米国|「大統領令:米国の無線周波数帯域の管理における政策の近代化とその国家戦略の確立」を発表

HOME > 国・地域, セクター, 注目領域, 米国, 通信・ネットワーク, データ・サイバーセキュリティ, > 米国|「大統領令:米国の無線周波数帯域の管理における政策の近代化とその国家戦略の確立」を発表

米国|「大統領令:米国の無線周波数帯域の管理における政策の近代化とその国家戦略の確立」を発表

無線周波数帯域の管理における米国省庁間の協力体制を強化することを目指す大統領令を発表

2023年11月17日、大統領府により米国における無線周波数帯域の利用に関する政府の管理内容を現代の状況や要求に合わせるための大統領文書が発表されました。米国商務省の電気通信情報局(NTIA)と連邦通信委員会(FCC)が国の無線周波数帯域を共同で管理すること、そのために省庁間周波数諮問評議会(Interagency Spectrum Advisory Council、以下評議会とする)を設立するなど、管理を行うための体制づくりが示されています。また、各省庁を含む政府機関に対して、無線周波数帯域の管理方法の研究やその内容の発表の促進などを求めています。

背景

米国商務省電気通信情報局(National Telecommunications and Information Administration、NTIA)は、米国大統領に対して電気通信および情報政策に関する助言を行う行政機関です。具体的には、他省庁と協力して、ドメイン名関連、電波の周波数割り当て、ブロードバンド、 インターネットの利用に関連する政策課題、例えばネット上のプライバシー、 サイバーセキュリティ、著作権などの管理に対して、助言や協力を行っています。

連邦通信委員会(Federal Communications Commission、FCC)は、米国議会の法令によって創設され、監督されている独立機関です。米国内の放送通信事業に関する規制の監督を行っています。

注目すべき内容

今回、バイデン大統領は、無線周波数帯域の政府による管理や管理方法に関する研究を促進するため、大統領令により各省庁や商務省長官に以下のことを求めています。

①各省庁が無線周波数を管理する政策について助言を求める省庁間周波数諮問評議会(Interagency Spectrum Advisory Council)を設立

この評議会に加え、大統領府はNTIAとFCCにこの評議会の行動への参加を要請しています。一方で、NTIAの省庁間無線諮問委員会(Interdepartment Radio Advisory Committee IRAC)は、周波数の割り当て、管理、連邦利用に関する政策、プログラム、手続き、技術基準を策定するNTIAに対して引き続き助言を行うものとしています。

②商務省長官は、2023年12月31日までにNTIAを通じて国家スペクトル戦略(National Spectrum Strategy)を策定

商務省長官は、国家安全保障問題担当または経済政策担当の大統領補佐官、科学技術政策局長と共に、戦略を大統領に提出することが求められています。高度な無線技術およびそのサービス事業において米国のリーダーシップを継続するために、最低限以下の内容を含むロードマップが提出される予定です。

  • 少なくとも1500メガヘルツの周波数帯域を規定し、商業的イノベーションおよび各省庁のニーズをサポートするための周波数帯域の「パイプライン」を提供する
  • 国防および国土安全保障、国土空域の安全確保、国家の重要インフラの安全確保、気候の監視および予測、その他の科学的試みなどの様々な情報を十分に考慮した長期の無線周波数の管理計画
  • 様々な周波数における独占免許、免許不要の利用、共有利用において最適な政府の無線周波数の管理計画
  • 無線周波数の共同利用やその科学的根拠を理解する能力や技術的進歩への投資と開発促進の計画
  • 政府が共有とされる周波数へのアクセスを管理するための方法を開発・促進するための提言

