米国|PIP(3:1)成形品規制要件の遵守期日を2024年10月31日まで延長する改正規則公布

PIP(3:1)成形品規制の遵守期日は2024年10月31日に延長

2022年03月08日、米国官報にて「リン酸トリス(イソプロピルフェニル)」、通称「PIP(3:1)」に係る有害物質規制法(TSCA)第6条に基づく規則の一部を改正する規則が公示されました。これにより、2022年03月08日に遵守期日が設定されていた「成形品に使用するためのPIP(3:1)およびPIP(3:1)を含む成形品」の加工及び商業的流通の禁止要件、ならびに関連する記録保持要件の遵守期日が、2024年10月31日まで約2年半延長されることとなりました。本改正規則は公示当日(03月08日)に発効していますが、司法審査の関係で正式な公布日は2022年03月22日となるとされています。

改正規則

■ Regulation of Persistent, Bioaccumulative, and Toxic Chemicals Under TSCA Section 6(h); Phenol, Isopropylated Phosphate (3:1); Further Compliance Date Extension

改正内容

連邦規則集 第40編 パート751 §751.407 PIP(3:1) を改正

禁止要件に係る改正

■ (a)(2)(iii)の「2022年03月08日」を削除し、「2024年10月31日」を追加(=置き換える)

(1)総則

本条の(a)(2)および(b)に規定されている場合を除き、すべての者は、2021年3月8日以降、PIP(3:1)含有製品または成形品を含め、PIP(3:1)のすべての加工および商業的流通が禁止される。

(2)PIP(3:1)およびPIP(3:1)含有製品あるいは成形品の特定用途に関する段階的禁止事項

(中略)

(iii)2022年03月08日以降、本条の(a)(2)(ii)および(b)で規定されている場合を除き、すべての者は、成形品に使用するためのPIP(3:1)およびPIP(3:1)を含む成形品のすべての加工および商業的流通を禁止となる。

 

(1)総則

本条の(a)(2)および(b)に規定されている場合を除き、すべての者は、2021年3月8日以降、PIP(3:1)含有製品または成形品を含め、PIP(3:1)のすべての加工および商業的流通が禁止される。

(2)PIP(3:1)およびPIP(3:1)含有製品あるいは成形品の特定用途に関する段階的禁止事項

(中略)

(iii)2024年10月31日以降、本条の(a)(2)(ii)および(b)で規定されている場合を除き、すべての者は、成形品に使用するためのPIP(3:1)およびPIP(3:1)を含む成形品のすべての加工および商業的流通を禁止となる。

記録要件に係る改正

■ (d)(4)の「2022年03月08日」を削除し、「2024年10月31日」を追加(=置き換える)

(d)記録

(1)2021年3月8日以降、PIP(3:1)またはPIP(3:1)含有製品または成形品を製造、加工、または商業的に流通させる者は、本条の禁止事項、制限事項、およびその他の条項の遵守に関連して、請求書や見積書などの通常の業務記録を保持しなければならない。これらの記録は、記録が作成された日から3年間保持されなければならない。

(2)これらの記録には、PIP(3:1)またはPIP(3:1)を含む製品又は成形品が40 CFR 751.407(a)に準拠している旨の記述が含まれていなければならない。

(3)これらの記録は、要求に応じて30暦日以内にEPAに提供されなければならない。

(4)本項(d)(1)の記録保持要件は、本条(b)(1)(vi)および(vii)に記載されている活動には適用されない。また、本項(d)の記録保持要件は、2022年3月8日まではPIP(3:1)を含む成形品にも適用されない。

(d)記録

(1)2021年3月8日以降、PIP(3:1)またはPIP(3:1)含有製品または成形品を製造、加工、または商業的に流通させる者は、本条の禁止事項、制限事項、およびその他の条項の遵守に関連して、請求書や見積書などの通常の業務記録を保持しなければならない。これらの記録は、記録が作成された日から3年間保持されなければならない。

(2)これらの記録には、PIP(3:1)またはPIP(3:1)を含む製品又は成形品が40 CFR 751.407(a)に準拠している旨の記述が含まれていなければならない。

(3)これらの記録は、要求に応じて30暦日以内にEPAに提供されなければならない。

(4)本項(d)(1)の記録保持要件は、本条(b)(1)(vi)および(vii)に記載されている活動には適用されない。また、本項(d)の記録保持要件は、2024年10月31日まではPIP(3:1)を含む成形品にも適用されない。

