EU|欧州委員会、持続可能な貨物輸送のための異なる輸送モードの組み合わせに関する改正案を採択

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EU|欧州委員会、持続可能な貨物輸送のための異なる輸送モードの組み合わせに関する改正案を採択

持続可能な貨物輸送のための異なる輸送モードの組み合わせについて

2023年11月07日、欧州委員会は、持続可能な貨物輸送体制を形成するため、複合輸送指令92/106/EECを改正する規則案を採択しました。意見募集の期限は2024年1月1日までとなっております。道路輸送がもたらすCO2、排出物、混雑、騒音、事故等を減らすため、水運や鉄道など複数の運送モードを組み合わせた輸送の実施に対する支援のフレームワーク構築を目指しています。

背景

複合輸送指令92/106/EECは貨物輸送によるCO2、その他の排出物、混雑、騒音、事故を減少させるため、道路輸送から鉄道、内陸水路、海上輸送を組み合わせた運送モード実施の支援について規定しています。

道路輸送はEU内輸送の74.4%を占めており、EUの輸送における環境への悪影響の大部分を成しています。解決の必要は認識されていますが、現状においては道路だけの輸送から複数の移動手段の組み合わせに移行するためには行政的な障壁、積み替えなどの諸コストの問題を解決せねばならず、特に中距離および短距離においては道路のみの輸送においては同じ土俵で競争できません。

また、欧州気候法によって、欧州連合は2030年までに1990年の水準と比較して経済全体の温室効果ガス排出量を少なくとも55%削減し、2050年までに気候中立を達成する必要があると明記されています。

欧州グリーンディールに関するコミュニケーションにおいて、気候中立を達成するために2050年までに輸送GHG排出を90%削減する必要があると指摘されています。 ゼロ汚染アクションプランでは、大気汚染や騒音の減少のためにもクリーンな輸送の導入を奨励しています。さらに、化石燃料への依存を減らす必要性も、政策パッケージであるREPowerEUにおいて強調されています。

そのため、道路輸送を可能な限り、環境的負荷が控えめな鉄道および内陸水路に移行する必要があります。

一方、複合輸送指令92/106/EECが最後に改正されたのは、1992年です。指令の一部は現代の実情に見合っていないため、効果的なサポートを行えていない可能性があります。

概要

本規則案は、複数の輸送手法を組み合わせ、輸送に関する効率性かつ競争力を高めることを目的とした規定が定められています。

主な内容は下記のとおりです。

■異なる輸送モードを組み合わせた輸送について、週末における運転禁止の免除を導入する

■加盟国に対して、既存の措置を分析し、新しい国家政策枠組みを確立または拡充する義務を課す 

■各加盟国で異なる輸送モードを組み合わせた輸送のコストを全体的に10%削減する目標を定める

また、支援に関する不平等をなくすため、異なる輸送モードの組み合わせに関する基準を明確化します。

くわえて、加盟国に対して政策枠組みの透明性を確保する義務が課せられます。

さらに、ターミナルの透明性を確保するため、施設とサービスに関するデータを公開するように定めます。

参考情報

持続可能な輸送-複合輸送指令の改正

欧州委員会、より持続可能な貨物輸送のための輸送手段の組み合わせに関する新提案を採択

複合輸送指令の提案に関する質問と回答

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