③商務省長官は、以上の②で示した戦略を120日以内に、評議会と調整、FCCと協力を行って、NTIAを通じて公表

公表時に各省庁の調査結果や提案、各周波数帯域の詳細調査のスケジュールなども公表される予定です。

④商務省およびNTIAは、電波スペクトラムに関する行政府の見解を策定し、文書化してFCCや各省庁などの政府機関に提示

NTIAは「米国の無線周波数を最良かつ最も効率的に利用し、それを促進する責任を有する」機関として、以下のことを行うことになります。

  • NTIAとFCCの関係は2022年08月01日付の覚書およびその後の取り決めの条件を遵守する
  • NTIAに意見及び技術情報を提出する関係機関に協力する、この時、文書に関係機関の見解を反映する方法などを明確にした書面を発表する
  • NTIAは機密またはその他の機微な見解をFCCに積極的に提示する
  • FCCの意思決定を促進するための技術上および運用上の情報を含む、周波数関連問題に関する行政府の見解を作成し、その見解をFCCに提示する、またその促進に努める

ただし、NTIAと関係機関がFCCに提出すべき見解について合意に達しない場合、NTIAは合意が得られない理由やそれを解決するための次のステップの内容と時期をFCCに通知する必要があります。またそれでも解決に至らなかった場合、NTIAは、90日以内に、国家安全保障問題および経済政策担当の大統領補佐官に、意見の相違を提出し、省庁間の協力プロセスを通じて解決することになります

⑤各省庁を含む政府機関は、周波数帯域を政府以外が利用できるようにするために行動する

NTIAと協力の上で見解を提示した後に問題が起こった場合には、政府機関は45日以内にNTIAに対し、FCCと問題を解決するよう正式に要請することとなります。この時、政府機関はどのような問題が起こっているかを、科学的な情報を基にして明確に説明し、NTIAは申立機関の要請から60日以内にFCCにその要請を提示することが求められています。

⑥各省庁を含む機関は、NTIAの法的権限を理解し、NTIAと協力してこの覚書で求められている情報提供、支援、調整などを行う

各政府機関同士で問題が起こった場合は、政府全体の政策の実施を監督し、規制案を審査する情報・規制問題室(Office of Information and Regulatory Affairs、OIRA)に相談・協力等を要請することになります。

⑦各省庁を含む機関は、NTIAの電気通信科学研究所と協力して周波数帯関連の試験研究、システムの開発やそのための資金もしくは技術調達を行う

⑧商務省長官は、2025年05月14日までに、評議会と協力し、科学的研究に基づいた周波数利用に関する政府の指針を記載した報告書を公表

この報告書では、電波スペクトラム研究のための調整ガイドラインに加え、米国内外の電波スペクトラムの利用に関するおよび政府機関の意思決定に影響する研究の種類、基準、仮定、およびスケジュールやそのプロセスが公表される予定です。

参考情報

「大統領令:米国の無線周波数帯域の管理における政策の近代化とその国家戦略の確立」を発表

連邦通信委員会とは

連邦通信委員会(Federal Communications Commission、FCC)は、米国政府の独立機関(Independent agencies of the United States government)です。1934年通信法に基づき設立され米国の国内で発信するラジオ、テレビ、電信、電話、衛星、ケーブル、ワイヤレス、インターネットを含むすべての通信を規定、管理していいます。また、規則の制定以外に、事業者に対する免許交付、更新、または法律違反の罰則を下す裁定も行っています。アメリカの行政機関ですが、大統領を頂点とする行政府に属さず、国民の代表である議会が責任を負う機関です。そのため、FCCの予算は連邦議会で承認されなければならず、FCCは連邦議会に年次報告書を提出する義務があります。

注目情報一覧

新着商品情報一覧

調査相談はこちら

概要調査、詳細調査、比較調査、個別の和訳、定期報告調査、年間コンサルなど
様々な調査に柔軟に対応可能でございます。

(調査例)
  • ●●の詳細調査/定期報告調査
  • ●●の他国(複数)における規制状況調査
  • 細かな質問への適宜対応が可能な年間相談サービス
  • 世界複数ヵ国における●●の比較調査 など
無料相談フォーム

    会社名・団体名

    必須

    ※個人の方は「個人」とご入力ください。

    所属・部署

    任意

    お名前

    必須

    メールアドレス

    必須

    電話番号

    任意

    お問い合わせ内容

    任意

    Page Top