2023.01.28
タイ|ERC、エネルギー事業市場に関する規則及び告示を5件発出
エネルギー事業者の市場独占などの防止を目的としたもの
環境規制委員会(ERC)は2022年12月19日、エネルギー事業関連の規則及び告示を5件官報公布しました。これらの告示は翌12月20日より施行となっています。
告示の背景
タイのエネルギー事業は元々独占体制が続いてきましたが、近年、急速に自由化が進んでいます。
電力に関してはタイ発電公社(EGAT, Electricity Generating Authority of Thailand)が全国の発送電や他国との電力融通、タイ首都圏配電公社(MEA, Metropolitan Electricity Authority of Thailand)及びタイ地方配電公社(PEA, Provincial Electricity Authority )が供給エリア内の配電・小売を、それぞれ独占的に行ってきましたが、2018年にエネルギー省より化石燃料、再生可能エネルギーを対象とした発電事業規制緩和政策が発表され、電力事業に市場価格が導入されました。
また天然ガスに関しては、元々タイ石油公社(PAT, Petroleum Authority of Thailand)が独占的に事業を行っていましたが、2001年に市場競争を導入するため同社を株式会社化、タイ石油会社(PTT, Public Company Limited)に改称、一部民営化し、エネルギー省監督の下で主に原油の採掘から製造、販売までを展開する一方、液化天然ガス(LNG)の輸入を独占してきましたが、2020年には政府が化天然ガス(LNG)輸入自由化を打ち出し、民間の発電会社が参入しています。
そのような背景の下、今回の規則及び告示が発出されました。
「エネルギー規制委員会規則 エネルギー関連サービス提供における市場とその範囲の定義 仏暦2565年(西暦2022年)」
この規制は、支配的権力を持つライセンス保有エネルギー事業者の市場独占や競争減少・競争制限を防ぎ、かつ不公平さが生じないようにするための่市場競争状況の評価と事前措置の策定を目的として制定されたもので、エネルギー規制委員会がエネルギー関連事業市場とその範囲を定義することを定めています。また、この規則の巻末に添付されているエネルギー関連事業の定義は以下の通りです。
■電気事業
・発電
・送電システムサービス
・配電システムサービス
・配電サービス
・電気システム管理サービス
■天然ガス事業
・天然ガスパイプラインによる天然ガス輸送サービス
・天然ガス調達及び卸販売サービス(天然ガス調達所から天然ガス分配システムを通じて天然ガス供給ポイントで購入者に卸販売)
・天然ガス小売販売サービス(天然ガス調達所から天然ガス分配システムを通じて天然ガス供給ポイントで購入者に小売販売)
・天然ガスの貯蔵、及び液化ガスから気化ガスへの転換サービス
「エネルギー規制委員会規則 市場において支配的権力を持つ事業者の原則 仏暦2565年(西暦2022年)」
この規則はエネルギーサービス市場の独占、競争減少・競争制限となる行いに対する評価を明確にすることを目的としています。また、下記項目を実行することのできるライセンス事業者を「支配的権力を持つ事業者」と規定し、その評価対象事項を細かく定めています。
※「支配的権力を持つ事業者」とは:
①市場競争の้発生を抑制できる事業者
②他の事業者、消費者に先がけて製品の価格、量、特性、品質を自由に定めることができる事業者
「エネルギー規制委員会規則 エネルギーサービス事業における独占、競争減少・競争制限となるような行いに対する評価のガイドライン 仏暦2565年(西暦2022年)」
この規則は
①公正で自由な競争の原則に従い、エネルギー事業市場の独占、競争減少・競争制限となるような行いを防止すること
②エネルギー事業市場において競争を生み出し、発展を促すこと
を目的として制定され、下記3つのセクションに分けてその詳細が記載されています。
1.エネルギー事業市場の独占、競争減少と競争制限をするような行いとは
2. 訴えと調査プロセスについて
3.特定措置とは
※評価、調査を経てエネルギー事業市場の独占、競争減少・競争制限となる行いであると判断された場合、その行いの中止や改善を目的に、エネルギー規制委員会がライセンス保有者もしくは事業者に対し一定の期間内で委員会が定めたことを実行するように命令する等、特定措置を定めることがあるとしています。
「エネルギー規制委員会規則 エネルギー事業における事業合併、株式持ち合いのガイドライン 仏暦2565年(西暦2022年)」
この規則は「エネルギー規制委員会規則 エネルギーサービスにおける市場独占、競争減少・競争制限を生じる合併を禁ずるための原則の制定 仏暦2552年(西暦2009年)」を廃止、現在の状況に適した新たなガイドラインを新たに制定したもので、下記4つのセクションとひとつの付記により構成されています。
1.合併、株式持ち合い申請と初期段階の相談について
2.申請された合併、株式持ち合いが市場競争、エネルギー使用者、エネルギーの安全性及びその他の公共利益に影響すると見なされたケースの審議について
3.合併、株式持ち合い後の検査について
4.仮規定
付記:独立系コンサルティング会社の資格
「エネルギー規制委員会告示 エネルギー事業ライセンスに基づく権利の譲渡に関するガイドライン 仏暦2565年(西暦2022年)」
「エネルギー規制委員会告示 エネルギー事業ライセンスに基づく権利の譲渡に関するガイドライン 仏暦2552年(西暦2009年)」を廃止、新たにその権利を全面的、もしくは部分的に他者に譲渡する際のガイドラインを制定したものとなっており、下記5つのセクションとひとつの付記により構成されています。
1. ライセンスに基づく権利譲渡の申請と初期段階の相談について
2. 申請された権利の譲渡が市場競争、エネルギー使用者、エネルギーの安全性及びその他の公共利益に影響しないと見なされたケースの審議について
3. 申請された権利の譲渡が市場競争、エネルギー使用者、エネルギーの安全性及びその他の公共利益に影響すると見なされたケースの審議について
4. ライセンスに基づく権利譲渡後の検査について
5. 仮規定
付記:独立系コンサルティング会社の資格
各関連事業者はこの告示にご留意ください。
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