EPA、鉛を使用した配水管の交換などを義務付けた国家一次飲料水規則の改正を最終決定
2024年10月30日、米国環境保護庁(EPA)は、飲料水安全法(Safe Drinking Water Act、SDWA)の規定に基づき、国家一次飲料水規則(NPDWR)内の「鉛と銅に関する規則(LCR)」の改定を最終決定しました。2023年12月に発表された「鉛および銅規則改善(LCRI)案」に対する意見が反映されています。具体的には、飲料水システムに対する、鉛および特定の亜鉛めっきとなっている配水管を交換するための要件が確定されています。
加えて2021年鉛および銅規則改正(LCRR)に関連した規制の実施を簡素化するため、鉛トリガーレベルを削除して鉛アクションレベルを0.010mg/Lに引き下げ、また蛇口サンプリング手順を強化しています。飲料水システムの運営者に加え、配水管の製造や輸入などに関わる事業者は注意が必要です。この最終規則は2024年12月30日に公布され、同日に発効します。
この最終規則の背景
鉛の摂取は子どもの神経発達障害や成人の心臓病など人体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。特に幼児と妊娠中の人は、鉛暴露の影響を受けやすいとされています。米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、飲料水を通じて鉛にさらされる国民のリスクを低減するため、1991年に公布された国家一次飲料水規則(National Primary Drinking Water Regulations、NPDWR)内の鉛および銅規則(Lead and Copper Rule、LCR)を、2021年に鉛および銅規則改正(Lead and Copper Rule Revisions、LCRR)として最終決定しました。
その後、EPAは、2021年1月に行われた大統領令(Executive Order 13990)に従い2021年LCRRの見直しを実施していました。また、見直し期間で、利害関係者や一般市民との協議、LCRIの策定を支援や協議、LCRI案に対して寄せられた一般意見をまとめ、最終規則の準備をしていました。そのため、この最終規則は、2021年LCRRの見直しにおいてEPAが特定した以下の事項が優先的に対処されています。
・国内の鉛製配管(lead service lines、LSL)が設置されているところを特定し、交換または改善、および、
・鉛暴露のリスクが最も高い地域社会における措置を実施
この最終規則の内容
以上の背景により、この最終規則に以下の事が改変され記載されました。
- 飲料水システムに対する、鉛および特定の亜鉛めっきの配水管を交換するための要件を最終化。
具体的には、鉛管交換の要件として、「10年以内」という用語が追記されました。また、すべての水道システムは、鉛製配管の場所の公開や追跡も義務付けられています。
- 鉛トリガーレベルを削除し、鉛のアクションレベルを010mg/Lに引き下げ。
今後、このアクションレベルの規制値を超えた場合、水道システムは、腐食防止処理(corrosion control treatment、CCT)の措置を講じると共に、一般市民への周知などが求められます。
- 2021年LCRRに関連した規則の実施を簡素化するために、蛇口サンプリング手順を強化。
具体的には、鉛管より配水されている蛇口サンプリングにおいて、1リットル目と5リットル目のうちどちらか高い値を採用することが義務付けられました。
- その他、腐食防止処理、公衆教育と消費者への周知、小規模水道システムへの要件、学校と保育施設でのサンプリング要件が強化されました。
この最終規則は2024年12月30日に公布され、同日に発効します。遵守日は内容によって異なり、40CFRパート141「国家一次飲料水規則」のサブパートI「鉛および銅の管理」の改訂の遵守日は§141.80「一般要件」(a)に記載されています。また、40CFRパート141のサブパートO「消費者の信頼感報告書」に加えられた改訂の遵守日は§141.152「遵守日」(a)に、追記されています。40CFR§141.2「ティア(Tier)1:公告―通知の形式、方法、頻度」と§141.31「報告要件」の改訂、40 CFR パート141サブパートQ「飲料水違反の公的通知」(§ 141.202の附表A and B)の改訂の遵守日は2027年11月01日となっています。
この規則で直接規制される事業体は、共同体水道システム(community water systems、CWS)と非一過性非共同水道システム(non-transient, non-community water systems、NTNCWS)、そして管轄する州などの政府機関です。ただし、水道管の製造や輸入などに関わる事業者も注意が必要です。
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