米国|「無人航空機事故」の定義を改正する規則を公布

Unmanned Aircraft Accident

2022年07月14日、米国国家運輸安全委員会(NTSB)は、「無人航空機事故」の定義を改正し、重量に基づく要件を削除し、耐空証明の要件に置き換えるを公布しました。同規則は2022年08月15日から公布されます。

300ポンド(約136 kg)未満の無人航空機システム(UAS)は、見通し外の場所や人口密集地の上空など、リスクの高い環境で運用されているため、重量基準はもはや適切な基準ではないとされ、改正された定義により、NTSBは安全上重要なUAS事故について通知を受け、迅速に対応できるようになるとされています。

背景

NTSBは、民間航空機の事故の通知と報告に関する規制を規定する組織です。

NTSBは、米国内のすべての民間航空事故の事実、状況および推定原因を調査・立証する独立連邦機関として、業界の最近の進展に照らしてUAS事故を再定義することに関心を持っており、NTSBの目的では、「無人航空機事故」とは、無人航空機の運用に関連し、飛行を目的としてシステムが起動してから任務終了時にシステムが解除されるまでの間に発生し、人が死亡または重傷を負うか、最大離陸重量が300ポンド以上の航空機が相当な損害を受ける事象を意味するとされています。

この定義が考えられた当時は、「実質的な損害」のみで事故を定義すると、重大な安全上の問題がない多数の小型UAS(sUAS)の墜落事故を調査する必要があったため、重量ベースの要件が必要とされました。

NTSBの規制では「無人航空機事故」とは認められないために、重量300ポンド未満のUASに大きな損害が生じた事象を報告したり、NTSBが調査したりする法的要件は存在しないことになっていました。

しかしながら、より高い能力を持つUASアプリケーションの出現(例:よりリスクの高い環境で運用される商業ドローン配送飛行など)は、NTSBの規制により「無人航空機事故」とは認められないという側面がありました。

そこで、よりリスクの高い環境(人口密集地、見通し外での運用など)で運用される商業用ドローン配送飛行など、より能力の高いUASアプリケーションの出現により、「無人航空機事故」の定義の更新を提案する動きに繋がりました。意見募集を経て、今回の改正へと至っています。

規則改正内容

改正箇所

49 CFR Part 830 NOTIFICATION AND REPORTING OF AIRCRAFT ACCIDENTS OR INCIDENTS AND OVERDUE AIRCRAFT, AND PRESERVATION OF AIRCRAFT WRECKAGE, MAIL, CARGO, AND RECORDS(航空機の事故・事件及び延滞機の通知・報告、航空機の残骸・郵便物・貨物・記録の保存)

■ § 830.2

改正内容

■ § 830.2 → 「無人航空機事故(Unmanned aircraft accident)」の定義(2)の「最大離陸重量が300ポンド以上である(has a maximum gross takeoff weight of 300 pounds or greater)」を削除し、代わりに「耐空証明を有している」を追加

参考

■ 改正規則(87 FR 42100)/米国連邦官報

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