2024.06.21
EU|EU理事会、EU及び欧州原子力共同体(Euratom)がエネルギー憲章に関する条約から脱退する決定を公表
エネルギー憲章に関する条約の脱退について
2024年05月20日、 EU理事会、EUの離脱および欧州原子力共同体(Euratom)のエネルギー憲章に関する条約からの脱退を正式決定を公表しました。
脱退は条約の寄託機関である日本が通知を受け取ってから1年後に発効されます。
背景
1991年、ソ連の崩壊を背景として、旧ソ連及び東欧諸国におけるエネルギー分野に対して市場原理に基づく変革およびエネルギー分野における企業活動の全世界的促進等を目的として「欧州エネルギー憲章」が作成されました。そして、憲章の内容を実施するための法的枠組として「エネルギー憲章に関する条約」が作成され、1998年に発効されました。
欧州原子力共同体(Euratom)は欧州グリーン・ディールおよびパリ協定の下で主に化石燃料への投資継続という点において、エネルギー憲章に関する条約がEUの気候変動目標に適合していないため、2018年から内容の近代化を図るプロセスが行われていました。
ただし、状況に行き詰まりを感じる声がEU内にあり、議長国のベルギーは関係者全員にとって受け入れ可能で有益なバランスを模索していました。
その結果、2023年07月07日に欧州委員会はEUおよび欧州原子力共同体(Euratom)のエネルギー憲章に関する条約からの脱退の理事会決定案を提出しています。
2024年03月01日、欧州委員会はエネルギー憲章に関連する会議においてEUと欧州原子力共同体(Euratom)がそれぞれ取るべき立場と、加盟国がエネルギー憲章に関する条約を賛成するかどうかに関する理事会決定案を提案していました。
概要
本日の理事会による正式な採択により、EUおよび欧州原子力共同体(Euratom)のエネルギー憲章に関する条約からの脱退が最終的に承認されました。
これにより、加盟国は次回のエネルギー憲章会議でそのエネルギー憲章の近代化を支持することが許可されます。
EUおよび欧州原子力共同体(Euratom)の脱退後も契約当事者として残ることを希望する加盟国は、2024年末までに開催が予定されているエネルギー憲章会議において、近代化した協定の採択に賛成するかどうか投票できます。
今回の脱退はEU内の行き詰まりを打破だけでなく、非EUの当事者にとってもエネルギー憲章条約の近代化プロセスにつながると主張しており、ベルギーのエネルギー大臣ティンネ・ヴァン・デル・ストラーテン氏は、この採択がエネルギー憲章に関する条約のために作成したロードマップの最終的なマイルストーンを意味すると述べています。
EUおよび欧州原子力共同体(Euratom)の脱退に関する決定、近代化したエネルギー憲章に関する条約の決定は本日2024年05月30日付で発効されます。脱退は条約の寄託を受けた日本が通知を受け取ってから1年後に発効されます。加盟国の近代化に関する立場は、次回のエネルギー憲章会議で適用されます。
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