解説EU-爆発物監督指令

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法令の情報時期:2014年3月 ページ作成時期:2026年2月

目的

目的

本指令は民生用爆発物を対象として、市場提供と監督に関する加盟国の法律の整合を図るものであり、先行する「民生用爆発物の市場への投入及び監督に関する規定の調和に関する1993年4月5日付理事会指令93/15/EEC」を改正したものである。

概要

概要

本指令は民生用爆発物の市場への提供および監督に関してEU各国間の法律の整合を図るものであり、主に以下を定めている。

・爆発物の適合性確保と情報提供に関する各事業者(製造業者、認定代理人、輸入業者、販売業者)の義務の詳細(「事業者が注意すべき内容」を参照)。

・セキュリティ規定:爆発物の移送に関する規則、弾薬の移送に関する規則、爆発物の識別表示とトレーサビリティに関する規則、ライセンスまたは認可に関する規則(「事業者が注意すべき内容」を参照)。

・爆発物の適合性評価に関する詳細。

・加盟各国当局の監視義務:爆発物に関係する各事業者へのライセンス・許可発行、爆発物や弾薬移送の際の事前審査、不法所持又は使用の結果として公共の安全に対する重大な脅威又は攻撃が発生した場合の対処(場合によっては押収)。

適用除外(対象外・猶予・免除等)

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この指令は、以下のものには適用されない。

a) 国内法に従い軍隊または警察が使用することを意図した爆発物(弾薬を含む)。

b) 指令2013/29/EU(火工品指令)の適用範囲内の火工品。

c) 第12条、第13条及び第14条に規定されている場合を除き、弾薬。

事業者が注意すべき内容

本法令が定める事業者に係わる主な要件は次の通りとなります。本項は網羅的なものではないため、詳細や罰則については、個別調査にて承ります。
ご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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【製造業者の義務(第2章5条)】

  • 爆発物を市場に出すとき、またはそれを自らの目的で使用するときは、爆発物が附属書IIに定める必須の安全要件に従って設計・製造されていることを確認しなければならない。
  • 技術文書を作成し、適合性評価手続きを実施しなければならない。適合が実証されればEU適合宣言書を作成し、CEマークを貼付しなければならない。
  • 爆発物の市場投入後10年間、技術文書および EU適合宣言を保管する義務がある。
  • 爆発物の設計や特性の変更、整合規格等の変更を適切に考慮し、量産品が本指令に適合し続けるための手順を確実に整備しなければならない。
  • 市場に投入する爆発物には、第15条に定める爆発物の識別及び追跡可能性に関する制度に従い、固有の識別表示を付する義務がある。
  • 市場に提供する爆発物には、関係加盟国が定める最終使用者が容易に理解できる言語で記載された取扱説明書及び安全情報を必ず添付する。
  • 自らが市場に供給した爆発物が本指令に適合していない、またはその疑いがある場合、当該爆発物を適合させるために必要な是正措置を直ちに講じ、必要に応じて当該爆発物を回収またはリコールする。またリスクがある場合には管轄当局に報告する。
  • 管轄当局から要請があれば、爆発物の適合性を証明する情報を提出しなければならない。
資格、認定

【認定代理人の義務(第2章6条)】

  • 製造業者は、書面による委任により権限のある代理人を任命することができる。ただし第5条(1)に規定する義務及び第5条(2)に規定する技術文書の作成義務は委任できない。
  • 認定代理人に委任される業務は、少なくとも以下を含む必要がある。1)爆発物が市場に投入されてから10年間、EU適合宣言書および技術文書を各国の市場監視当局が利用できるように保管すること、2) 管轄当局からの正当な要請があれば、爆発物の適合性を証明するために必要なすべての情報を提出すること、3) 任務の対象となる爆発物の呈するリスクを除去するためのあらゆる措置について、管轄当局の要請に応じて協力すること。
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【輸入業者の義務(第2章7条)】

  • 適合した爆発物のみを市場に投入しなければならない。
  • 爆発物を市場に出す前に、製造者が適切な適合性評価手続きを実施し、製造者が技術文書を作成し、爆発物にCEマークを付して、必要な文書をしていること、並びに第5条(5)に規定する要件を遵守していることを確認しなければならない。不適合の爆発物を市場に出してはならない。
  • 爆発物またはその包装・添付書類に自らの名称、登録商号または登録商標、及び連絡先となる郵便住所を記載しなければならない。
  • エンドユーザーが容易に理解できる言語で書かれた説明書及び安全情報が必ず爆発物に添付されていることを確保する。
  • 爆発物が自己の責任下にある間、その貯蔵または輸送条件が附属書IIに定める必須安全要件への適合を決して損なわないようにする義務がある。
  • 自らが市場に供給した爆発物が本指令に適合していないと考える場合、当該爆発物を適合させるために必要な是正措置を直ちに講じ、必要に応じて当該爆発物を回収またはリコールしなければならない。またリスクがある場合には管轄当局に報告する。
  • 爆発物の市場投入後10年間、市場監視当局が利用できるようEU適合宣言書の写しを保管し、要請に応じて技術文書を提出しなければならない。
  • 管轄当局から要請があれば、爆発物の適合性を証明する情報を提出しなければならない。また当該当局の要請があれば、自らが市場に供給した爆発物によってもたらされる危険を除去するためのあらゆる措置に協力しなければならない。
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【販売業者の義務(第2章8条)】

