2022.11.10
EU|欧州委員会、エネルギー部門をデジタル化するための行動計画を発表
再生可能エネルギーを含むエネルギーの資源の効率的な利用促進とEUの消費者およびエネルギー会社のコスト削減を目指して
2022年10月18日、欧州委員会は、エネルギー資源の効率的な使用、再生可能エネルギーの送電網への統合、EUの消費者とエネルギー企業のコスト削減のために、新しいデジタル技術の導入を推し進める行動計画を提示しました。
具体的には、欧州において欧州共通のエネルギー使用と管理を強化するための新しいデジタル技術とサービスを支援、情報通信技術に関する施設や製品のエネルギー消費を表示するラベル規制の強化、インフラストラクチャのサイバーセキュリティ強化、これらに対する財政支援などが行われる予定です。
ここでは、この行動計画の提示に至る「背景」と「行動計画下で行われる予定内容」が記事になっています。
背景:
EUがロシアの化石燃料輸入からの独立と戦略的主権や安全保障を得るため、ロシアのウクライナ侵攻と現在のエネルギー価格の高騰化は解決すべき課題となっています。加えて、EUは2030年と2050年の気候目標を費用対効果の高い方法で達成する必要があります。
これらの理由によりエネルギーシステムのデジタル化の構築が必要不可欠となっています。欧州委員会は、2022年5月18日に、再生可能エネルギーの効率的な利用を高めてロシアへのエネルギー依存を減少させるために、欧州グリーン取引(European Green Deal)の早送り計画とREPowerEU計画を発表しました。
加えて、2020年7月8日に欧州グリーンディールの一環として、エネルギーシステム統合のためのEU戦略を発表しました。ここで、欧州委員会は、エネルギーインフラストラクチャのデジタル化への投資を支援し、エネルギーのデジタルサービスにおいて競争力のある欧州市場を開発するために、エネルギー利用システムのデジタル化における行動計画を採用することを約束していました。
そこで、欧州委員会は、今回新しいデジタル技術が、どのようにエネルギー資源の効率的な使用を改善し、再生可能エネルギー利用の送電網への統合を促進し、EUの消費者とエネルギー企業のコストを削減するのかをより強調する行動計画を提示しました。
再生可能エネルギーのシェア拡大への移行とそのシステムのデジタル移行は密接に関連しており、この行動計画の下で様々な措置が実施される予定です。
行動計画下で行われる予定内容:
電気自動車、太陽光発電設備、ヒートポンプなどのエネルギー部門の一部の分野では、デジタルテクノロジーがすでに導入されていますが、その拡大には行政からのサポートが必要と考えられています。
また、その他の分野でのデジタル化はまだあまり進んでいないと、欧州委員会は考えています。そのため、今後数か月から数年の間に、エネルギーサービスにおけるデジタル化を強化するために、次のようなさまざまな措置が実施される予定です。
■ 消費者がエネルギーの使用を、欧州共通のエネルギーのデータ空間で管理するための新しいデジタルツールとサービスの支援
■ データ保管施設の環境への配慮を示すラベリング、コンピューターのエネルギー消費ラベル、電気通信サービスのエネルギー消費の透明性を高めるための措置、ブロックチェーンのエネルギー効率ラベルなど、情報通信技術のエネルギー消費を管理
■ サイバーセキュリティを考えた上で、インフラストラクチャを回復させるために、EU電力規制および理事会勧告に基づく国境を越えた電力利用のネットワーク規制を含む新しい法律を策定し、エネルギーネットワークのサイバーセキュリティを強化
■ 欧州委員会が、デジタル・ヨーロッパ・プログラム、コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ助成金、LIFEクリーンエネルギー移行(CET)サブプログラム、結合基金(Cohesion Funds)、ホライズン・ヨーロッパプログラムなどのエネルギーのデジタル化のための旗艦プログラムを通じて、財政支援を提供
■ 欧州グリーンデジタル連合(European Green Digital Coalition)と協力して、エネルギー部門でデジタル技術を用いて、エネルギー利用と環境や気候の関係を測定するためのツールと方法論の開発
その他、欧州委員会は、この行動計画の提案理由、通信情報技術のエネルギー消費対する対策、暗号通貨への取り組み、デジタルソリューションへの投資方法、サイバーセキュリティへの取り組み、この取り組みを行う場合の可能な資金調達の方法などについて質問集を作成し、詳しく説明も行っています。
参考:
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