米国|2023年10月下旬にEPAより発表されたオゾン層破壊に関連した物質の規則案、規則制定案の通知および最終規則

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米国|2023年10月下旬にEPAより発表されたオゾン層破壊に関連した物質の規則案、規則制定案の通知および最終規則

EPA、オゾン層を破壊する物質または、それに関連したハイドロフルオロカーボン(HFC)および特定の代替物質の使用に係わる規則の情報

米国環境保護庁(EPA)は、2023年10月19日に「処理剤としてのオゾン層破壊物質の用途に関する記録保持および報告要件」と「現行慣行を反映するための定義の更新」を提案し、通知しました。同日に、2020年米国技術革新製造法(AIM法)の特定の条項を実施するための規制の発行も提案しています。2023年10月24日には、やはりAIM法を実施するため、オゾン層の破壊に関連した物質であるハイドロフルオロカーボン(HFC)に関する使用制限を確立した要件を最終規則として発表しました。

背景

1987年、米国は他の23カ国および欧州連合とともに「オゾン層を破壊する物質(ozone-depleting substances、ODS)に関するモントリオール議定書(略称:モントリオール議定書)」に署名し、1988年4月21日に批准しました。この国際条約では、クロロフルオロカーボン、ハロン、臭化メチル、ハイドロクロロフルオロカーボンを含む特定のODSの生産と消費を段階的に廃止することにより、オゾン層を保護・回復することを目的としています。1990年の大気浄化法(Clean Air Act、CAA)の改正以降、EPAはODSの段階的廃止をODS生産と消費を制限する規制群により実施しています。

ハイドロフルオロカーボン(Hydrofluorocarbon、HFC)は、フッ素原子と水素原子を含む人工の有機化合物です。多くは常温常圧で気体として存在し、空調や冷媒として使用されています。成層圏のオゾン層の回復のため、HFCは、モントリオール議定書で使用が廃止された強力な破壊物質であるハロンやハイドロクロロフルオロカーボンの代替物質として採用され、現在断熱発泡体、エアゾール推進剤、溶剤、防火用などにも幅広く使用されています。これにより、HFCの総排出量は、2016年から2020年にかけて19%増加したという報告もあります。しかし、HFC種の中には、トリフルオロメタンのように二酸化炭素の11,700倍の温暖化係数を持つものもあり、温室効果ガスとしての寄与が懸念され、また発がん性があるとも指摘されています。2016年のギガリ改正では、モントリオールオール議定書にHFCが規制対象として追加され、米国や日本をはじめとする参加国に対して今後生産と消費を段階的に制限し全廃することが求められています。

注目すべき内容

2023年10月下旬に以下の3つのオゾン層破壊に関連した物質の規則に関する情報が発表されました。

  • 成層圏オゾンの保護:産業製品の生産工程で使用されるODSの使用に関する規則の提案

2023年10月19日、EPAは、処理剤としてのODSの用途に関する記録保持および報告要件を定め、 現行慣行を反映するために定義の更新を提案しました。この提案により、記録および報告要件を成文化することで、ODSに関するモントリオール議定書の締約国として、EPAが収集、集計、および報告する情報が、毎年明確かつ一貫した形で通知されることになります。この提案に関する意見は2023年12月4日まで受け付けられています。

  • HFCの段階的削減:2020年米国技術革新製造法に基づく特定のHFCと代替物質の管理に関する規則案の通知

2023年10月19日、EPAは、2020年米国技術革新製造法(American Innovation and Manufacturing Act、AIM法)の条項を実施するための規制を発行することを提案しました。具体的には、HFCおよび特定の代替物質を含む冷媒を使用する機器の漏洩修理および自動漏洩検知システムの使用に関する要件、特定の工場施設における再生HFCの使用に関する要件、消火設備における再生HFCの使用、ボンベからのHFCの回収、容器の追跡、および特定の記録、報告、表示に関する要件を含む、HFCの管理プログラムの確立が提案され通知されました。また、EPAは、再利用のためにリサイクルされる使用済み着火性冷媒に対する、資源保存回収法の代替基準も提案しています。さらに、EPAは、技術者研修および/または認定に対する要件の設定方法について、事前の意見も2023年12月18日まで求めています。

  • HFCの段階的削減:2020年米国技術革新製造法に基づく特定のハイドロフルオロカーボンの使用制限

2023年10月24日、EPAは、2020年AIM法の条項を実施するための規則を発行しました。ここでは、HFCが使用される特定のセクターまたはサブセクター(工業施設)におけるHFCの使用を制限する要件、技術移行申請書の提出プロセスの要件、記録保持および報告要件を最終規則としました。このHFCの使用制限に関する要件は、2021年10月7日および2022年9月19日に許可された請願に対応するものです。この規則は2023年12月26日に発効します。

これらの提案の内容により、HFCまたはその代替物質を含む機器を所有、操作、サービス、修理、リサイクル、廃棄、設置する事業者が影響を受ける可能性があります。機器を製造または販売する事業者も、影響を受ける可能性があります。

参考情報

成層圏オゾンの保護:産業製品の生産工程で使用されるODSの使用に関する規則の提案

HFCの段階的削減:2020年米国技術革新製造法に基づく特定のHFCと代替物質の管理に関する規則案の通知

HFCの段階的削減:2020年米国技術革新製造法に基づく特定のHFCの使用制限

米国革新技術製造(AIM)法とは

American Innovation and Manufacturing Act of 2020(2020年米国技術革新製造法)のことで、米国環境保護庁(EPA)がハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbons、HFC)の生産・(輸入からの)消費量を、2036年までに2011〜2013年を基準年として、約15%まで段階的に削減することを義務付けた法律です。AIM法は、トランプ大統領が2020年12月27日に署名し、1.4兆ドルの政府支出法案と9,000億ドルの新型コロナウイルス感染救済法案を含んだ2021年連結歳出法(Consolidated Appropriation Act, 2021)という超党派の大規模な法案群の一部となっています。具体的には、EPAはこの法律の下で、「HFCの生産と(輸入に伴った)消費を段階的に削減する」こと以外に、「回収、再利用、および整備、修理、廃棄の方法改善を通じて、冷媒として使用される HFC の管理のための基準を確立する」「小規模企業向けの 3 年間の助成金プログラムを創設し、使用済み冷媒の回収および再生を促進するために毎年500万ドルを配分する。」「次世代技術への移行を促進するために、事業者セクター別に使用制限を設ける」ことを施行します。AIM法では、ギガリ改正で記されたHFCのリストが段階的削減の対象となっています。

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