FCC、ネットワークのサービス事業者に一般消費者向け携帯電話のロック解除を求める提案
2024年08月08日、連邦通信委員会(FCC)は、ワイヤレス携帯電話サービスの市場を活性化するため、携帯電話のロック解除ポリシーの変更を検討していることを規則案策定通知(NRPM)で発表しました。具体的には、すべての携帯電話事業者に対し、一般消費者向け携帯電話がアクティベートされてから60日以内に、携帯電話のロック解除を義務付けることを提案しています。
FCCでは、この提案に対する意見を2024年09月09日まで、個別の質問に対する回答を2024年09月23日まで受け付けています。
連邦通信委員会とは
連邦通信委員会(Federal Communications Commission、FCC)は、米国政府の独立機関(Independent agencies of the United States government)です。1934年通信法に基づき設立され米国の国内で発信するラジオ、テレビ、電信、電話、衛星、ケーブル、ワイヤレス、インターネットを含むすべての通信を規定、管理していいます。また、規則の制定以外に、事業者に対する免許交付、更新、または法律違反の罰則を下す裁定も行っています。
アメリカの行政機関ですが、大統領を頂点とする行政府に属さず、国民の代表である議会が責任を負う機関です。
この規則案の背景
携帯電話のロック解除(handset unlocking)とは、消費者が携帯電話のサービスプロバイダー(サービス事業者)を変更する際に、既存の携帯電話端末(機器)や番号をそのまま持ち運ぶことができるようにすることをいいます。携帯電話端末とその番号は、サービス事業者のサービスプランの継続(多くの場合、数ヶ月または数年間の)契約と引き換えに、あるいは携帯電話端末の価格割引契約などに沿って割引付きされ、販売される場合があります。
これは、携帯電話を販売するサービス事業者が、プラン契約割引または携帯電話価格分割払いプランにより、一定の期間、ネットワーク上で携帯電話端末のロックを有効なままにすることで行われています。ロックされた携帯電話は、ロックを解除しなければ、競合するサービス事業者のネットワークで使用することはできません。
過去20年間、FCCは、特定の状況における特定のサービス事業者に対してのみ携帯電話のロック解除を要件としていました。具体的には、ワイヤレスサービスのためのCTIA消費者コード(CTIA Consumer Code for Wireless Service、CTIAはCellular Telecommunications and Internet Associationの略で、アメリカの無線通信企業の業界団体のこと)の「CTIAアンロックの約束(CTIA Unlocking Commitments)」の一部として定められています。
米国では、業界に属するAT&T、T-Mobile、Verizonなどのワイヤレスサービス事業者は、この「CTIAアンロックの約束」を自主的に遵守し、一定の条件が満たされた場合、消費者からのロック解除の要求を認めて、即時にロックを解除します。
「CTIAアンロックの約束」には、(1) 情報開示、(2) 後払い(ポストペイド)のロック解除ガイドライン、(3) 前払い(プリペイド)のロック解除ガイドライン、(4) 通知、(5) 対応時間、(6) 配置人員のロック解除ガイドラインが含まれています。つまり、「CTIAアンロックの約束」を遵守するサービス事業者は、前払いの場合はアクティベーションから1年後、後払いの場合はサービス契約、端末融資プランの履行、または早期解約金の支払い後に、携帯電話のロックを解除しています。
しかし、FCCはこの仕組みがいわゆる消費者の囲い込みに利用されていることを問題視しており、今回、携帯電話のロック解除を義務化することを提案しています。
この規則案の内容
今回の規則案策定通知(Notice of proposed rulemaking、NRPM)において、FCCは、すべてのワイヤレス携帯電話のサービス事業者に対して、携帯電話のロック解除に関する一連の要件を広く適用することを提案し、一連の要件のうちどの要件をどのように変更することによって市場競争が活性化されるのかについて意見を募集しています。
具体的には、FCCは消費者向け携帯電話がその事業者によってアクティベートされてから60日以内に (その携帯電話が詐欺によって購入されたと事業者が判断した場合を除き)、携帯電話のロック解除を義務付けることを提案しています。この「ロック解除」要件を採用することで、FCCは消費者がネットワークをもつサービス事業者を変更する際の障壁が低くなり、携帯電話端末やワイヤレスネットワーク市場の競争が活性化されることを期待しています。米国で、携帯電話端末やネットワークのサービス事業者は、この規則案の動向に注意が必要です。
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