EU|EU理事会、機械規則案を採択-機械指令は廃止-移行期間は42ヶ月

機械指令に置き換わる新たな規則

2023年05月22日、EU理事会は、機械規則案を承認・採択したことを明らかにしました。これにより、欧州議会議長及び理事会議長が署名した後、この規則は欧州連合官報に掲載され、掲載後20日目に発効する見込みとなります。機械指令から機械規則までの移行には42ヶ月間の期間が設けられています。

概要

■ 6つのカテゴリーの「高リスク」機械について、第三者による適合性評価を義務付ける。

■ 安全情報はすべての製品に添付する必要があるが、デジタル移行に伴い、本規則ではデジタル説明書がデフォルトのオプションとなることを規定。

■ 紙面の説明書を希望される顧客には、引き続き紙面の説明書をオプションとして提供へ。

背景

機械は人が日常生活に不可欠なものであり、産業が良好に機能し、EU市民が幸福に暮らすために必要ですが、新しいデジタル技術の出現は、安全な接続性、自律性、データ依存性、あるいは不透明性の確保を含め、製品の安全性に新たな課題を投げかけています。EUの産業は、機械類の製造において世界をリードしており、機械部門の年間売上高は7,400億ユーロを超え、EU全体の製造業売上高の9.4%を占めています。EUでは、製造業全体の9.9%にあたる280万人を雇用し、製造業全体の4.1%にあたる8万社以上の企業がこの分野に属しています。EUはこの分野で一貫してプラスの貿易収支を記録しており、2019年の非EU諸国への輸出額は2760億ユーロを超えました。

1989年以降、何度か改定されたEU機械指令は、単一市場内での機械類の自由な移動を促進し、EUの労働者と市民の高いレベルの保護を保証しています。しかし、2018年に行われたREFIT評価により、多くの改善すべき領域と改定の必要性が確認されました。また、欧州委員会は2020年に、人工知能に関する白書に付随して、人工知能、インターネット、ロボット工学の安全性と責任への影響に関する報告書を発表し、既存の法的枠組みには多くのギャップがあり、対処が必要であると結論づけました。

上記を踏まえて、欧州委員会は2021年4月、より大きなAIパッケージの一部として、指令を改定した新しい機械規則案を提示しました。これには、人工知能に関する調和された規則を定めた規則(AI法)の提案、人工知能に対する欧州のアプローチの促進に関するコミュニケーション、人工知能に関する調整計画の見直しも含まれていました。

REFIT評価:EU の法規範をレビューするために用いられる適合性評価の手法

改定の理由と目的

機械指令は、TFEU 114 条に基づき、単一市場に機械を配置するための規制的枠組みを確立しています。同指令の一般的な目的は、域内市場における機械の自由な移動を確保し、使用者とその他の被影響者に対する高いレベルの保護を確保することです。同指令は、EU法の「新しいアプローチ」の原則に従っています。同指令のREFIT評価において、すべての関係者は同指令が必要不可欠な法令であるものの、市場のニーズに合わせて改善、簡素化、適合させる必要性があることが確認されました。欧州議会の一部の議員は機械指令の改定に支持を表明しています。本法令を21世紀に向けて発展させることで、EU経済のためのイノベーション、特にデジタル移行と単一市場の強化に貢献するものと期待されています。実際、新技術とその安全法制への影響に関して、欧州委員会は2020年2月に人工知能白書と「人工知能、インターネット、ロボット工学の安全及び責任への影響に関する報告書」を発表しています。本報告書は、新技術の影響とEUの安全法制にもたらす課題の分析を行ったもので、現行の製品安全法制には、対処すべき多くのギャップがあると結論づけています。機械部門はエンジニアリング産業の重要な一部であり、EU経済の産業の柱の一つであるため、COVIDの大流行からの持続的な回復には、重要性が極めて高いとされています。同報告書は、新技術の影響と新技術が欧州連合の安全法制にもたらす課題の分析を行ったもので、現行の製品安全法制には、以下の対処すべき幾つかの課題があると結論づけています。

