米国の災害に対応する法案を超党派で下院に提案
2023年6月22日、米国議会下院の科学宇宙技術委員会は、全国の緊急事態や災害に対して迅速かつ効率的に対応するための3つの超党派法案を、最終審議(Markup)において全委員の賛成によって可決しました。ここでは「背景」「内容」について記事になっています。
背景
米国では近年気候変動などにより山火事や洪水などの災害が増え、米国の住民と地域のインフラが突然、危機的状況に陥ることがある、考えられています。そのため、消防士や消防・医療活動の支援プログラムが必要と考えられています。
2021年6月24日に、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミ近郊のサーフサイドで12階建てのコンドミニアム「チャンプレイン・タワーズ・サウス」が崩落した事故(Surfside condominium building collapse)がありました。最終的に98人が死亡し11人が負傷したこの事故は、一部報道でコンクリートの劣化が原因で起こったと言われていますが、現在もその原因の調査活動がおこなわれています。
現在の規則では、このような大きな建物や道路、橋、ダムの崩壊が起こった場合、建物の調査は行われますが関連して影響が及んでしまうインフラの調査は行われません。
内容
下院の科学宇宙技術委員会(House Committee on Science, Space, and Technology)は、以下の法律に対する改正案を可決しました。
- HR 369:NISTワイルドランド火災通信および情報普及法
国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology、NIST)に、荒野(Wildland、ワイルドランド)の消防士と火災管理対応担当者の間の公共安全通信調整基準に関する研究を実施する必要を提案しています。農村部や部族地域の荒野での消防活動は、限られた通信手段しかない場合が多く、消防士が山火事に対応する際に使用する強力な通信システムの構築を支援します。
- HR 4090:2023年の消防助成金および安全法
米国消防庁(U.S. Fire Administration、USFA)が実施する、消防士支援プログラム(Assistance to Firefighters、AFG)と十分な消防・緊急対応のための人員確保プログラム(Staffing for Adequate Fire and Emergency Response、SAFER)について、5年間の再承認を提案しています。消防士支援プログラムは、トレーニングや設備、施設のアップグレード、車両の購入を通じて、地域の消防士やその他の緊急対応者を直接サポートしています。
SAFERプログラムは、地域の消防署へ人材確保や訓練支援を行い、消防署が緊急事態に対応できるようにサポートしています。これらのプログラムの承認は2023年9月30日に有効期限が切れてしまうため、今回は全国の消防署が緊急事態に対し適切に対応するための必要なトレーニングと設備を継続的に確保できるようにする措置を提案しています。
- HR 4143:2023年の国家建設安全チーム法(National Construction Safety Team Act、NCST)
現在のNCST法を更新して、建物以外のインフラおよび関連する構造物の故障を調査できるように安全チームの権限を拡大します。インフラおよび関連する構造物には、堤防、歩道橋、米国のコミュニティの安全性と回復力に大きな影響を与えるその他の構造物が含まれ、その劣化状態の調査まで権限が拡大されます。これにより、将来的な建造物の設計や崩壊後の対策の改善に貢献し、将来の大惨事を回避し人命保護に役立つと考えられます。
今回の法案は、民主党フランク・ルーカス議長(オクラホマ州)とランキングメンバー(委員会における野党側のリーダー)である共和党ゾーイ・ロフグレン議員(カリフォルニア州)、そして両党の議員に賛同され、共同で提案された超党派法案です。この法案は、今後下院議会に送られて審議される予定です。
参考
科学宇宙技術委員会、安全基準を改善する3つの超党派法案を可決
https://science.house.gov/press-releases?ID=14409CB4-F0AA-4B0E-9764-26A6D23E087A
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