EU|欧州委員会、産業排出物に関する指令2010/75/EUに基づき、鉄鋼加工業のBAT(利用可能な最良の技術)に関する結論を採択

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EU|欧州委員会、産業排出物に関する指令2010/75/EUに基づき、鉄鋼加工業のBAT(利用可能な最良の技術)に関する結論を採択

環境排出に対する最大限の抑制管理

2022年10月11日、欧州委員会は、産業排出物に関する欧州議会及び理事会指令2010/75/EUに基づき、(EU)2022/2110として鉄鋼加工業のBAT(Best Available Technique:利用可能な最良の技術)に関する結論を採択し、11月04日に実施決定の形で官報に公布されました。

この結論は、指令 2010/75/EU の第 II 章の対象となる施設の許認可条件設定の基準となり、管轄当局は、通常の運転条件下で、排出量が本結論に規定されるBATに関する排出レベルを超えないことを保証する、排出制限値を設定する必要があります。

BATは、汚染物質の環境への排出を最大限抑制する、現実的に利用可能な最新のプロセス、施設、装置を意味しています。BATでは一般的に費用、エネルギー、環境要素が考慮され、費用の便益分析については考慮されません。

IPPC指令について

産業排出物に関する指令2010/75/EC(統合的汚染防止管理指令)は、IPPC指令の後継指令で、EU全域の様々な産業排出源からの汚染を最小化するための指令です。

IEDの附属書Iの対象となる活動を行う産業施設の運転員は、EU各国の当局から統合許可を取得する必要があります。

1996年9月に採択された、EUのIPPC指令(IPPC:Integrated Pollution Prevention and Control)では、事業の操業許可制度を設け、EU域内にある汚染源からの汚染を最小化することを目的としています。

本指令は産業活動を行う新規または既存の設備による空気、水質、土壌に対する排出を統合的に扱うものであり、1999年10月以降は附属書Iに定められた産業活動(エネルギー産業、金属業、鉱業、化学工業、廃棄物業ほか)につき全ての新規設備、及び大きな変更を行う予定の既存設備に適用されます。本指令の対象となる設備は操業許可が必要となり、継続的な監査及び許可条件の更新の対象になります。

結論の概要

指令2010/75/EUの第13条に従い、2011年05月16日の欧州委員会決定により設立された加盟国、関係業界、環境保護推進非政府組織の代表からなるフォーラムでは、鉄鋼加工業界向けのBAT参考文書の提案内容に関する意見を2021年12月17日に欧州委員会に提供し、意見を一般に公開しています。

本結論の附属書におけるBATの記載は、BAT基準文書の提案内容に関するフォーラムの意見を考慮したものであり、これらは、BAT参考文書の主要な要素を含んでいます。

(1) 鉄鋼の加工におけるBATの範囲

鉄鋼の加工におけるBATの範囲は以下の通りとなります。

  • 粗鋼の処理能力が1時間当たり20トンを超える熱間圧延機の運転。
  • 1 時間あたり粗鋼 2 トンを超える投入量での保護溶融金属被膜の塗布:これには溶融亜鉛メッキとバッチ式亜鉛メッキを含む。
  • 冷間圧延、伸線またはバッチ式亜鉛メッキで行われる、電解または化学処理による鉄金属の表面処理で、処理槽の容積が30m3 を超えるもの。
  • 指令 91/271/EECの対象外である独立操業の排水処理。但し、主な汚染物質負荷が本 BATの結論の対象となる活動に由来するものであること。
  • これらの BAT の結論では、以下も対象とする。
  • 冷間圧延及び伸線(熱間圧延及び/または溶融亜鉛メッキに直接関連する場合)。
  • BATの結論の対象となる活動に直接関連する場合、酸の回収。
  • 排水処理が指令 91/271/EEC の対象ではなく、主な汚染物質負荷が本 BATの結論の対象となる活動に由来する場合、異なる起源の排水を複合的に処理すること。
  • これらの BATの結論の対象となる活動に直接関連する燃焼プロセス。但し、以下の条件を満たすこと。
  • 燃焼のガス状生成物が材料と直接接触する場合(直接原料加熱または直接原料乾燥など)、または、輻射熱、及び/または伝導熱が固体壁を通して伝達される場合(間接加熱)。
  • 中間熱伝達流体を使用せずに(これは亜鉛メッキ釜の加熱を含む)、またはバッチ焼鈍の場合、ガス(例えば、H2)が熱伝達流体として作用する場合。
  • 溶射による金属被覆は対象外とする。

  (中略)

指令 91/271/EEC:都市廃水処理指令(Urban Waste Water Treatment Directive: 91/271/EEC)(1991年6月19日発効)では、以下について規定しています。

・ 2000 p.e.(1p.e.は1日の酸素量0gとした5日間生物化学的酸素要求量に相当する負荷)以上の人口及び経済活動の密集地からの都市廃水(生活廃水、または産業廃水・雨水と生活廃水との混合物)の回収、処理、排出を行うこと。

・ EU 全体における都市廃水処理に関する措置を調和させることも目的であり、加盟国は、指定された基準や期限に従って、廃水が排出される前に確実に回収・処理すること。処理に関しては、2次処理(例えば、生物学的処理)が一般的であるが、さらに処理が必要とされる過敏なエリアでは、栄養分が除去されること。

(2) 一般的な要求事項

  • これらのBATの結論に記載されている技術は、規定でも網羅的でもなく、少なくとも同等の環境保護を保証する他の技術を使用することができる。
  • 特に断りのない限り、BATの結論は一般的に適用可能である。
  • BAT-AELs(利用可能な最良の方法による排出量)と大気への排出の指標となる排出レベル。
  • 本結論で示されるBAT-AELs及び大気への排出量の指標は、以下の標準条件下での濃度(廃ガス体積あたりの排出物質の質量)を指す:温度273.15K、圧力101.3kPaの乾燥ガス、単位:mg/Nm3
  • BAT-AELと指標となる排出量を表すのに用いた基準酸素濃度は(原料の加熱と乾燥、亜鉛メッキ釜の加熱に関連する燃焼プロセスの場合):3.0体積%。

  (中略)

(3) 環境パフォーマンスに関する要求事項

総合的な環境パフォーマンスを向上させるために、BATは、以下の全ての特徴を組み込んだ環境管理システム(EMS)を精緻化し、実施すること。

  • 効果的なEMSを実施するための、上級管理職を含む経営陣のコミットメント、リーダーシップ、説明責任。
  • 組織の状況の把握、利害関係者のニーズと期待の特定、環境(または人の健康)に対するリスクの可能性と関連する設備の特性の特定、及び環境に関して適用される法的要件の特定を含む分析。
  • 施設の環境パフォーマンスの継続的な改善を含む、環境方針の策定。
  • 適用される法的要求事項の遵守を保護することを含む、重要な環境側面に関する目的及びパフォーマンス指標を設定すること。
  • 環境目標を達成し、環境リスクを回避するために必要な手順と行動(必要な場合は是正措置と予防措置を含む)を計画し、実施すること。
  • 環境側面と目標に関連する構造、役割、責任、及び必要な資金と人的資源の提供の決定。
  • 設備の環境性能に影響を与える可能性のある作業を行うスタッフの必要な能力及び意識の確保(例えば、情報及び訓練の提供による)。
  • 内部及び外部とのコミュニケーション
  • 良好な環境管理の遂行に向け従業員の関与を促進すること。
  • 環境に重大な影響を与える活動を管理するための管理マニュアル及び手順書、並びに関連する 記録を作成し維持すること。

  (略)

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