偽有害物質であるとみなされる重要成分量について定めたもの
2024年06月12日、保健省は食品医薬品事務局(FDA, Food and Drug Administration)主管の有害物質において、偽の有害物質であるとみなされる重要成分の量を規定した告示を官報公布しました。この告示は官報公布日翌日である2024年06月13日より発効となっています。
この告示における”有害物質”とは
この告示における”有害物質”とは有害物質リスト上でFDAが主管する有害物質を指すものです。タイにおける有害物質リストは2022年に発出された第7版が最新となっています。
有害物質法および有害物質リストについて
有害物質法とは1992年に制定されたタイにおける有害化学品管理の核となる法律です。有害物質の製造、輸入、輸出、保管という全ての活動を規制、管理したもので、第18条ではその有害性レベルに応じて有害物質を4つ種類に分類しその手続きを規定(下記、表1)。また、人間、動植物および環境資源に対する危険を防御、抑制するために工業大臣が委員会の助言を受け、有害物質の名前・性質・分類および有害物質を主管する機関名を官報上で公表する権限を持つことを規定しています。
有害物質リストとはこれに基づき工業省が公表しているもので、上述の通り2024年07月13日現在、第7版が最新となっています。その性質ごとに求められる管理法が異なるため、有害化学物質は主管部門別(下記、表2.)に6つのリストに分けられ、物質名、CAS番号そして表1.の有害物質の種別が記載されています。
またそれぞれの物質を管理するためのさらなる詳細は下位法令(省告示、局告示等)で規定されています。
表1:有害物質の種別と義務付けされている手続き
| 有害物質の種別 | 義務付けされている手続き |
| 第1種 | ▪生産・輸出入・所有の事前届出 ▪指定された規則、手続の遵守 |
| 第2種 | ▪生産・輸出入・所有の事前届出 ▪製品の登録 ▪指定された規則、手続きの遵守 |
| 第3種 | ▪生産・輸出入・所有の事前届出 ▪製品の登録とその許可 ▪指定された規則、手続きの遵守 |
| 第4種 | ▪生産・輸出入・所有全てを禁止 |
表2:タイにおける有害物質管理に関わる主管機関
| 主管機関 |
| 工業省工場局(DIW, Department of Industrial Works) |
| 農業・協同組合省農業局(DOA, Department of Agriculture ) |
| 農業・協同組合省水産局(DOF, Department of Fisheries) |
| 農業・協同組合省畜産振興局(DLD, Department of Livestock Development) |
| 保健省食品医薬品委員会事務局(FDA,Food and Drug Administration) |
| エネルギー省エネルギー事業局(DOEB, Department of Energy Business) |
この告示の内容
この告示では有害物質リスト上でFDAが主管する有害物質のうち、重要成分となる有害物質の量が้保健省が規定した最高閾値を20%以上超える、もしくは最低閾値を20%以上下回るものに関しては偽の有害物質であると判断される旨が規定されています。
この告示の根拠となる法令
この告示は「仏暦2535年(西暦1992年)有害物質法」第5条 第3段および第47条(5)の権限に基づき保健大臣が2024年02月23日に開催された第3-1/2567回会議上で有害物質委員会の助言を受け発出したものです。
参考情報
「保健省告示 食品医薬品事務局主管の有害物質のうち、偽の有害物質とみなされる重要成分量の規定」2024年06月12日官報公布、翌日06月13日発効(2024年05月20日発出)
「工業省告示 有害物質リスト(第7版)仏暦2565年(西暦2022年)」2022年12月21日官報公布
「保健省告示 食品医薬品事務局主管の有害物質における重要成分量の規定による閾値基準の規定」2012年07月05日官報公布
「保健省告示 食品医薬品事務局主管の有害物質における重要成分量の規定による閾値基準の規定 第2号」2015年05月12日官報公布
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