  • 爆発物を市場に流通させる場合、販売業者は本指令の要件に関して十分な注意を払って行動しなければならない。
  • 爆発物を市場に出す前に、爆発物にCEマークが貼付されていること、必要な文書と説明書および安全情報が添付されていること、製造業者と輸入業者がそれぞれ第5条(5)と第7条(3)に定められた要件を遵守していることを確認しなければならない。
  • 爆発物が附属書IIに定める必須安全要件に適合していないと判断した場合、当該爆発物が適合するまで市場に提供してはならない。さらに、爆発物がリスクを呈する場合、販売業者は製造業者または輸入業者並びに市場監視当局にその旨を通知しなければならない。
  • 爆発物が自己の責任下にある間、その貯蔵または輸送条件が附属書IIに定める必須安全要件への適合を決して損なわないようにする義務がある。
  • 自らが市場に供給した爆発物が本指令に適合していないと考える場合、当該爆発物を適合させるために必要な是正措置または回収もしくはリコールを確実に実施しなければならない。またリスクがある場合には管轄当局に報告する。
  • 管轄当局から要請があれば、爆発物の適合性を証明する情報を提出しなければならない。また当該当局の要請があれば、自らが市場に供給した爆発物によってもたらされる危険を除去するためのあらゆる措置に協力しなければならない。
情報伝達、連絡

【製造業者の義務が輸入業者や販売業者に適用されるケース(第2章9条)】

輸入業者や販売業者は、自らの名称または商標で爆発物を市場に投入する場合、または本指令の遵守に影響を及ぼすような方法で既に市場に投入されている爆発物を改造する場合、本指令の目的上、製造業者とみなされ、第5条に基づく製造業者としての義務を負う。

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【爆発物の移送(第3章11条)】

  • 爆発物の移送許可は、荷受人がその加盟国の管轄当局から取得しなければならない。
  • 移送を担当する事業者は、爆発物が通過する全加盟国について事前の許可を得なければならない。
  • 加盟国の領域内または領域の一部における特別な安全要件を遵守するために爆発物の移送を特別に監督する必要がある場合は、荷受人は荷受人の加盟国の管轄当局に対して更に詳細な情報を提供する必要がある。
  • 関連する荷受人および事業者は、関係各当局の要請があれば、爆発物の移送に関して保有するすべての情報を出発加盟国の当局および通過加盟国の当局に提出しなければならない。
  • 事業者は、第2項、第4項、第5項及び第6項に従って荷受人が移送に必要な許可を取得しない限り、爆発物を移送してはならない。
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【弾薬の移送(第3章12条)】

  • 弾薬は、第2項から第5項に定める手続きに従ってのみ、ある加盟国から他の加盟国へ移送することができる。これらの項は、通信販売による弾薬の移送にも適用される。
  • 弾薬を他の加盟国に移送する場合、関係者は、発送前に、その弾薬が所在する加盟国に販売者、取得者、弾薬の詳細や移動手段等の詳細を通知し当局から許可証を取得しなければならない。
  • ディーラー間の移送については、加盟国は、毎回事前の許可を得る必要なく自国領域から他の加盟国に拠点を置くディーラーへの弾薬移転を行う許可を不要することができる。この場合、3年間有効な許可証を発行する。
  • ディーラーは、移送を​​実行する前に、出発国の当局に詳細を通知しなければならない。
文書登録、文書管理、文書作成

【爆発物の識別とトレーサビリティ(第3章15条)】

事業者は、爆発物の大きさ、形状、設計を考慮した爆発物の固有識別および追跡可能性のための統一されたシステムを遵守しなければならない。

【ライセンスまたは認可(第3章16条)】

事業者は、爆発物の製造、貯蔵、使用、輸入、輸出、譲渡または取引を行う資格を与える免許または認可を保有しなければならない。

注目定義

■ 「爆発物」(explosives)

危険物輸送に関する国連勧告において爆発物とみなされ、当該勧告のクラス1に該当する物質および物品。

■ 「弾薬」(ammunition)

携帯用銃器、その他の銃器および大砲に使用される発射体および空砲弾で、推進薬の有無を問わない。

■ 「安全」(safety)

事故を予防すること、および予防が失敗した場合にはその影響を抑制すること。

■ 「セキュリティ」(security)

法や秩序に反する使用を防止すること。

■ 「認可」(approval)

EU 内で予定されている爆発物の移転を許可する決定。

■ 「市場に提供する」(making available on the market)

商業活動の一環として、有償か無償かを問わず、欧州連合市場での配布または使用のために爆発物を供給すること。

■ 「市場への投入」(placing on the market)

