温室効果ガスと製品の科学的結合について
2024年10月04日、欧州委員会は温室効果ガスと製品が永久的に化学的結合していると判断するための基準に関する委任規則(EU)2024/2620を公布しました。本規則は、全加盟国に直接適用されます。
背景
■ 2030年までに1990年比で排出量を55%削減する目標設定を行った欧州気候法(EU)2021/1119に合致させるため、EU-ETS指令(EC)2003/87は既に改正されています。
■ 温室効果ガスが製品内で永久的に化学的結合が行われたとみなされるための基準と要件を確立する必要性が指摘されています。
■ 現状においては永久的な温室効果ガス貯蔵のための回収および利用プロセスはCO₂排出のみを対象としており、CH₄やN₂Oなど他の温室効果ガスに対する対応は不要とされています。しかし、利用プロセス中の化学反応によってCO₂が化学変化する可能性があるため、他の炭素原子についても考慮する必要があります。
■ CO₂が製品内において永久的に化学的結合が達成された場合、それが地質貯蔵と同様の気候効果を提供していることを前提としたうえで、なおかつ、二つのアプローチが有する性質の違いを考慮する必要があると考えられています。そのため、化学結合の種類、製品使用、使用後の処理を把握し、少なくとも数世紀以上の期間、CO₂が製品内において永久的に化学的に結合した状態を維持できなくてはならないと指摘されています。
■ また、製品内において永久的に化学的に結合されたCO₂が大気中に放出されないようにするためには、炭素が長期間保存され、焼却による放出を避ける仕組みづくりの重要性も考慮されています。
概要
■ 本規則はCO₂が製品内で永久的に化学的に結合されたと見なされるための要件を規定するものです。
■ 製品においてCO₂が永久的に化学的に結合されたと判断されるためには、
- 管理された利用プロセスを通じて製品と化学的に結合され、利用プロセス中に製品内で結合されたCO₂の量を測定および決定できること(利用プロセス以前に存在する炭素や、利用プロセス後に大気や他の源から自然に吸収された炭素は除外される)
- 通常の使用中、製品の寿命後において大気中に放出されないことを目的として、永久的に化学的に結合され、少なくとも数世紀以上にわたり維持されること
の2点を満たす必要があります。
■ 炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムのような鉱物炭酸塩の化学的性質は、高温や強酸にさらされない限り、炭素が永久に化学的に結合していると見なされる強力な化学的結合を保証しています。したがって、炭酸塩岩石中に長期間炭素を保持することになるため、通常の条件下では大気中に放出されることはないと判断されます。
■ 焼却による処理の割合が大きい製品から捕捉された炭素は、永久的に化学的に結合しているとみなされません。
■ 炭酸塩ベースの建設製品(骨材、セメント、コンクリート、レンガ、タイル)は寿命が長く、数十年から数世紀にわたって使用される可能性があると考えられています。こうした建設および解体廃棄物のカテゴリーに分類され製品は、欧州委員会の共同研究センターによると、EU内廃棄処理方法の平均がリサイクル79%、埋め戻し10%、埋立11%となっています。したがって、鉱物炭酸塩の製造に利用され、捕捉されたCO₂は、製品内において永久的に化学結合を達成したとみなされます。
目次
第1条 主題
第2条 定義
第3条 永久的な捕獲と製品への利用の要件
第4条 審査プロセス
第5条 発効
附属書 CO₂を永久的に化学的結合すると考えられる製品
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