・ 同指令の適用に関する経験から、製品の適用範囲と適合性評価手続きに不十分であり、一貫性がないことから、同指令に規定された条項を改善し、簡素化し、市場のニーズに適合させることが必要である。
・ 機械製品の要件、特に本質的な健康と安全の要件と適合性評価手順を定めた規則は、EU全域のすべての事業者に均一に適用され、加盟国による多様な実施の余地を与えないようにするための改定が必要である。
・ 人工知能、インターネット、ロボット工学のような新しいデジタル技術の出現は、製品安全の面で新たな課題を提起している。機械指令を含む現行の製品安全に関する法令には、この点で対処すべき多くのギャップがあると結論づけており、同指令では、新しいデジタル技術に起因する安全リスクを包絡する必要がある。
・ すべての利用者に法的確実性を確保するため、本指令の適用範囲を明確に示し、その適用に関する概念を可能な限り正確に定義すべきとしている。同一製品の二重立法を避けるため、欧州議会及び理事会の指令(EU)2017/853の対象となる銃器を含む武器を本規則の範囲から除外する。

目次(EU理事会採択テキスト)

第1章 一般条項
第1条 主題
第2条 適用範囲
第3条 定義
第4条 自由な移動
第5条 機械または関連製品の設置または使用中の人の保護
第6条 関連する適合性評価手続きの対象となる附属書 I に記載の機械および関連製品のカテゴリー
第7条 安全コンポーネント
第8条 本規則の適用範囲に含まれる製品に必須の安全衛生要件
第9条 特定のEU調和化法令

第2章 経済事業者の義務
第10条 機械および関連製品の製造者の義務
第11条 一部完成した機械の製造者の義務
第12条 認定代理人
第13条 機械および関連製品の輸入者の義務
第14条 一部完成した機械の輸入者の義務
第15条 機械および関連製品の流通業者の義務
第16条 一部完成した機械の流通業者の義務
第17条 輸入者や流通業者に製造者の義務が適用される場合
第18条 製造者の義務が適用されるその他の場合
第19条 経済事業者の特定

第3章 規則の適用範囲に含まれる製品の適合性
第20条 規則の適用範囲に含まれる製品の適合性の推定
第21条 機械および関連製品のEU適合宣言
第22条 一部完成した機械のEU組み込み宣言
第23条 CEマーキングの一般原則
第24条 機械および関連製品へのCEマーキング貼付規定

第4章 適合性評価
第25条 機械および関連製品の適合性評価手続き

第5章 適合性評価機関の届出
第26条 届出
第27条 届出当局
第28条 届出当局に関連する要件
第29条 届出当局の情報義務
第30条 届出機関に関連する要件
第31条 届出機関の適合性の推定
第32条 届出機関による請負業者や子会社の利用
第33条 届出の申請
第34条 届出手続き
第35条 識別番号および届出機関のリスト
第36条 届出の変更
第37条 届出機関の能力の調査
第38条 届出機関の運用義務
第39条 届出機関の決定に対する申し立て
第40条 届出機関の情報義務
第41条 知見の交換
第42条 届出機関間の協力

第6章 EU市場監視およびセーフガード手続き
第43条 本規則の適用範囲内でリスクを呈する製品に対処するための国レベルでの手続き
第44条 EUセーフガード手続き
第45条 本規則の適用範囲内でリスクを呈する適合製品
第46条 公的な非遵守事項

第7章 委任権限および専門委員会手続き
第47条 委任の行使
第48条 専門委員会手続き

第8章 機密性および罰則
第49条 機密性
第50条 罰則

第9章 移行条項および最終条項
第51条 廃止
第52条 移行条項
第53条 評価および見直し
第54条 発効および適用

附属書1 第25条(2)および(3)のいずれかの手続が適用される機械又は関連製品のカテゴリー

附属書2 安全コンポーネントリスト(Indicative list)

附属書3 機械または関連製品の設計および製造に関連する安全衛生上の必須要件

附属書4 技術文書

附属書5 EU適合宣言およびEU組み込み宣言

附属書6 内部生産管理

附属書7 EU型式試験

附属書8 内部生産管理に基づく型式適合性

附属書9 完全品質保証に基づく適合性

附属書10 ユニット検証に基づく適合性

附属書11 一部完成した機械についての組立説明書

附属書12 相関表

参考

■ 機械規則/EU理事会

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