保健福祉省(HHS)、選択薬物および毒素(select agents and toxins)リストの隔年見直しにおいて、薬物および毒素の所持、使用、譲渡に関する規則の改訂を提案
2024年01月30日、保健福祉省(HHS)の疾病対策予防センター(CDC)は、社会安全に深刻な脅威をもたらす可能性のある選択薬剤および毒素で構成されたHHSリストの見直しを行い、規則案を発表しました。HHSのCDCは、リストから3つの生物学的製剤を削除し、1つの毒素の除外量を引き上げました。また、1つのウイルスの名称を変更し、現行の製剤をTier 1製剤に指定しました。さらに1つの製剤からTier 1の指定を解除することによるリストを修正も提案しています。HHSのCDCは文言を明確化し、要件を追加も行っています。この規則案に関する意見は、2024年04月01日までに書面または電子データでHHSに提出する必要があります。
HHSリストとは
■ 保健福祉省(Department of Health and Human Services、HHS)では、公衆衛生と安全、動植物の健康、あるいは動植物の生産物に深刻な脅威をもたらす可能性のある生物学的物質を「選択薬剤と毒素(select agents and toxins)と呼び、2002年の公衆衛生安全保障およびバイオテロ対策法(Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002、短縮名はBioterrorism Response Act(バイオテロ対策法))に基づいてリストとしています。
■ 選択薬剤と毒素の一般的な例としては、炭疽、ペスト、天然痘の原因菌や毒素リシンなどがあります。HHSの疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention、CDC)は、どの物質をこのHHSリストに含めるかどうか、以下の点から考慮して、隔年で発表しています。
- エアロゾルでの安定性、もしくはマトリックスの安定性
- 増殖の容易さ
- 遺伝子操作または改変する能力病気の重症度や致死率
- 長期的な健康への影響
- 伝達率
- 利用可能な治療
- 宿主免疫の状態(例:個人がすでに薬剤に曝露され、免疫応答を引き起こしたかどうか、など)
- 特別な集団の脆弱性
- 伝染の阻害と治療(環境と個体群における病原体の残留や治療努力が必要な程度)
- 医療制度への負担や影響
■ HHSリストは2つのクラス分けがされており、一つは「人間の健康と安全に深刻な脅威をもたらす可能性があるとされたクラス、もう一つは人間のみならず動物及び動物製品にも深刻な脅威をもたらし、2002年の農業バイオテロ保護法(Agriculture Bioterrorism Protection Act of 2002)に基づくUSDA(United States Department of Agriculture、農務省)リストにも重複して登録されているクラスです。後者の場合は、HHSとUSDAによって「重複する」剤として共同で規制されています。
この規則案の内容
- 用語の定義の明確化、具体的には、「紛失」、「検証済みの除去手順」、「検証実行可能性試験プロトコル」などの8つの用語を追加または改訂
- Brucella abortus、Brucella melitensis、Brucella suisを生物剤から除外
- 病原体及び毒素の発見を報告するための要件を追加
- ボツリヌス神経毒産生種は、非常に毒性の高いボツリヌス神経毒であるクロストリジウムを産生するため、HHSリストとして保持する。ただし、生物自体は通常病気を引き起こさないため、Tier1の病原体としてリストから除外
- シンノンブレウイルス(Sin Nombre virus (SNV))、アンデスウイルス(Andes virus (ANDV))、ハンターンウイルス(Hantaan virus (HTNV))、ドブラバウイルス(Dobrava virus (DOBV))の致死率と感染性と致死量の低さを考慮し、これらのウイルスをHHSリストに含めない
- 毒素レビューにおける短い麻痺性アルファコノトキシン(Paralytic Alpha Conotoxins)の除外限界の変更
- エボラウイルスからエボラウイルス属(Genus Ebolavirus)への改名
- ニパウィルス(Nipah Virus)をTier 1に指定
- 「サル痘ウイルス(Monkeypox virus)」を「エムポックスウイルス(Mpox virus)、clade I」に名称を変更し、クレード(clade)を明確化
- SARSコロナウイルス(SARS-CoV)を「重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(Severe acute respiratory syndrome coronavirus、SARS-CoV)」に変更し、命名法を修正
- 「東部馬脳炎ウイルス(Eastern Equine Encephalitis virus) の南米の遺伝子型に関する除外」について、この用語がもはや正しい命名法ではないため、削除
- すでに公開されている、既存の原理原則(責任ある職員と代替の責任ある職員の役割、組織の化学的不活化、など)を規制に組み込む
- HHSリストの脚注の追加
- HHS長官またはUSDA管理者が発行した登録証明書に含まれていない、特定の薬剤または毒素が発見された場合、所持している個人または団体を記載
- 排水除染システムに関して、バイオセーフティレベル3として登録された動物または研究所の施設検証要件
- その他、HHS / CDCは編集上の誤りの修正
などの改定を提案しています。
■ HHSは、提案に対する意見、特に上の提案を施行した場合に事業体等の負担がどのように増えるのかについて、意見を募集しています。意見の募集は、2024年04月01日まで行われます。
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