米国|新規有害大気汚染物質(HAPs)の追加に関する規制要件の提案

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米国|新規有害大気汚染物質(HAPs)の追加に関する規制要件の提案

新たな化合物のHAPリストへの追加で影響を受ける大きな排出源

2023年09月13日、環境保護庁(EPA)は、大気汚染防止法(CAA)の有害大気汚染物質(HAP)リストに新たな化合物が追加されたことで、規則の適用性と法令遵守に問題が生じることを懸念して、有害大気汚染物質国家排出基準(NESHAP)の一般規定の改正を提案しました。この法案は、HAPリストに追加される汚染物質を排出する可能性がある施設に影響があります。この法案に関する意見は、2023年11月13日まで受け付けています。

背景

大気浄化法(Clean Air Act、CAA)の第112条(b)(3)では、汚染物質の追加または削除による有害大気汚染物質(Hazardous Air Pollutants、HAP)リストの変更を、何人も行政長官に請願できると規定しています。2022年01月05日、環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は1-bromopropane (1-BP、またはn-propyl bromide (nPB))をCAAのHAPリストに追加する最終規則を発表し、発効日は2022年02月04日としました。この追加は、1-BPをHAPとしてリストアップすることを求める請願書が理由となり、EPAが1-BPは排出量、環境中濃度、生物濃縮などの裏付け情報が十分であり、この物質がHAPであると判断した結果です。最終規則の公表に先立ち、EPAは、申し立てを許可する根拠となる通知案も公表していました。

一方で、EPAは1990年に議会が作成したHAPリストにHAPが追加されたのはこれが初めてであったことから、将来のリストへの追加に備える必要があると考えました。HAPリストは、一般からの請願、行政や議会からの措置や指令によって追加される可能性があります。そこで、EPAは、HAPリストに新たな物質が追加される際に起こりうる問題点について、特に新規HAPの届出が届出前に公布されたNESHAPに何らかの影響を及ぼすかどうかを、検討・評価していました。また、EPAは新規に指定されたHAPを排出する可能性がある施設に対して、当該施設が近隣地域に通知するための要件など、何らかの届出要件を設けるべきかどうかについても検討・評価していました。

注目すべき内容

今回EPAは以下のことを提案しています。

  • 新しいHAPを含む基準が公布されるまでの間は、新規HAPが現行のNESHAPにより影響されるような法規制は行わないことを提案しています。
  • 排出源となる施設は新規HAPの発効日に、施設の「可能性(potential to emit、PTE)算定」に新規HAPを含めることを提案しています。つまり、対象施設が新規HAPの内容を、HAPの主要排出源もしくはPTE算定に基づく地域排出源であるかの評価として、発効日から含めることを提案しています。これにより、主要排出源(Major Source Due to Listing、MSDL)となっている施設は、すでに排出源となっているユニット(部門)以外のユニットがさらにNESHAPの対象となるかどうかを評価する必要が出てきます。つまり、MSDL施設はすでに適用されているNESHAPの評価に加え、例えば産業用ボイラーやレシプロエンジンのNESHAPなど、別の複数のユニットを規制するNESHAPに適用するのかを新たに評価され、遵守する要件が決定されます。
  • 以上の決定により、MSDL施設は、新規NESHAP要件の適用が開始された場合、新たな許可証の変更を申請する必要が出てきます。初めて施設運転許可を求めるMSDL施設は、許可当局のプログラムと一致するすべての適用要件に対応する許可申請書を修正または提出する必要性が出てきます。

参考情報

新規HAP追加に関する規制要件

大気浄化法とは

大気浄化法(Clean Air Act、CAA)は、米国で1963年12月に制定された大気汚染防止のための法律です。酸性雨対策やオゾン層の保護が目的で、自動車や工場施設からの二酸化炭素、二酸化硫黄、フロンガス、四塩化炭素などの削減や全廃が主な内容となっています。車両や施設の燃費や排ガス制御について無報告もしくは虚偽報告を行うとアメリカ司法省と環境保護庁から訴訟を起こされ、大気浄化法違反の制裁金が課せられる場合があります。

有害大気汚染物質の国家排出基準とは

有害大気汚染物質の国家排出基準(National Emission Standards for Hazardous Air Pollutants、NESHAP)は、有害大気汚染物質(Hazardous Air Pollutants、HAP)の固定発生源(排出源)についての基準です。有害大気汚染物質は、動物もしくはヒトの癌や生殖機能への影響や先天性欠損症などの他の健康への重篤な影響、または環境への悪影響を引き起こすことが知られている、または疑われる汚染物質のことを指します。EPAは、有害大気汚染物質の排出源として規制の対象となる施設の検査を実施し、法令に遵守しているかを判断します。EPAは、「排出に関する報告書と記録の確認」「施設担当者との面談」「排出する場所があるプロセスの検査」「施設の設計および作業慣行の基準に関する検査」「漏れ検出と修理方法の見直し」について、NESHAPに基づいて検査します。NESHAPの対象となる排出源として、施設は通常、少なくとも2年に1回、州または地方事務所による評価を受けます。そのため、HAPを排出する、もしくはその可能性のある施設(民間の場合、たとえば製造工場など)は、各排出源カテゴリーのNESPAHの内容やその改定を知る必要があります。

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