EU|欧州議会及び理事会、欧州委員会、2023年及び2024年の優先課題に関する共同宣言に合意

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EU|欧州議会及び理事会、欧州委員会、2023年及び2024年の優先課題に関する共同宣言に合意

緊密な連携による政策の立案と実現

2022年12月15日、欧州議会、理事会、欧州委員会の各議長は2023年及び2024年に向けたEUの立法上の優先事項に関する共同宣言に同意し、署名しました。

背景

2016年以降、欧州議会及び理事会、欧州委員会は、毎年、共同宣言において、翌年のEU法制の優先事項について議論し、合意しています。これにより、欧州議会とEU理事会が共同立法者となる欧州委員会が提出する重要な立法案について、各機関がより効果的に、より緊密に連携して取り組むことができるようになりました。

さらに、2020年には、EUの3機関は、2024年の次の欧州選挙までの共通の政策目標と優先事項を定めた「2020-2024年共同宣言」に署名しました。

共同宣言の主旨

この共同宣言は、EUの3機関が、欧州グリーンディールの実現、デジタル移行の達成とEUの強靭性の強化、人々のために働く経済の創出、世界における欧州の強化、欧州の生活様式の促進、民主主義と価値の保護、を目指す取り組みを最大限に優先することにコミットするものです。

3機関は、2024年の次期欧州選挙までに、共同宣言に盛り込まれた構想について可能な限り進捗させることを目指しています。EUの3機関も「欧州の将来に関する会議」の結果を歓迎し、それぞれの権限の範囲内で提案のフォローアップを行うという約束を再確認しています。会議の提案の多くは、既に欧州委員会の2023年の作業計画に反映されているものです。

困難な年であったにも関わらず、EUの3機関の指導者たちは2022年の成果も歓迎しています。これには、ウクライナとその国民に対する人道的、政治的、財政的、軍事的支援の提供や、経済的圧力をかけ、ロシアの軍事力を弱めるための前例のない対ロ制裁が顕著に含まれています。

EUは、史上初めて発動された一時的保護メカニズムの下で、ウクライナ人に仕事、住居、教育、訓練、医療へのアクセスを提供しました。REPowerEU計画の採択により、EUは再生可能エネルギーとエネルギー安全保障を強化しながら、欧州のロシア産化石エネルギーへの依存を段階的に解消していくことになります。

同時に、次世代EU(EU復興基金)の下での各国の復興、回復計画の実施は、弾力的な回復を促進しています。3機関は、市民や企業の生活費危機に対処するためのEU共通の解決策を見出すことに引き続き尽力しています。

さらに、画期的なデジタル市場法及びデジタルサービス法、公正な最低賃金、企業の取締役会における男女平等、及び「Fit for 55」の提案の一部など、2022年共同宣言ですでに特定された多くの優先分野にわたって重要な法案について合意がなされました。

共同宣言の内容

優先事項の実現については、EUが現在の課題にどのように対応してきたかを市民が評価する2024年の欧州選挙を考慮すると、一層重要になるとされています。これは、既に提出されている立法案と、欧州委員会が2023年末までに提出する予定の立法案の両方に関するものです。3機関は、2023年及び2024年の議会期間終了まで、以下の政策目標を最優先することに合意しました。

以下に、共同宣言の一部、目標事項を抜粋して示します。

1. 地政学的に不利な状況にも関わらず、2050年までに気候中立を目指す欧州グリーンディールを実現するため、我々は、エネルギー安全保障とエネルギー価格の高騰、及び食料安全保障への懸念に対する解決策の重要な部分として、グリーンかつ公正な移行を加速するよう取り組む。

我々は、2030年の削減目標を達成するための「Fit for 55」パッケージの作業を迅速に終了させるために行動し、ロシア産化石燃料への依存からの脱却と欧州における再生可能エネルギーの促進というRePowerEUの目標を達成するための野心を強化することと併せて行動する。

我々は、EU電力市場の見直し、EU水素市場の立ち上げ、再生可能エネルギーの迅速な普及を優先させる。我々は、生物多様性の回復と保護、土壌の健全性、水質・大気・マイクロプラスチック汚染の抑制、環境犯罪への取り組みに注目する。循環型経済の構築を目指して、我々は、修理する権利、持続可能な製品設計、包装廃棄物への取り組み、消費者がグリーン主張に関する正しい情報を入手できるようにすることを実現するために努力する。

