タンク船およびバルク危険貨物規制の液体化学物質分類表を、危険化学物質をバルクで輸送する船舶の構造および設備に関する国際コード(IBCコード)の2020年版と整合性を合わせる
2023年11月21日、米国国土安全保障省(United States Department of Homeland Security、DHS)の沿岸警備隊(Coast Guard)は、タンカーの液体化学物質分類表とばら積み危険物規制を、「危険化学物質を運搬する船舶の建造及び設備に関する国際コード(IBCコード) 2020年版」に合わせ、最終規則として発行しました。更新された表は、国際および国内の海上輸送が承認された液体危険物、液化ガス、および圧縮ガスのリストを示し、各物質が汚染の可能性、安全な輸送要件、化学的可燃性、可燃性、および他の物質との適合性によってどのように分類されているかが示されています。この規則は、化学物質の荷主や船主に追加費用を課すものではありません。この最終規則は、2023年12月21日に発効されます。
背景
国際海事機関(International Maritime Organization、IMO)の海洋環境保護委員会(Marine Environment Protection Committee、MEPC)は、安全な輸送要件を決定するために、ばら積み海上輸送を行う貨物を複数年に渡って検証して承認し、その内容を毎年12月に年次回覧として発行します。この回覧の中には、危険化学物質について「危険化学物質を運搬する船舶の建造及び設備に関する国際コード(International Code for the Construction and Equipment of Ships carrying Dangerous Chemicals in Bulk、IBCコード」が、締約国によって定期的に改訂されて、記載されています。
沿岸警備隊は、化学物質の輸送慣行を管理する規制の管理者として、連邦規則集を国際基準、つまりIBCコードに合わせるため、1983年よりIBCコードのレビュー、規則の更新と公開を行っています。
注目すべき内容
2023年11月21日、DHSの沿岸警備隊は、「IBCコード2020年版」の内容を反映させた「タンカーの液体化学物質分類表とばら積み危険物規制」を最終規則として発表しました。この規則は、2023年12月21日に発効されます。
具体的には、MEPCの年次回覧であるMEPC.2/Circ.25内のProvisional categorization of liquid substances in accordance with Marpol annex II and the IBC code(Marpol 附属書 II および IBC コードに従った液体物質の暫定的分類)の情報を取り入れています。そしてその内容を、貨物の汚染危険リスクと安全な輸送要件内の「各液体危険物、液化ガス、および圧縮ガスの名称」、「汚染リスクの分類」、「安全な輸送要件」、「化学可燃性および化学的適合性」を記載した以下の4つの表を含む液体化学物質分類に、IBCコード表の内容に合わせて、反映・改定しています。ただし、今回の最終規則では、特定の液体化学物質の貨物が海上輸送に承認されているかどうか、その分類方法、または特定の貨物に適用される輸送要件について、追加の変更を行っていません。
- 認証された船舶でなければばら積みで輸送することができない「可燃性および可燃性のバルク液体貨物のリスト」に追加
- 「貨物のアルファベット順リスト」に2/Circ.25で出荷が承認された貨物の追加
- 「貨物の化学的適合性グループ番号順リスト」に2/Circ.25で出荷が承認された貨物の追加
- 付録である「化学的適合性が良好でない貨物組み合わせ表」に、グリコール エーテルとアクリロニトリルの組み合わせがガス放出と温度上昇を招くため、不適合の組み合わせとして追加記載。さらに、この表にCAS登録番号(RN)を含む新しい列を追加。
この規則は、船舶による貨物の輸送に適用され、すべての米国船籍および外国船籍のタンカーが適用対象です。また、米国水域内を航行する米国船籍および外国船籍の自走式ばら積み貨物船にも適用されます。ただし、外国船籍のタンカーで、米国水域を通過する場合、この規制を免除されます。そのため、以上のような船舶の所有者、航行責任者、および荷送人に影響が及びます。
沿岸警備隊は、今回、化学物質危険対応情報システム(Chemical Hazards Response Information System、CHRIS)コードを表から削除することも検討していました。しかし、CHRISコードの有用性について一般からのコメントがなかったため、この最終規則ではCHRISコードを削除しませんでした。ただし、次回の更新では、CHRISコードの削除が提案される可能性が高いと、コメントしています。
その他、沿岸警備隊の編集権限や化学物質の項目について明確な文言を追加し、また、表の編集、誤植と句読点の誤りが修正されています。
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