2023.08.04
米国|ポータブル燃料容器安全法に基づくASTM規格の更新に関する通知
ASTM F3429/F3429M–23の内容に関するコメントの募集
2023年6月23日、米国消費者製品安全委員会(CPSC)は、ポータブル燃料容器に関する基準「ASTM F3429/F3429M–23」がポータブル燃料容器安全法(PFCSA)の要件を満たしているのかどうかについてその要旨を通知し意見募集を行いました。
ASTM F3429/F3429M–20は2023年1月にPFCSAに取り入れられることが決定していましたが、しかしその後にASTMインターナショナル (ASTM International) によって改定されていました。この改定のため、今回コメントの募集をおこなっています。ここでは「背景」「内容」について記事になっています。
背景
ASTMインターナショナル(ASTM International)は、世界最大・民間・非営利の国際標準化・規格 設定機関で、工業規格のASTM規格という自主規格を設定・発行しています。
消費者製品安全委員会(Consumer Product Safety Commission、CPSC)は、米国の米国消費者製品安全法(Consumer Product Safety Act)に基づき設立された、法的権限を持つ大統領直属の独立政府機関です。
主に家電製品や子供用品などについて各種ガイドラインを作成し、リコールや改修の監査、契約の正当性、品質や機能の担保を行うことで、消費者の利権を確保しリスクから保護する事が業務となっています。また輸入製品に対する安全基準や規格(CPSC規格)の策定、リコールや改修の勧告も行い、しばしば米国内の議会、産業、消費者に配慮した政治的判断を下すことがあります。
そのため、CPSCは近年ソフトウェア産業や電子デバイス、デジタルコンテンツ市場への輸出入品の増大により存在感を増している一方、予算不足のため特に中国製品の安全性問題に対応できていないと批判されてもいます。
ポータブル燃料容器安全法(Portable Fuel Container Safety Act、PFCSA)は、消費者製品安全委員会に対し、容器内への火炎の伝播を妨げる火炎緩和装置をポータブル(携帯用)燃料容器に設置することを義務付ける最終規則を公布するよう求めています。
ただし、
①容器内への火炎の伝播を妨げる容器の火炎緩和装置の自主規格があり
②その自主規格がPFCSAの制定日から18ヶ月以内に発効(または発効予定)し
③その内容がASTMまたはCPSCが認めたその他の規格開発組織によって開発された自主規格であること
の3つの条件がそろったときには、最終規則をCPSCが公布する必要はないとされています。一方で、適用される自主規格に関する委員会の決定は、連邦官報に掲載されなければならないとし、このような自主規格の要件は、「消費者製品安全規則として扱われるもの」とされています。
以上の背景の下、2023年1月13日、CPSCは、ポータブル燃料容器に関する以下3つの自主規格がPFCSAの要件を満たし、消費者製品安全規則として取り扱われることを決定する文書を公表しました:ASTM F3429/F3429M-20(プレフィルド(充填済み)容器、prefilled containers)、ASTM F3326-21(空容器の販売)、UL 30:2022の第18項(安全缶)。
この中の、ASTM F3429/F3429M「使い捨て可燃性液体容器に設置される火炎緩和装置の性能に関する標準仕様」は充填済みポータブル燃料容器を適用範囲に含んでいます。ちなみに、この規格は、ASTM F3429でインチポンド記載が、F3429Mでメートル法記記載が採用されているデュアルスタンダード(二重規格)となっています。
その後2023年5月にASTMは、ASTM F3429/F3429M-20の改訂版であるASTM F3429/F3429M-23を改定・発行しました。2023年6月12日、ASTMは、ASTM F3429/F3429M-23が発行されたことをCPSCに通知していました。
内容
消費者製品安全規則として取り扱われていたF3429/F3429Mが2023年度版(F3429/F3429M-23)に改訂され、通知されたことを受け、CPSCは今回の改訂がPFCSAの要件を満たしているかどうかについて意見を求めています。
今後CPSC はコメントを参考に、ASTM F3429/F3429M-23を消費者製品安全規則として取り扱えるかどうかについて検討する予定です。コメントは2023年7月7日まで募集されています。CPSCは通知を受け取ってから90日以内に自主規格の採用に対する判断が求められているため、この締め切り以降に提出されたコメントに関しては対応不可能としています。
参考
ポータブル燃料容器安全法に基づくASTM規格の更新に関する通知
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