川下への情報伝達要件に係る改正

■ (e)(3)(i)から(iii)を改正 ※本改正項目は今回の改正に繋がった2021年10月28日の改正規則の案にはなかった点ですのでご注意ください。

(e) 川下への通知

(1) 2021年3月8日以降、あらゆる用途についてPIP(3:1)を製造する各人は、出荷前または出荷と同時に、PIP(3:1)の送付先となる者に、本サブパートに記載された制限事項を書面で通知しなければならない。
 
(2) 2021年7月6日以降、あらゆる用途についてPIP(3:1)またはPIP(3:1)含有製品を加工したり、商業的に流通させたりする各人は、出荷前または出荷と同時に、PIP(3:1) の送付先となる者に、本サブパートに記載されている制限事項を書面で通知しなければならない。
 
(3) 通知は、安全データシート(SDS)に(e)(3)(i)および(e)(3)(ii)における文言を挿入するか、PIP(3:1)またはPIP(3:1)含有製品のラベルに段落(e)(3)(iii)における文言を記載することによって行わなければならない:

(i) SDSセクション1.(c):「環境保護庁は、化学品/製品を以下の用途以外で加工および流通させることを禁止している:(1) 米国国防総省の仕様要件を満たす代替化学品が入手できない場合に、航空産業用途または安全性と性能に関する軍事仕様を満たすための油圧作動油、(2)潤滑剤およびグリース、(3)自動車および航空宇宙車両の新規部品または交換部品、(4)シアノアクリレート接着剤の製造における中間体用途、(5)機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター用途、そして(6)2025 年 1 月 6 日までは接着剤および封止剤用途。その日付以降は接着剤および封止剤への使用が禁止される。さらに、すべての者は、製造、加工および商業的流通の過程においてPIP(3:1)を水域に放出することを禁止されており、PIP(3:1)の商業的使用中に、PIP(3:1)の水域への放出を防止するために、既存のすべての規則とベストプラクティスに従わなければならない」;そして

(ii) SDSセクション15:「環境保護庁は、化学品/製品を以下の用途以外で加工および流通させることを禁止している:(1) 米国国防総省の仕様要件を満たす代替化学品が入手できない場合に、航空産業用途または安全性と性能に関する軍事仕様を満たすための油圧作動油、(2)潤滑剤およびグリース、(3)自動車および航空宇宙車両の新規部品または交換部品、(4)シアノアクリレート接着剤の製造における中間体用途、(5)機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター用途、そして(6)2025 年 1 月 6 日までは接着剤および封止剤用途。その日付以降は接着剤および封止剤への使用が禁止される。さらに、すべての者は、製造、加工および商業的流通の過程においてPIP(3:1)を水域に放出することを禁止されており、PIP(3:1)の商業的使用中に、PIP(3:1)の水域への放出を防止するために、既存のすべての規則とベストプラクティスに従わなければならない」

(iii) ラベル表示:「環境保護庁は、化学品/製品を以下の用途以外で加工および流通させることを禁止している:(1) 米国国防総省の仕様要件を満たす代替化学品が入手できない場合に、航空産業用途または安全性と性能に関する軍事仕様を満たすための油圧作動油、(2)潤滑剤およびグリース、(3)自動車および航空宇宙車両の新規部品または交換部品、(4)シアノアクリレート接着剤の製造における中間体用途、(5)機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター用途、そして(6)2025 年 1 月 6 日までは接着剤および封止剤用途。その日付以降は接着剤および封止剤への使用が禁止される。さらに、すべての者は、製造、加工および商業的流通の過程においてPIP(3:1)を水域に放出することを禁止されており、PIP(3:1)の商業的使用中に、PIP(3:1)の水域への放出を防止するために、既存のすべての規則とベストプラクティスに従わなければならない」

(iv) (略)

 

(e) 川下への通知

(1) 2021年3月8日以降、あらゆる用途についてPIP(3:1)を製造する各人は、出荷前または出荷と同時に、PIP(3:1)の送付先となる者に、本サブパートに記載された制限事項を書面で通知しなければならない。
 
(2) 2021年7月6日以降、あらゆる用途についてPIP(3:1)またはPIP(3:1)含有製品を加工したり、商業的に流通させたりする各人は、出荷前または出荷と同時に、PIP(3:1) の送付先となる者に、本サブパートに記載されている制限事項を書面で通知しなければならない。
 
