米商務省のBIS、コネクテッド車両のICTSを外国の敵対的脅威から保護する規則を決定し、最終規則を公表
2025年年01月16日、米国商務省の産業安全保障局(BIS)は、コネクテッド車両(Connected Vehicles)の情報通信技術およびサービスのサプライチェーン(ICTS)に関する最終規則を公表しました。2024年の規則案策定前通知(ANPRM)と規則案策定通知(NPRM)に修正が加えられ、同日最終規則として公布されています。中国またはロシアと十分な関連性を持つ製造者が、米国で製造された車両に対して、VCSハードウェアまたはソフトウェア、あるいはADSソフトウェアを組み込んだ新型コネクテッド車両を米国で販売することが禁止されています。この最終規則は、2025年03月17日に発効します。
米国において車両のICTSに関わる事業体、特にロシアや中国との取引に関わる事業体は、この最終規則の内容に注意が必要です。
最終規則の背景
この最終規則は、産業安全保障局(Bureau of Industry and Security 、BIS)が2024年03月01日(89 FR 15066)に公表した規則案策定通知(Advance notice of proposed rule making、ANPRM)、および2024年09月26日(89 FR 79088)に公表した規則案策定通知(Notice of proposed rulemaking、NPRM)を通過して最終規則とされました。最終規則は、大統領令13873号「情報通信技術およびサービスのサプライチェーン(Information and Communications Technology and Services Supply Chain、ICTS)の安全確保」に規定されるBISのICTS権限に基づき実施される予定です。
今回の措置は、数ヶ月にわたる「コネクテッド車両のICTS規制」プロセスにおける集大成となっています。
最終規則の内容
最終規則は、以下の事などを規則案より改正または追加され、公布されました。この最終規則は2025年03月17日に発効します。
- 香港特別行政区およびマカオ特別行政区を含む中華人民共和国、またはロシア連邦が所有、支配、もしくはその管轄または指示に服する者が設計、開発、製造、または供給する車両接続システム(Vehicle Cyber Security、VCS)の対象ハードウェアおよびソフトウェアに関わる取引を禁止しました。外国の敵対的脅威を「米国の国家安全保障、または米国人の安全保障と安全にとって著しく不利な行為の長期的なパターンまたは深刻な事例に関与している外国政府または外国の非政府組織」とし、実施規則において中華人民共和国、キューバ共和国、イラン・イスラム共和国、朝鮮民主主義人民共和国、ロシア連邦、ベネズエラのマドゥロ政権としています。
- 対象となる製品を、中国またはロシアなどと十分な関連性を持つ者によって設計、開発、製造、または供給されたVCSに統合されたハードウェアとソフトウェア、および自動運転システム(Automated driving systems、ADS)に統合されたソフトウェアと定めています。
- 「乗用車(10,001ポンド未満の車両と定義)」のみに適用されます。今回、BISは、現時点での商用車サプライチェーンの複雑さを考慮して乗用車のみを適用しましたが、商用車サプライチェーンへの外国の敵対勢力の関与による国家安全保障上の脅威が深刻であることも認識しており、近い将来、トラックやバスを含むコネクテッド商用車のICTSに対応する別の規則制定が行われる予定です。
- VCSを「テレマティクス・コントロール・ユニット、ブルートゥース、セルラー、衛星、Wi-Fiモジュールを含む、車両が外部と通信することを可能にする一連のシステム」と定義しました。ADSの定義に、「高度に自律化された車両がドライバーなしで運転することを可能にするコンポーネント」が含まれました。
- 特に、中国またはロシアと十分な関連性を持つ製造者が、米国で製造された車両に対して、VCSハードウェアまたはソフトウェア、あるいはADSソフトウェアを組み込んだ新型コネクテッド車両を米国で販売することを禁止しています。
- ソフトウェア関連の禁止措置は、2027年モデルから適用されます。ハードウェア関連の禁止措置は2030年モデルから、またはモデルイヤーがない車両については2029年01月01日から適用されます。中国またはロシアと十分な関連性を持つ製造者によるコネクテッド車両の販売禁止は、たとえ車両が米国で製造されたものであっても、2027年モデルから適用されます。
- 特定の輸入者や製造者に対し、禁止事項を遵守していることを証明する適合宣言書を毎年提出することを義務付けています。最終規則では、リスクが低い特定の種類の取引について、商務省が一般許可を発行することを認めています。そのため、規制対象者は禁止されている取引を許可する特定認可を求めることができ、さらに、取引が規程の範囲に入るかどうかの見込みをBISに求める諮問も認められています。
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