米国著作権局(USCO)、「著作権と人工知能」の問題に関する報告書のパート1を発表
2024年07月31日、米国著作権局(USCO)は、AI技術の出現に関連する著作権関連の法的および政策的問題に関する最初の報告書として「著作権と人工知能パート1:デジタル複製( Copyright and Artificial Intelligence Part 1: Digital Replicas)」を発表しました。
この報告書は、USCOによって、2023年8月の調査通知に概説された「人工知能(Artificial Intelligence、AI)と著作権に関する法的および政策的問題」の、特に「AIが生成する、デジタル技術を使用して個人の声や外見をリアルに再現するデジタル複製」と著作権に関する問題について取り上げています。
この報告書の背景
2023年10月、バイデン・ハリス政権は、「安全、安心、信頼できる人工知能の開発と利用に関する大統領令(Executive Order on the Safe, Secure, and Trustworthy Development and Use of Artificial Intelligence)」を発表しました。そして、米国著作権局 (United States Copyright Office、USPTO)に対して、「知的財産(intellectual property、IP)法と政策に対する人工知能技術の影響に関する勧告」を大統領に提出することを課しました。今回のデジタル複製(Digital Replicas)に関する報告書は、提出する最初のもので、パート1です。この報告を参照し、180日後に最終的な勧告が提出されることになります。
この報告書の内容
この報告書ではいくつかのパートに分かれて発行され、各パートはそれぞれ異なるトピックを取り上げる予定です。パート1では、「デジタル複製(個人の声や外見をリアルに再現するデジタル技術の利用)」が取り上げられています。
今後、「著作権と人工知能」の報告書では、「生成AIを使用して作成された作品の著作権性」、「著作権で保護された作品におけるAIモデルのトレーニングやそのライセンスに関する考察」、「潜在的な責任の配分」など2023年8月の調査通知で提起されたその他の問題が取り上げられる予定です。
この報告書の目次
I. はじめに
A. AIとデジタル複製
B. 本研究の背景
II. 不正なデジタル複製からの保護
A. 既存の法的枠組み
1.州慣習法および明記する法律
a) プライバシーの権利
b) 肖像権
c) デジタル複製物に関する新たな州の規制
2.連邦法
a) 著作権法
b) 連邦取引委員会
c) ランハム法
d) 通信法
3.私的契約
B. 連邦法の必要性
1.現行法の欠点
2.議会の活動
a) AI FRAUD禁止法
b) NO FAKES法の討議案
3.新しい権利の輪郭
a) 対象
b) 保護される者
c) 保護期間
d) 侵害行為
(i) 使用の商業的性質
(ii) 知識基準
(iii) 二次的責任
e) 使用許諾と譲渡
(i) 存続期間
(ii) インフォームドコンセント
(iii) 未成年者との契約
f) 修正第1条の懸念
g) 救済措置
h) 先取
4.著作権法114条(b)との関係
III. 芸術的スタイルの保護
IV. 結論
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