(3) 通知は、安全データシート(SDS)に(e)(3)(i)および(e)(3)(ii)における文言を挿入するか、PIP(3:1)またはPIP(3:1)含有製品のラベルに段落(e)(3)(iii)における文言を記載することによって行わなければならない:

(i) SDSセクション1.(c):「環境保護庁は、化学品/製品を以下の用途以外で加工および流通させることを禁止している:(1) 米国国防総省の仕様要件を満たす代替化学品が入手できない場合に、航空産業用途または安全性と性能に関する軍事仕様を満たすための油圧作動油、(2)潤滑剤およびグリース、(3)自動車および航空宇宙車両の新規部品または交換部品、(4)シアノアクリレート接着剤の製造における中間体用途、(5)機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター用途、(6)2025 年 1 月 6 日までは接着剤および封止剤用途。その日付以降は接着剤および封止剤への使用が禁止される。そして(7)2024年10月31日まではその他の成形品用途。その日付以降は自動車および航空宇宙産業用の新品または交換部品、機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター以外の成形品での使用は禁止される。さらに、すべての者は、製造、加工および商業的流通の過程においてPIP(3:1)を水域に放出することを禁止されており、PIP(3:1)の商業的使用中に、PIP(3:1)の水域への放出を防止するために、既存のすべての規則とベストプラクティスに従わなければならない」;そして

(ii) SDSセクション15:「環境保護庁は、化学品/製品を以下の用途以外で加工および流通させることを禁止している:(1) 米国国防総省の仕様要件を満たす代替化学品が入手できない場合に、航空産業用途または安全性と性能に関する軍事仕様を満たすための油圧作動油、(2)潤滑剤およびグリース、(3)自動車および航空宇宙車両の新規部品または交換部品、(4)シアノアクリレート接着剤の製造における中間体用途、(5)機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター用途、そして(6)2025 年 1 月 6 日までは接着剤および封止剤用途。その日付以降は接着剤および封止剤への使用が禁止される。そして(7)2024年10月31日まではその他の成形品用途。その日付以降は自動車および航空宇宙産業用の新品または交換部品、機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター以外の成形品での使用は禁止される。さらに、すべての者は、製造、加工および商業的流通の過程においてPIP(3:1)を水域に放出することを禁止されており、PIP(3:1)の商業的使用中に、PIP(3:1)の水域への放出を防止するために、既存のすべての規則とベストプラクティスに従わなければならない」

(iii) ラベル表示:「環境保護庁は、化学品/製品を以下の用途以外で加工および流通させることを禁止している:(1) 米国国防総省の仕様要件を満たす代替化学品が入手できない場合に、航空産業用途または安全性と性能に関する軍事仕様を満たすための油圧作動油、(2)潤滑剤およびグリース、(3)自動車および航空宇宙車両の新規部品または交換部品、(4)シアノアクリレート接着剤の製造における中間体用途、(5)機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター用途、(6)2025 年 1 月 6 日までは接着剤および封止剤用途。その日付以降は接着剤および封止剤への使用が禁止される。そして(7)2024年10月31日まではその他の成形品用途。その日付以降は自動車および航空宇宙産業用の新品または交換部品、機関車および船舶用の特殊エンジンエアフィルター以外の成形品での使用は禁止される。さらに、すべての者は、製造、加工および商業的流通の過程においてPIP(3:1)を水域に放出することを禁止されており、PIP(3:1)の商業的使用中に、PIP(3:1)の水域への放出を防止するために、既存のすべての規則とベストプラクティスに従わなければならない」

(iv) (略)

背景

■ 2021年01月06日 PIP(3:1)規則 公布
■ 2021年03月08日 禁止事項等の遵守期日 ⇒ 一部の要件遵守について、同日、EPAがノーアクション保証の覚書を公表
■ 2021年09月17日 PIP(3:1)改正規則 公布 ⇒ 遵守期日再延長のための暫定延長として2022年03月08日まで成形品関連要件の遵守期日を延長
■ 2021年10月28日 PIP(3:1)改正規則案 公表・意見募集 ⇒ 2024年10月31日まで成形品関連要件の遵守期日を延長する案を公表
■ 2022年03月08日 PIP(3:1)改正規則 公布 ⇒ 成形品関連の遵守期日を2024年10月31日まで延長

EPAと産業界

産業界の声(一例)

