。

廃棄物の分類

欧州委員会は、議会の要請に応じて、この規則の発効後3年以内に、規制値を超えるPOPsを含む廃棄物を有害物質として分類するためにEU廃棄物法を改正する必要があるかどうかを評価し、その立法案を提出する予定です。

投票後、報告者のマーチン・ホジック氏は、「私たちの目標は、私たちの健康と環境を守り、有毒化学物質から解放された真の循環型経済を実現することです。加盟国との交渉の結果は、正しい方向への一歩となる。私たちは、ストックホルム条約の実施に対するコミットメントを示しました。これは、私たちが知る限り最も危険な化学物質の一つであるPOPsに対処する唯一の方法は、その廃絶に向けて努力することであるという、明確なものです。」と述べています。

次のステップとして、理事会で正式に採択された新規則は、EU官報に掲載されてから6カ月後に適用されるものとしています。

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