米国|EPA、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の優先排出枠の見直しと更新を最終規則とし、連邦官報で発表
EPA、AIM法に基づき、HFC排出枠の優先利用を半導体製品の洗浄を目的とした排出枠などに継続して割り当てる
2025年08月26日、米国環境保護庁(EPA)は、2020年米国技術革新製造法(AIM法)で定められた法的枠組みに基づき、ハイドロフルオロカーボン(HFC)を製造または輸入するための排出枠の優先利用を継続的に受ける6件の申請の資格を最終決定しました。この内容は連邦官報で発表され、EPA独自のホームページでニュースとして紹介されています。最終決定された規則において、現在優先的に排出枠を受給している6件で5つの用途の、優先利用の適用枠(ASA)が更新されることが決定されました。
5つの用途とは、「定量吸入器(MDI)の推進剤」、「防衛用スプレー、船舶用およびトレーラー用の構造用複合発泡ポリウレタン(SCPPU)フォーム」、「半導体製造部門における半導体材料またはウェハーのエッチングおよび化学気相蒸着(CVD)チャンバーの洗浄」、「軍事的に重要な最終用途(MCMEU)」、および「航空機内の火災抑制剤」となっています。この規則は2025年9月25日に発効されています。これらの製品の製造に関わる事業体は注意が必要です。
米国革新技術製造(AIM)法とは
米国革新技術製造(AIM)法とは、American Innovation and Manufacturing Act of 2020(2020年米国技術革新製造法)のことで、米国環境保護庁(EPA)がハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbons、HFC)の生産・(輸入からの)消費量を、2036年までに2011〜2013年を基準年として、約15%まで段階的に削減することを義務付けた法律です。AIM法は、トランプ大統領が2020年12月27日に署名し、1.4兆ドルの政府支出法案と9,000億ドルの新型コロナウイルス感染救済法案を含んだ2021年連結歳出法(Consolidated Appropriation Act, 2021)という超党派の大規模な法案群の一部となっています。
具体的には、EPAはこの法律の下で、「HFCの生産と(輸入に伴った)消費を段階的に削減する」こと以外に、「回収、再利用、および整備、修理、廃棄の方法改善を通じて、冷媒として使用されるHFCの管理のための基準を確立する」「小規模企業向けの3年間の助成金プログラムを創設し、使用済み冷媒の回収および再生を促進するために毎年500万ドルを配分する」「次世代技術への移行を促進するために、事業者セクター別に使用制限を設ける」ことを施行します。AIM法では、ギガリ改正で記されたHFCのリストが段階的削減の対象となっています。
今回の規則の背景
AIM法(e)(4)(B)に基づき、米国環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、(1)適用期間中に安全または技術的に達成可能な代替品がなく、(2)その用途に使用されるHFCの供給が化学メーカーから確保または対応できない特定の用途に対し、HFC排出枠の優先的な利用を割り当てています。2020年12月27日から5年間、この割り当ては以下の6件5用途に対して割り当てられていました。
- 定量吸入器(metered dose inhalers、MDI)の推進剤
- 防衛用スプレー、または、船舶用およびトレーラー用の構造用複合発泡ポリウレタン(Structural Composite Preformed Polyurethane、SCPPU)フォーム
- 半導体製造部門における半導体材料またはウェハーのエッチングおよび化学気相蒸着(CVD)チャンバーの洗浄
- 軍事的に重要な最終用途(Mission-Critical Military End Uses、MCMEU)
- 航空機内の火災抑制剤
EPAは、AIM法に基づき、上記の用途のための排出枠を特定用途排出枠(ASA:Application Specific Alliance)と呼ぶ区分に配し、ASAの全体量が決定されてから、残りの排出量を一般的な排出枠に分配しています。
今回の規則の内容
上記の5用途への排出枠が、継続してASAとなることが決定され、最終規則となりました。ただし、上記2番の防衛用スプレーは、一般市場から継続的に入手できるとして除外されています。
これに伴って、最終規則において、EPAは、以下の改定も最終決定しています。
- 審査中の特定用途に関連する技術移行規制の改定、
- 新規用途を優先的に排出枠を利用できるように指定する申請書の提出手続きの改定、
- 2026年以降の用途別排出枠の保有者への排出枠割り当て方法、
- 既存の規制に対する特定の改定
さらに、最終規則により、輸出向けにHFC物質を製造する事業体を認可しています。また、EPAは、新たに報告された情報に対する規制上の秘密保持の判断も確定しています。この最終規則は2025年09月25日よりに発効されています。
参考情報
EPA、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の優先排出枠の見直しと更新を最終規則都市、連邦官報で発表
EPA、AIM法に基づき、HFC排出枠の優先利用を半導体製品の洗浄を目的とした排出枠などに継続して割り当てる(EPAニュース)
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