EU|欧州議会及び理事会、欧州グリーンディール-土地利用・林業・農業による炭素除去量の増加に関する暫定的合意を発表
農業及び林業における気候変動対策
2022年11月11日、土地利用・農業・林業(LULUCF)規制に関する暫定的合意が欧州議会及び理事会で成立し、欧州委員会は、2030年までに自然吸収源による炭素除去量に関するEUの目標をCO2換算で3億1千万トンに引き上げることとなったことを歓迎する声明を発表しました。
この合意は、EUの炭素吸収源の減少傾向を逆転させるために、各加盟国に対して積極的かつ公平な目標を設定させるものです。
背景
欧州グリーンディールは、2050年までに欧州を気候ニュートラルにすることを目指したEUの長期成長戦略です。土地利用・農業・林業(LULUCF)規則の改正は、EUの気候、エネルギー、土地利用、交通、税制の各政策を、2030年までに温室効果ガスの純排出量を1990年比で少なくとも55%削減するために適したものにするために、2021年7月に欧州委員会が提示した「Fit for 55」案の一つになります
。LULUCFセクターは、大気中のCO2の排出と吸収の両方を担っており、具体的には、土壌、樹木、植物、バイオマス、木材の活用を対象としています。
今後10年間にこれらの取り組みを達成することは、欧州が2050年までに世界初の気候ニュートラルな大陸となり、欧州グリーンディールを現実のものとするために極めて重要となります。この立法手段は、欧州気候法で合意された目標を実現し、公正かつグリーンで豊かな未来のために、経済と社会を根本的に変革するためのものです。
概要
この炭素除去量に関する合意は、欧州グリーンディールの下でEUの気候変動に対する目的を実現するための、欧州委員会の「Fit for 55」立法パッケージの採択に向けたもう一つのステップであり、2035年までに欧州におけるCO2を排出する新車の販売を停止し、輸送、建築、廃棄、農業部門における国の排出削減目標を引き上げるという最近の合意に続くものです。
COP27が進行中であり、生物多様性COP15も控えている現在、本合意は、EUが積極的な目標と行動を結びつけていることを実証するものになります。また、EUが、ロシアのウクライナ侵攻に直面しても、グリーンへの移行を減速させず、2050年までに世界初の気候ニュートラルな大陸となるための活動を加速させていることを改めて示すものです。
加盟国は、EUの新たな目標を達成するために、CO2の吸収源を確保し、拡大する責任を負うことになります。
加盟国は、持続可能な森林管理や泥炭地の再湿潤化など土地管理を改善するための多くの手段を手にしており、共通農業政策(CAP)の下で戦略計画を更新し、土地部門に対するより高い目標を反映させる必要が生じます。LIFEプログラムのようなEU基金は、農業及び林業における気候変動対策に財政的支援を提供しています。
本合意は、既存の規則を簡素化し、地理的データやリモートセンシングなどのより正確で精密なデータ監視を用いて、排出量と除去量の監視、報告、検証の質を高めるものになります。
2021年から2025年までの目標は、現在の炭素吸収量レベルを維持するためのいわゆる「無負荷」コミットメントを持つ現行のLULUCF規則と密接に連携したままですが、2026年から2030年までの第2段階では、EUの除去量目標はCO2換算で3億1千万トンに増加し、2050年の気候変動に対する中立性を達成する軌道に乗せることになります。
各加盟国は、最近のCO2除去量または排出量のレベル、及び除去量をさらに増加させる可能性に基づいて目標を配分し、公平に貢献することになります。
次のステップ
今日の暫定合意は、今後、議会と理事会による正式な採択を必要となります。このプロセスが完了すると新法はEU官報に掲載され、発効することになります。
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