GILSP遺伝子組換え微生物リストに関する告示の改正案の意見募集
2021年12月13日、GILSP遺伝子組換え微生物リストに関する告示の改正案の意見募集が開始されました。経済産業省の説明によると、GILSPとは、Good Industrial Large-Scale Practice(優良工業製造規範)の略で、1986年のOECD理事会勧告「組換えDNA技術の安全性の考察」に示された概念に基づいているとされます。意見募集は01月11日までとなっており、案はこちらから確認できます。
法的枠組み
遺伝子組換え微生物の産業利用に係わる法的枠組みの構造は次の通りです。
■ 法律|遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律
|_■ 政令|遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律における主務大臣を定める政令
|_■ 政令|遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第二十四条第一項の規定により納付すべき手数料の額を定める政令
|_■ 省令|遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律施行規則
|_■ 省令|遺伝子組換え生物等の第二種使用等のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令
|_■ 省令|遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律に係る民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律施行規則
|_■ 省令|遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第三十二条の規定による立入検査等に関する省令
|_■ 告示|遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律第三条の規定に基づく基本的事項
|_■ 告示|遺伝子組換え生物等の第一種使用等による生物多様性影響評価実施要領
|_■ 告示|遺伝子組換え生物等の第二種使用等のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令別表第一号の規定に基づき経済産業大臣が定めるGILSP遺伝子組換え微生物
|_■ 告示|遺伝子組換え生物等の第二種使用等のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令別表第一号に基づき厚生労働大臣が定めるGILSP遺伝子組換え微生物の一部を改正する件 など
その他、局長通知やFAQ、各種様式の資料などの情報があります。
遺伝子組換え微生物の産業利用
上述の法体系は、生物多様性条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書や、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書を背景に整備されているものです。
重要な定義としては次のものがあります。
「遺伝子組換え生物等」とは、次に掲げる技術の利用により得られた核酸又はその複製物を有する生物をいう。一 細胞外において核酸を加工する技術であって主務省令で定めるもの二 異なる分類学上の科に属する生物の細胞を融合する技術であって主務省令で定めるもの
法第二条
「第一種使用等」とは、次項に規定する措置を執らないで行う使用等をいう。
「第二種使用等」とは、施設、設備その他の構造物(以下「施設等」という。)の外の大気、水又は土壌中への遺伝子組換え生物等の拡散を防止する意図をもって行う使用等であって、そのことを明示する措置その他の主務省令で定める措置を執って行うものをいう。法第二条
「拡散防止措置」とは、遺伝子組換え生物等の使用等に当たって、施設等を用いることその他必要な方法により施設等の外の大気、水又は土壌中に当該遺伝子組換え生物等が拡散することを防止するために執る措置をいう。
法第二条
第一種使用等と第二種使用等にはそれぞれ異なる要件が課せられています。
■ 第一種使用|承認制度
遺伝子組換え生物等を作成し又は輸入して第一種使用等をしようとする者その他の遺伝子組換え生物等の第一種使用等をしようとする者は、遺伝子組換え生物等の種類ごとにその第一種使用等に関する規程(以下「第一種使用規程」という。)を定め、これにつき主務大臣の承認を受けなければならない。
法第四条
■ 第二種使用|拡散防止措置
遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする者は、当該第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置が主務省令により定められている場合には、その使用等をする間、当該拡散防止措置を執らなければならない。
遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする者は、前条の主務省令により当該第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置が定められていない場合(特定遺伝子組換え生物等の第二種使用等をする場合その他主務省令で定める場合を除く。)には、その使用等をする間、あらかじめ主務大臣の確認を受けた拡散防止措置を執らなければならない。法第十二条、十三条
今回意見募集の対象となっているのは、その中でも、「第二種使用等のうち産業上の使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」に基づいて公表されている告示の改正案です。同省令では、遺伝子組換え生物等の産業上の使用等のうち、遺伝子組換え微生物の生産工程中における使用等に当たって執るべき拡散防止措置を、遺伝子組換え生物等の区分に応じて別表で整理しています。そのうち、第一号の拡散防止措置が適用される対象について、次のように別途、関連省庁が定めるとされています。
一 GILSP遺伝子組換え微生物(特殊な培養条件下以外では増殖が制限されること、病原性がないこと等のため最小限の拡散防止措置を執ることにより使用等をすることができるものとして財務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣又は環境大臣が定めるもの)
省令別表第一号
記載の通り、別途告示等で定めることができる省庁は複数設定されており、実際に経済産業省や厚生労働省から別々にリストが公表されています。これらのリストはGILSPリストと呼ばれ、Good Industrial Large-Scale Practice(優良工業製造規範)の略で、1986年のOECD理事会勧告「組換えDNA技術の安全性の考察」に示された概念に基づいています。今回の意見募集は厚生労働省が公表しているリスト(告示)の改正案となります。
ちなみに、上述別表第一号で規定されている「拡散防止措置」の内容は次の通りです。
イ 施設等について、作業区域(遺伝子組換え微生物を使用等する区域であって、それ以外の区域と明確に区別できるもの。以下同じ。)が設けられていること。
ロ 作業区域内に、遺伝子組換え微生物を利用して製品を製造するための培養又は発酵の用に供する設備が設けられていること。
ハ 作業区域内に、製造又は試験検査に使用する器具、容器等を洗浄し、又はそれらに付着した遺伝子組換え微生物を不活化するための設備が設けられていること。
ニ 遺伝子組換え微生物の生物学的性状についての試験検査をするための設備が設けられていること。
ホ 遺伝子組換え微生物を他のものと区別して保管できる設備が設けられていること。
ヘ 廃液又は廃棄物は、それに含まれる遺伝子組換え微生物の数を最小限にとどめる措置をとった後、廃棄すること。
ト 生産工程中において遺伝子組換え微生物を施設等の外に持ち出すときは、遺伝子組換え微生物が漏出しない構造の容器に入れること。省令別表第一号
今回の改正対象の内容は、上述の通り、「拡散防止措置が定められている場合」に該当するため、改正内容が公布されれば、法十二条等にしたがった対応が必要となります。
注目情報一覧
新着商品情報一覧
調査相談はこちら
概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。
- ●●の詳細調査/定期報告調査
- ●●の他国(複数)における規制状況調査
- 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
- 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など