EU|EU域内排出量取引制度(EU ETS)について、オーストリアおよびオランダにおける新たな適用範囲に関する決定案の意見募集を終了
特定国におけるEU域内排出量取引制度について
2024年08月16日、欧州委員会はEU域内排出量取引制度のオーストリアおよびオランダにおける適用範囲拡大に関する意見募集を終了しました。両国とも運送等が対象となっています。
背景
■ EU域内排出量取引制度(EU ETS)は温室効果ガスの排出量取引制度であり、欧州連合の気候政策の要とされています。
■ 温室効果ガス(GHG)排出量削減の目標を効果的に達成するための主要な手法と考えられており、2023年にEU-ETS指令(EC)2003/87が改正された結果、新しい排出量取引システム(ETS 2)が創設されています。
■ 新たな対象範囲には、建物や道路輸送部門で使用される燃料およびETS指令の附属書Iに含まれていない産業活動に対応するものとなっており、EU-ETS指令(EC)2003/87の附属書IIIで定義されます。
■ EU-ETS指令(EC)2003/87では加盟国の判断でETS 2の適用範囲を自国内において附属書Iおよび附属書IIIに記載されていない部門まで拡大し、排出量取引を適用することが許可されています。また、欧州委員会が加盟国が附属書IIIに記載されている活動を拡張することを認める権限を有することが定められています。
■ 2024年5月31日にオーストリアから、2024年06月06日に提出されたオランダからの申請に基づき、ETS 2の新しい適用範囲の拡大を承認するための決定が採択されています。
概要
■オーストリア
主なETS 2の適用範囲は下記の通りです。
- 【民間航空】 国際および国内民間航空からの排出量、離着陸を含む
- 【国際航空】 一国で出発し別の国に到着するフライトからの排出量、これらの飛行段階での離着陸を含むが軍用航空を除く
- 【国内航空】 同一国内で出発し到着する民間の国内旅客および貨物輸送からの排出量、これらの飛行段階での離着陸を含むが軍用航空を除く
- 【鉄道】 貨物および旅客輸送ルートにおける鉄道輸送からの排出
- 【水上航行】 ただし、漁船およびドナウ川や国際湖沼(コンスタンス湖とノイジードラー湖)での商業活動を除く
- 【農業/林業/漁業/養殖業】 ただし、公道上の農業輸送を除く
オーストリアは、EU-ETS指令(EC)2003/87に従い、本決定における燃料消費に対応する排出量について2025年01月01日以降に発生したものについて、監視および報告体制を形成する義務を有するものとされています。
■ オランダ
主なETS 2の適用範囲は下記の通りです。
- 【道路輸送】 舗装された道路上の農業車両による燃料使用からの燃焼排出
- 【鉄道】 貨物および旅客交通のための鉄道輸送からの排出
- 【水上輸送】 内陸水域での船舶、ホバークラフト、ハイドロフォイルの推進に使用される燃料からの排出。ただし、漁船は除外される
- 【農業/林業/漁業/養殖場】 農業、林業、漁業、および養殖産業(魚の養殖場など)における燃料燃焼からの排出
オランダは、EU-ETS指令(EC)2003/87に従い、本決定における燃料消費に対応する排出量について2025年01月01日以降に発生したものについて、監視および報告体制を形成する義務を有するものとされています。
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