米国|DOE、クリーンエネルギー技術やそのサプライチェーンの安全性を評価する2023年重要材料アセスメントを発表
クリーンエネルギーで用いられる重要材料リストとその評価内容を最終決定
2023年07月31日、米国エネルギー省(DOE)は、リチウムやコバルトといった様々な製品に必要となる材料の重要度を評価した2023年の重要材料アセスメントを発表しました。また、この評価に基づいて、DOEはクリーンエネルギー固有に重要度を示した「2023年DOE臨界材料リスト(Critical Materials List)」を決定しました。DOE臨界材料リストでは、DOEが優先する各材料の研究や開発に加え商業化についてのプログラム(RDD&CA)や税額控除の適格性について通知されています。
背景
米国エネルギー省(Department of Energy、DOE)のエネルギー効率・再生可能エネルギー局(Energy Efficiency and Renewable Energy、EERE)は、米国がクリーンエネルギーの利用へ移行を続ける中、ソーラーパネル、風力タービン、パワーエレクトロニクス(電力変換技術)、照明、電気自動車など、有望なクリーンエネルギーの生成、送電、貯蔵、最終用途技術を製造するために重要な材料やそのサプライチェーン(供給網)を考慮することが必要であると考えています。必要な材料の重要度を現段階で特定することで、材料の量やサプライチェーンへの依存度を軽減し、今後数十年にわたるクリーンエネルギーが可能にする未来を安定にする考えです。しかし、重要な材料およびそれを使ったクリーンエネルギー利用の技術市場は地球規模であるため、各材料や技術のアセスメント(評価)も地球規模で行い、さらにその中でDOEは米国の国内利益を考えなければなりません。そこで、DOEは2023年にこの重要材料アセスメントを行い、この「2023年DOE臨界材料リスト」を決定しています。つまり、今後DOEはこれら評価とそこからの考察に基づいて、重要な材料ごとに不足のリスクに対処するための統合戦略を行っていくことになります。
今回の重要材料アセスメントは、DOEによって最初に発表された「2010年重要材料戦略レポート(Critical Materials Strategy reports)」での評価情報の更新になっています。このアセスメントは、国内務省の代理として米国地質調査所(U.S. Geological Survey、USGS)が実施したものなど、米国政府が実施した他の臨界性評価を補完する分析として位置づけられ、DOEが2022年02月に発表したクリーンエネルギー・サプライチェーン・レポート(Clean Energy Supply Chain Reports)を元としています。またこのアセスメントは、EEREの先端材料製造技術オフィス(Advanced Materials and Manufacturing Technologies Off、AMMTO)によって管理および資金提供が行われ、DOE重要材料、材料科学とエネルギー技術チーム(DOE Critical Minerals and Materials Science and Energy Technology)と協議しながら、アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)とアイダホ国立研究所(Idaho National Laboratory)によって実施されました。
注目すべき内容
2023年07月31日、米国エネルギー省(DOE)は、世界のクリーンエネルギー技術のサプライチェーンに向けて材料の重要度を評価した2023年の重要材料アセスメントを発表しました。また評価の結果に基づいて、DOEは2035年までの各クリーンエネルギー、またはその技術における固有の重要および準臨界材料を示した「2023年DOE臨界材料リスト(Critical Materials List)」を決定しました。DOE臨界材料リストは、それぞれの材料の研究、開発、実証、および商業化アプリケーション(Research, Development, Demonstration, and Commercialization Application、RDD&CA)プログラムを含む横断的な事柄を通知することに加えて、インフレ抑制法に基づく税額控除の適格性についても通知しています。このアセスメントは、クリーンエネルギー技術に不可欠な、供給中断のリスクが高い重要材料に焦点を当てています。
評価リストでは、(太陽光電気に必要な)イリジウム、(軽量化に必要な)マグネシウム、(EVバッテリーに必要な)リン、(FCEVに必要な)プラチナ、(太陽光電気に必要な)テリリウム、(核融合に必要な)ウラニウムやジコニウム、(EVバッテリー、定置型蓄電池に必要な)アルミニウム、コバルト、フッ素やリチウム、(HVDCコンバーター、マイクロチップに必要な)ゲルマニウム、(太陽光電気、軽量化に必要な)シリコン、(EV磁石、風力タービン磁石に必要な)ネオジム、(EVバッテリーなどを持つ自動車、風力電気、電力網に必要な)銅、(自動車のモーター、転換器、風力電気に必要な方向性鋼、非方向性鋼、およびアモルファス鋼を含む)電磁鋼、(軽量化、EVバッテリー、定置型蓄電池に必要な)マンガン、(HVDC、EVバッテリー、定置型蓄電池に必要な)ニッケル、 (核融合、EVバッテリー、FCEV燃料セル、定置型蓄電池に必要な)天然グラファイト、(太陽光電気、LEDs、発電器、EV磁石、風力タービン磁石に必要な)ガリウムの報告がなされ、米国政府から見た各材料の短・中長期的な重要度が図で示されています。FCEVは燃料電池電気自動車、HVDCは高圧直流、LED = 発光ダイオードの略となっています。
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