■ 業界関係者の多くは、本提案で言及されている遵守日は、商業ベースでの加工・流通の禁止に対する遵守日ではなく、「製造日(”manufactured-by” date)」であるべきだと主張。消費財メーカーやEPAは、多くの場合成形品に記載されているロット番号やシリアル番号 などの固有の製品識別子に基づき「製造日」を確認できるため、この方法を用いてより容易に準拠を判断できると言及。「製造日」の遵守日がない場合、小売業者は商品が適合しているかどうか、すなわち、PIP(3:1)を含んでいないかどうかを判断することができないことを指摘。
■ 「輸入日(”imported-by” date)」は、主にCOVID-19の流行によって悪化したプロセスと出荷に関連する輸入遅延の可能性のために、業界にとって課題をもたらすかもしれないが、商業的流通に関連する遵守日よりも扱いやすい点を指摘。国内で生産された成形品については「製造日」、海外で生産された成形品については「輸入日」であるべきだという意見も。
■ 商取引における流通は、EPAにより非常に広く解釈されており、同一事業者内および その関連会社や子会社の施設間であっても、場合によっては規制対象製品のあらゆる移動を含むため、商取引における流通の禁止は実行不可能であると指摘。
■ 複数の意見者は、3年間の “sell-through “期日が適切であると言及。小売業を代表する意見者は、電子製品の小売業者から提供されたより詳細な情報に基づき、必要な期間は最低限18ヶ月と指摘。
■ 業界関係者の多くは、2021年1月の最終規則の規定が一部の種類の交換部品にのみ適用されることに懸念を提示。HVACRや給湯器は50年以上という長期間にわたって安全に稼働し続けることができ、多くの場合、建物はそうした機器を中心に設計・建設されているため、交換が困難であると指摘。修理や交換のための部品やパーツは、製造者の倉庫に10年以上保管される可能性があることも指摘された。
■ ある世代の電子完成品から次の世代に移行する際、保証請求に必要なスペアパーツの在庫を確保するために、第一世代のスペアパーツを供給者から”Last Time Buy “で購入すると説明。この “Last Time Buy “の後、これらの部品の製造に必要な金型は廃棄されるという。さらに、PIP (3:1)を含むスペアパーツや交換部品は、提案された2024年10月の遵守期日をはるかに超えて在庫されることが予想されるが、「製造日」アプローチによってこの問題が解決されると指摘。
■ 多くの意見提出者は、特に成形品におけるPIP(3:1)規制の最低基準値を設定するようEPAに提言。
■ 材料申告のプロセスが曖昧であるために、そのプロセスに非常に時間がかかり、各サプライヤーのプロセスに数ヶ月を追加することになるという主張も。また、他の意見では、微量な汚染の可能性と、そのような汚染を制御することの困難について懸念を表明。閾値がない場合、検出限界まで検査しなければならないため、高い費用がかかるという指摘も。
■ 川下への情報伝達要件についても、PIP(3:1)を含む成形品の加工と配布の禁止に対する遵守日 とともに延長されるかどうかを明確にするようEPAに要望する意見あり。

EPAの反応(一例)

■ EPAは、サプライチェーン内の成形品にPIP(3:1)が存在するか否か、またどこに存在するかを判断すること、PIP(3:1)含有成形品を貿易経路から排除するのに要する時間、サプライチェーン内の成形品からPIP(3:1)を段階的に排除するのに必要な手順など、これらの意見者が述べた課題を概ね認識している。(※この点は規則案段階から言及あり)

■ PIP(3:1)への曝露を可能な限り低減するという観点から、「製造日」の有用性と欠点、成形品が取引経路を通過するために必要な時間、交換部品に対する規則の適用、および最低基準値に関するパブリックコメントを要請する予定

■ 川下への情報伝達義務に関する説明の要請について、EPAは、本最終規則におけるPIP(3:1)含有成形品の情報伝達の遵守日延長と整合するように、川下への情報伝達義務の遵守日を延長していない。川下への情報伝達要件は、PIP(3:1)およびPIP(3:1)を含む混合物(製品)のみに適用され、PIP(3:1)を含む成形品には適用されない。しかし、EPAは遵守期日の延長に伴い、必要とされる川下への情報伝達文言を適合させる。

当社からの推奨事項

■ 2021年10月の規則案には記載がなかった「川下への情報伝達要件」の改正がある点にご注意ください。

■ 産業界から意見として提示された「製造日」の有用性と欠点、成形品が取引経路を通過するために必要な時間、交換部品に対する規則の適用、および最低基準値等について、EPAは再度、意見を募集する意向とのことですので、意見の提出を検討する企業様は、今からエビデンスやロジックを含め、意見の準備に取り掛かることを推奨いたします。

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