爆発物を欧州連合市場に初めて投入すること。

■ 「製造者」(manufacturer)

爆発物を製造し、または爆発物を設計もしくは製造させ、その爆発物を自己の名称もしくは商標で販売、または自己の目的のために使用する自然人または法人。

■ 「認定代理人」(authorised representative)

EU 内に設立された自然人または法人で、製造業者から特定の業務に関してその代理として行動する書面による委任を受けた者。

■ 「輸入者」(importer)

第三国からの爆発物を欧州連合市場に投入する欧州連合内に設立された自然人または法人。

■ 「販売業者」(distributor)

製造業者または輸入業者以外の、爆発物を市場に流通させるサプライチェーン内の自然人または法人。

■ 「事業者」(economic operators)

爆発物の製造業者、認定代理人、輸入業者、販売業者、および爆発物の保管、使用、譲渡、輸入、輸出または取引に従事する自然人または法人。

■ 「ディーラー」(dealer)

銃器および弾薬の製造、取引、交換、貸与、修理、または改造を業務の全部または一部とする自然人または法人。

■ 「認定」(accreditation)

規則(EC)765/2008第2条10項に定義されている認定。

■ 「国家認定機関」(national accreditation body)

規則(EC)765/2008第2条11項に定義される国家認定機関。

■ 「適合性評価」(conformity assessment)

ある爆発物に関して本指令の必須安全要件が満たされているかどうかを実証するプロセス。

■ 「リコール」(recall)

すでにエンドユーザーに利用可能となっている爆発物の返却を達成することを目的としたあらゆる措置。

■ 「回収」(withdrawal)

サプライチェーン上の爆発物が市場に流通するのを防ぐことを目的としたあらゆる措置。

目次

第1章 一般規定

第1条 適用範囲

第2条 定義

第3条 移動の自由

第4条 市場供給

第2章 各事業者の義務

第5条 製造業者の義務

第6条 認定代理人の義務

第7条 輸入業者の義務

第8条 販売業者の義務

第9条 製造業者の義務が輸入業者や販売業者に適用されるケース

第10条 取引先に関する情報提供義務

第3章 安全に関する規定

第11条 爆発物の移送

第12条 弾薬の移送

第13条 安全上の例外措置

第14条 情報交換

第15条 爆発物の識別とトレーサビリティ

第16条 ライセンスまたは認可

第17条 製造活動のライセンス

第18条 押収

第4章 爆発物の適合性

第19条 爆発物の適合性の推定

第20条 適合性評価手順

第21条 EU適合宣言書

第22条 CEマーキングの一般原則

第23条 CEマークを貼付するための規則と条件

第5章 適合性評価機関の通知

第24条 通知

第25条 認定機関

第26条 認定機関に関する要件

第27条 認定機関の義務

第28条 第三者認証機関に関する要件

第29条 適合性評価機関の適合性の推定

第30条 第三者認証機関の子会社と業務委託

第31条 認定の申請

第32章 認定手順

第33条 ID番号と第三者認証機関のリスト

第34条 認定に関する変更

第35条 第三者認証機関の能力に対する異議申立て

第36条 第三者認証機関の業務上の義務

第37条 第三者認証機関の決定に対する異議申立て

第38条 第三者認証機関の情報提供義務

第39条 経験に関する情報交換

第40条 第三者認証機関同士の連携

第6章 連合市場の監視、連合市場に入る爆発物の規制、および連合のセーフガード手続き

第41条 欧州連合市場への爆発物の流入監視および規制

第42条 危険を伴う爆発物に国家レベルで対処する手順

第43条 連合のセーフガード手続き

第44条 適合爆発物だが危険を伴うもの

第45条 形式上の不適合

第7章 委譲された権限、実施権限および委員会

第46条 委譲された権限

第47条 委譲された権限の行使

第48条 実施規則

第49条 委員会の手続き

第8章 経過規定および最終規定

第50条 罰則

第51条 経過規定

第52条 国内移行

第53条 廃止

第54条 発効および適用

第55条 宛先

附属書Ⅰ 関連する国連勧告において火工品または弾薬とみなされる物品

附属書Ⅱ 必須安全要件

附属書Ⅲ 適合性評価手順

附属書Ⅳ EU適合宣言書

附属書Ⅴ パートA 廃止された指令とそれに対する一連の改正のリスト

パートB 国内法への移行期限と適用日

附属書Ⅵ 相関表

基礎情報

法令(現地語)

DIRECTIVE 2014/28/EU OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 26 February 2014 on the harmonisation of the laws of the Member States relating to the making available on the market and supervision of explosives for civil uses (recast)(Text with EEA relevance)

法令(日本語)

民生用爆発物の市場提供と監督に関する加盟国の法律の整合に関する2014年2月26日付欧州議会及び理事会指令 2014/35/EU(改定)(EEA関連テキスト)

公布日

2014年3月29日

作成者

株式会社先読

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