2025.06.11
EU|EMA(欧州医薬品庁)およびHMA(医薬品庁長官会議)、医薬品に対するデータ・AI利用規制に関する作業計画を公表
医薬品におけるAI利用の規制について
2025年05月07日、EMA(欧州医薬品庁)およびHMA(医薬品庁長官会議)は、「医薬品規制におけるデータとAIに関する2028年までの作業計画(Data and AI in medicines regulation to 2028)」を共同で公表しました。本計画には、欧州の医薬品規制ネットワークにおけるデータと人工知能(AI)の活用方針と具体的施策が示されています。
背景
■ テクノロジーの進化に伴い、医薬品分野において大量のデータが生み出されるようになりました。これらを適切に活用することが、より良い医薬品の迅速な提供につながるとされています。そうした中、EMA(欧州医薬品庁)およびHMA(医薬品庁長官会議)は、EU域内の規制当局として、統一的かつ戦略的なデータガバナンスやAI活用の枠組みを構築する必要性を認識していました。
■ EUにおける新たな各種制度、すなわち欧州健康データスペース(EHDS)、AI法、相互運用性法、改正医薬品法などの動きにも対応する作業性格が必要とされていました。また、EMA(欧州医薬品庁)およびHMA(医薬品庁長官会議)は、ビッグデータ指導グループおよびネットワークデータ委員会を統合した新たな戦略諮問グループ「ネットワークデータ運営グループ(NDSG)」を設立し、本計画の実行と監督を担う体制を整備しました。
概要
■ 「医薬品規制におけるデータとAIに関する2028年までの作業計画(Data and AI in medicines regulation to 2028)」では、欧州医薬品規制ネットワークが保持するデータの管理・分析・共有に向けたロードマップが提示されています。特に、データのセキュリティと倫理基準を守りながら、その価値を最大限に引き出すための仕組みが重視されています。
■ ネットワーク全体で高品質なエビデンスを生成できるよう、データ分析能力の強化が重要な柱とされています。EMA(欧州医薬品庁)のヒト用医薬品委員会(CHMP)による臨床試験データへの個人レベルでのアクセスに関するパイロットプロジェクトは、今後も継続され、データの実務面での利点が検証されます。
■ リアルワールドデータ分析ネットワーク「DARWIN EU®」の拡充により、医薬品の使用、安全性、効果に関する知見のギャップを埋めるエビデンスの提供が期待されています。さらに、バイオ統計学やモデリング、AI、薬剤疫学、ゲノムデータや合成データ、デジタルツイン、患者体験データなど、幅広い手法とデータタイプについての見直しを通じて、ネットワーク内での共通理解の形成が進められます。
■ データの相互運用性を高めるため、リアルワールドデータ、副作用データ、医薬品マスターデータのカタログ化および品質向上が優先的に行われます。特に「製品管理サービス(PMS)」は、EU全体のユースケースを支える製品マスターデータの中心的役割を担い、その導入と統一が推進されます。
■ AIの活用に関しては、医薬品ライフサイクル全体での応用可能性が強調されています。科学委員会や製薬業界によるAIの評価支援、臨床開発およびファーマコビジランス領域でのガイダンス整備、EU内外の連携促進、AIに関する研修やツール共有の枠組みづくりなど、多面的な施策が展開されます。こうした取り組みを通じて、AIの安全かつ責任ある活用が進み、公衆衛生および動物の健康の向上が期待されています。
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