宇宙経済、宇宙産業の活性化に向けて
2024年03月01日から03月15日まで、中央システム(Law Portal)上で宇宙事業法草案に対するパブリック・コメントが募集されました。
パブリック・コメント募集の背景
2024年03月現在、タイは独自の通信衛星や探査衛星を有しており「宇宙条約」および「宇宙救済返還協定」の批准国となっています。また「宇宙損害責任条約」と「宇宙物体登録条約」については批准国となる準備を進めている段階ですが、一方で未だ宇宙事業に係る計画や方針を策定する中央機関や法律がなく、宇宙事業開発への支援を目的とした統合開発や管理も成されていない状況にあります。
しかしながら段階的に準備を進めており、宇宙的戦略を進める責任を負う役割を持つ機関を持つこと、官民セクターが適切に宇宙開発事業の開発に着手できるよう支援するメカニズムを持つことを目的とし、2021年07月13日に宇宙事業法草案を原則承認する閣議決定がなされました。今回はこの宇宙事業法草案に対するパブリック・コメントの募集を行ったものです。
宇宙事業法草案の主な綱目
この草案は「宇宙条約」および「宇宙救済返還協定」の内容に基づき10章140条から成り、国際競争力のある新産業と成り得る宇宙経済、宇宙産業を活性化するために作られたものです。また、国際義務に基づく国民の生命や健康、宇宙飛行士の安全の確保、宇宙物体の落下による事故が発生した場合の関係機関へのガイドラインを含んだ内容となっています。
主な綱目は以下の通りです。
第Ⅰ章: 国家宇宙方針委員会(第6条-第25条)
第Ⅱ章: 国家宇宙方針委員会事務局(第26条-第47条)
第Ⅲ章: 宇宙事業促進基金
第1節:基金の設立(第48条-50条)
第2節:基金の運営(第51条-第55条)
第Ⅳ章: 宇宙物体の登録(第51条-第70条)
第Ⅴ章: 宇宙物体を運ぶ運搬具(第71条-第88条)
第Ⅵ章: 宇宙物体落下事故の調査、宇宙飛行士の救済および落下した宇宙物体の処理(第89条-第97条)
第Ⅶ章:宇宙物体の落下や宇宙物体を運搬する運搬具の打ち上げによって生じた損害に対する責務
第1節:宇宙物体の落下および宇宙物体を運搬する運搬具の打ち上げにより引き起こされる第三者への損害に対する責務(第98条-第102条)
第2節: 宇宙物体の落下および宇宙物体を運搬する運搬具の打ち上げにより引き起こされる宇宙物質による被害に対する国際条約に則った責務(第103条-第117条)
第Ⅷ章: 担当専門官(第118条-第121条)
第Ⅸ章: 罰金措置(第122条-第126条)
第Ⅹ章: 刑事罰(第127条-第133条)
※経過規定 (第134-第140条)
宇宙活動をするための基本的な4つの条約について
上述においてタイが批准国であるか、あるいは批准国となるための準備をしている、宇宙活動をするための基本的な4つの条約は以下の通りです。
▪宇宙条約
正式名を「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約:Treaty on Principles Governing the Activities of States in the Exploration and Use of Outer Space, including the Moon and Other Celestial Bodies」といい、1967年に制定宇宙空間の探査や利用に関する国家活動の基本的原則を定めた条約で、宇宙の憲法とも言われるものです。1967年に発効となり、現在、日本やタイを含み100カ国以上が批准しています。
▪宇宙救助返還協定
正式名を「宇宙飛行士の救助及び送還並びに宇宙空間に打ち上げられた物体の返還に関する協定:agreement on the Rescue of Astronauts, the Return of Astronauts and the Return of Objects Launched into Outer Space」といい、1968年に発効となったものです。宇宙飛行士が遭難、緊急着陸等をした場合における宇宙飛行士に対する援助の提供と迅速かつ安全な送還、そして物体の返還について定めた条約です。
▪宇宙損害責任条約
正式名を「宇宙物体により引き起こされる損害についての国際的責任に関する条約Convention on International Liability for Damage Caused by Space Objects」といい、1972年に発効となったもので、宇宙物体が原因となり引き起こされる損害に対する国際的な賠償責任について定めた多国間条約です。
▪宇宙物体登録条約
正式名を「宇宙空間に打ち上げられた物体の登録に関する条約:Convention on the Registration of Objects Launched into Outer Space」といい、1975年に発効となったものです。
宇宙空間に打ち上げられた物体(宇宙物体)の識別を目的とし、物体の打ち上げ国に対する然るべき登録簿への記載等を定めた条約となっています。
参考情報
「宇宙事業法草案に対するパブリック・コメント募集」(募集期間は2024年03月1日から03月15日まで)
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