我々は、さらなる気候変動対策、特に輸送機関の排出と汚染、貨物輸送のグリーン化、及び炭素除去認証に取り組む。我々は、廃棄物の削減とその環境負荷の低減に優先的に取り組む。

2. デジタル移行を達成し、EUの回復力を強化するために、我々は、資源の使用と環境・気候への影響の削減、先駆的技術における欧州のリードの強化、供給の安全保障、競争力、回復力、関連するデジタル技術の支援、人間中心のアプローチの追求に焦点を当てる。

我々は、人工知能、データアクセスと利用、サイバーレジリエンスとサイバーセキュリティ、及び防衛産業の強化に関する懸案の提案に注意を払うつもりである。

双子の移行に必要な十分かつ多様な供給を確保するため、重要な原材料とレアアース、及び半導体に関する施策を優先する。革新的技術を奨励するため、我々は、ハイパーループのための規制的枠組み、新しい電波スペクトル政策プログラム、及び安全な宇宙通信について行動する。我々は、欧州共通のモビリティ・データ・スペースについて行動する。

我々は、単一市場緊急措置やプラットフォーム業務の条件改善への取り組みを含め、主要な資産の1つである単一市場を強化する。また、新たな効率的な特許規則に向けて取り組み、支払い遅延に関する規則の改訂などを通じて、困難な状況にある中小企業を支援する。

3. 人々のために働く経済については、我々は、競争力を強化し、成長を確保し、欧州市民のための雇用機会を創出するための努力を増大させる。我々は、特に、若年層と関連する技能の開発に焦点を当てる。我々は、中小企業を妨げている障害や負担を取り除く。

また、中小企業救済パッケージを提唱し、資本とデータへの容易なアクセス、迅速かつ革新的な支払ソリューション、倒産に関する規則の合理化などを通じて、企業を支援し、救済するために行動する。我々は、欧州社会的権利の柱とポルト・サミット宣言の実施を引き続き優先させ、切断の権利や男女賃金格差の解消を含め、全ての行動において社会的側面が考慮されることを確保するための更なる措置を取る。

我々は、労働移動を支援するための社会保障制度の調整、ならびに、預金保険、持続可能なコーポレート・ガバナンス、マネーロンダリング防止、及び強制労働による製品の禁止に関する迅速な合意に向けて努力する。

我々は、EUと加盟国の経済を支える機能を確保するためのEU経済ガバナンスの見直しに十分な注意を払い、資本市場とデジタルユーロを含むユーロの役割を強化し、銀行同盟を完成させるために努力する。

我々は、グローバルな税制改革の進展を達成するよう努める。グローバルな持続可能な開発を支援するため、我々は、一般化された関税特恵制度と改革された関税制度に関する速やかな合意に向けて努力する。

(中略)

・ 国の復興と回復力のための計画を引き続き実施すること。

・ 2023年に単一市場の30周年を迎えるにあたり、特にサービス部門において障壁を取り除き、格差を埋めることにより、その力を最大限に活用し、市場を深めるために協働すること。

・ 欧州技能年との関連で、欧州を技能労働者にとって魅力的な場所として推進し、技能労働者と研修生のEU域内移動を促進すること。

・ 持続可能な開発のための国連2030アジェンダの実施を加速すること。

・ 相互に関連する気候危機と生物多様性危機に取り組むために、世界レベルでより高い野心と行動拡大を推し進めること。

・ 高い環境、健康、社会、人権基準を推進しつつ、グローバルゲートウェイ戦略を通じたものを含め、世界のパートナーに対する外交的アウトリーチを強化すること。

・ 西バルカン諸国と並んで、ウクライナ、モルドバ共和国、グルジアに対して信頼できる欧州の視点を提供し、東方パートナーシップ及び南近隣地域への支持を維持すること。

・ 志を同じくするパートナーとの貿易協定を優先させ、中南米・カリブ海諸国との関係を再活性化し、アフリカとの新たなパートナーシップを強化すること。

・ 安全保障同盟戦略2020-2025をさらに推進し、国際組織犯罪及びテロ組織から発せられる脅威に対処すること。

 “Joint Declaration on legislative priorities for 2023-2024”より引用・仮訳

次のステップ  

EUの3機関は、この共同宣言と、164の主要な立法案を掲載した附属の作業文書に基づき、引き続き協力していくことになります。

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